あなた、天国へ手紙はとどきますか…

リージョナル・フィルム・フェスティバル2004正式出品作::http://www.riff.jp/

2004年/日本/107分/ビスタサイズ 配給:シネカノン

2004年7月31日、新宿ジョイシネマ3他にて夏休みロードショー!

© 2004 劇映画 「千の風になって〜天国への手紙」 製作委員会

公開初日 2004/07/31

配給会社名 0034

解説


女優マリリン・モンローの追悼に朗読され、ジョン・ウェインがハワード・ホークス監督の葬儀に朗読した。
IRA(アイルランド共和軍)のテロ攻撃によって他界した青年が両親に遺していた手紙に綴られていた。
あの9・11で父を亡くした11歳の少女が一周忌に朗読した。
“わたしのお墓の前で泣かないでください…”
−−英語詩を日本語翻訳した新井満氏いわく“死と再生の詩”であるこの詩は、大切な人を亡くして嘆き悲しむ世界中の人々に読みつがれ、なぐさめつづけている。死とは、終わりではなく、再生することなのだ。
新潟放送の長寿ラジオ番組「ミュージックポスト」の人気コーナー企画“天国への手紙”。天国へ旅立った最愛の肉親や親しかった友人に、遺された者たちが書いた手紙を、ベテラン・パーソナリティ大倉修吾が、朗涜するという、その番組をモチーフに、この映画のプロジェクトは始まった。
番組スポンサーである全国154社加盟葬儀社からなる『ベル共済』がそのスポンサーの中核になり、さらに新たな手紙が映画のために寄せられ、それらをもとに、脚本・監督をつとめたのは『潤の街』の脚本で城戸賞を受賞、『君は裸足の神を見たか』で監督デビューした金秀吉(キム・スギル)である。さらに、撮影監督の金徳哲(キム・ドクチョル)はじめベテラン映画人スタッフが結集し、作品を支えた。出演には、西山繭子、伊藤高史、南果歩、水谷妃里、金久美子、吉村実子、そして綿引勝彦。ベテラン勢と気鋭の若手のアンサンブルが、期待のキャスティングである。自身の逸話で原案にも関わった桂木梨江は、自らの母親を演じている.パーソナリティ大倉修吾も自身の役柄で出演した。また、共演の、洞口依子、
吉井怜、字梶剛士といった顔ぶれも興味深い。

ストーリー


“天国への手紙”の取材を続ける女性記者・紀子(西山繭子)。彼女は演劇に情熱を燃やす夫・健二(伊藤高史)との間に悩みをかかえている。このところ、体調も思わしくない。もしかしたら…。そして実のところ、“手紙”の取材自体も、自分の企画をはずされて新編集長から命令された企画だった。釈然としないまま、紀子の手紙の
差出人を訪ねる日々がはじまる…。

仙台−小児ガンで長男を失った葉子(南果歩)に会う。最初は子供特有の発熱だと思った。長男・達仁(新田亮)は、検査のかいなく、数年後に再び発病。診療に訪れた葉子は夫・浩志(大石継太)と共に達仁の病状が深刻だと医師(宇梶剛士)から宣告される。繰り返される手術。看護婦長(洞口依子)、担当看護師(吉井怜)らの願いにも関わらず、達仁は天へ旅立った。
東京−ごく普通の高校生活をおくっていた和美(水谷妃里)。仲良しだったクラスメイト(岡田めぐみ)も和美を敵対する慶子(我那覇美紀)グルーブに。いじめの標的となって浮いてしまった和美は、校内の問題児とされ、不登校となり孤立していく、そのストレスは実の母親(桂木梨江)への暴力となって、家庭はバラバラになってしまった。ある日ついに母親は和美への遺書を胸に自ら死をえらぶ…。紀子が訪ねた現在の和美(金久美子)は、美しい女優として活躍している。しかし、その心の傷は、癒えることはないと語るのだった…。
新潟−農家でコメづくりや柿栽培にいそしむ徳江(吉村実子)。見晴るかす山なみを紀子とながめながら、徳江が話し出した。夫・清一(綿引勝彦)の体調がくずれたのは、ほんとうに急な出来事だった。医師の告知に、最期までそばで看取りたいと、徳江は、自宅に夫を連れ帰る。事実、小康状態を取り戻した清一が、選んだ晩年の毎日は、徳江と過ごすいつもと変わらぬ日常生活だったのだ。早朝に起き、畑ではたらき、家族と共に、また、友人(樋浦勉)と過ごす日々、
しかし。やがてその日はやってきた…。

紀子は、様々な人々をたずねて、それぞれの物語を知った。人と人とのつながり、今はもうそこにいない人と、それぞれの想い…。健二を説得して、紀子は出産を決意した。いままでそれとはわからなかった人々の思い。そして、新しい生命が、誕生する。
人々の生命は、バトンタッチのように静かに繰り返される。しかし、“いなくなってしまった”人たちの存在は、気がっけばすぐそこに、大切な人のそばに、いつもいつも息づいているのだ。
風のように、あたりまえのように、すぐそばに…。

スタッフ

監督:金秀吉
プロデューサー:鈴木幹二
撮影:金徳哲
照明:上保正道
音楽:周防義和
エンディング・テーマ曲:「千の風になって」(訳詞・作曲・唄 新井満)
配給:シネカノン

キャスト

西山繭子
伊藤高史
南果歩
金久美子
水谷妃里
桂木梨江
山本龍二
吉村実子
綿引勝彦
大倉修吾

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