君の声は、僕には届く 初恋のあった場所を覚えていますか?

2004年/日本/35mm/113分/ヴィスタサイズ/DTSステレオ 配給:ミコット・エンド・バサラ 配給協力:シネカノン

2006年01月27日よりDVDリリース 2005年04月08日よりDVDリリース 2005年04月08日よりビデオリリース 2004年11月13日よりアミューズCQNほか全国順次ロードショー!

(C)雨鱒の川フィルムパートナーズ

公開初日 2004/11/13

配給会社名 0011

解説



川上健一原作の「雨鱒の川」を映画化。

「初恋」それは、誰もが経験し二度と味わうことの出来ない感情。
「故郷」それは、美しい山や川というより私達の心のイメージ、原風景。
「母親の愛」それは無償の愛であり、すべてに勝る愛。

目を閉じて思い起こせば、「初恋」も「故郷」も「母の愛」も過去というベールの向こうに見えてきます。それは二度と手元には戻らないもの……けれど、私たちの中に生き続けているのです。この映画は、絵を描く天賦の才を持った少年と耳の不自由な少女、さらにその少女を見つめつづけた年上の少年、それぞれのほのかな「初恋」から始まる物語です。澄み切った川があり、大地が全てを育んでいた「故郷」での14年間、三人が周囲の大人たちの中で揉まれ、人生の荒波に立ち向かいながら、「初恋」をどう昇華させ、決着をつけていくかを追っていきます。一方で、彼らを見守る大人たちにも、秘めた「初恋」が今も大切に心の中に仕舞われているのです。様々な世代の観客が、様々な登場人物に仮託して、きっとあったはずの「あの頃の初恋」を思い起こし、今の自分に問い掛けてみたくなる映画、それが『雨鱒の川』と言えるでしょう。

主人公の心平役には、映画『ウォーターボーイズ』で注目され。TVドラマ「こころ」「愛し君へ」やCMの数々、そしてCDデビューと、今期待度№1の若手俳優・玉木宏が挑みます。心平の幼なじみの小百合役にはTVドラマ「ブラックジャックによろしく」「幸福の王子」などで注目うを集め、7月からは「世界の中心で、愛をさけぶ」でヒロインの亜紀を演じて今年ブレイク必至の綾瀬はるか。一途に小百合に想いを寄せる年上のライバル栄蔵役に松岡俊介。父親のいない心平をときに厳しく、ときに優しく育てながら、ひたむきに生きる母・沙月に初の母親役で新たな魅力をみせる中谷美紀。その沙月に憧れていて、小百合の父親でもある村の名士・高倉に阿部寛。心平と小百合の初恋を見守りながら川に生きる男・秀二郎に柄本明。そして、小百合の優しい祖母に星由里子が扮します。また少年少女時代の心平と小百合を演じる須賀健太(TVドラマ「人にやさしく」など)、志田未来(TVドラマ「外科医有森冴子2」など)の溌剌とした存在感にも注目です。

原作は、スポーツ誌をはじめとし、すがすがしい文体で定評のある川上健一の「雨鱒の川」(集英社刊)。「翼はいつまでも」など読むものに感動を与える数々の作品が、映画界からも注目を集めています。監督は『がんばっていきまっしょい』『解夏』の磯村一路。本作では雄大な自然に力を貰い、主人公たちのじんせいの機微を絶妙な距離感で切り取ると同時に、心平の“心の窓”ともいえる雨鱒とのシーンでは、『ビッグ・フィッシュ』を彷彿とさせるファンタジーの要素も取り入れて、新しい側面を見せています。また音楽は、人間の五感に訴えかける最高の音楽ををいうコンセプトを元に葉加瀬太郎がプロデュース。初めての映画音楽に挑んでいるのも、大きな話題です。

ストーリー



どこまでも広がる大地、大きな空という豊かな自然に囲まれ育った8歳の心平(須賀健太)は、夫を亡くし、身体が弱いながらも一人でたくましく生きる母・沙月(中谷美紀)と二人で楽しく暮らしていた。絵を描くことが大好きで、授業中も絵に夢中になっている心平は、授業が終わるとすぐに教室を飛び出し、大好きな<川>へ向かう。優しい母に魚をたくさん食べてもらう為に、魚捕りに行っているのだ。幼なじみの小百合は、耳が聞こえないが、不思議と心平とだけは心が通じ合い、いつも二人で遊んでいた。その川には、二人を見守りながら幻のイトウを追いかけている秀二郎(柄本明)がいる。ある日、川に潜っていた心平は、大きくてきれいな魚・雨鱒に出会う。ヤスで突こうとするが雨鱒は逃げずにじっと心平を見つめている。心平も見つめかえすと、何と雨鱒は突然心平に語りかけてきた。すぐに友達になった心平は、毎日雨鱒と川で遊ぶようになる。もちろん小百合も一緒だ。自然と川に集まる子供たち。その中に小百合のことが好きな年上の少年、英蔵がいる。しかし、小百合に話し掛けても、小百合には英蔵の声は届かない…。そんなある日、オスの雨鱒がメスの雨鱒を連れてやってきた。結婚して上流の方に行くというのだ。小百合が「あたしも大きくなったら心平のお嫁さんになる」と言い、二人は雨鱒たちに結婚を約束する。寂しいながらに雨鱒とさよならをする二人。

ある日、心平の雨鱒の絵がパリ児童絵画展で特賞を獲った!という大ニュースが飛び込んでくる。小百合の父である村の名士・高倉士郎(阿部寛)が主催して、心平の祝賀会が行われた。高倉社長は亡き心平の父親の親友で、沙月に密かな想いを抱いていた。祝賀会の席で心平の将来を心配していた沙月は最高に幸せだった。

それから14年後、22歳になった心平(玉木宏)は高倉酒造で作業員として働き、小百合(綾瀬はるか)と故郷で昔と同じょうに仲よく過ごしていた。英蔵(松岡俊介)は、東京の大学を出たものの小百合のことを想い、故郷に帰り高倉酒造に就職した。心平は仕事よりも絵に熱中し、そして魚を捕って過ごすことが喜びだった。そんなとき高倉から、心平の絵が東京の画廊に売れた、東京に行ってチャンスを生かせと強く勧められる。心平は大好きな故郷と、そして何よりも小百合と離れて暮らすことに不安を感じていた。心平には、今の生活が限りなく幸せだった。しかし、小百合の「心平のため。私はずっと待ってる」という言葉に背中を押されて東京に行くことを決意する。東京に来た心平。だが、その心にはぽっかりと穴があいてしまっていた。慣れない都会での生活のせいなのか?小百合がそばにいない寂しさからなのか?それとも、ここには何かが欠けているからなのか?大好きなはずの絵を描くことが出来なくなっていた。一方故郷では、優秀な英蔵が子供の頃から一途に小百合を愛していると知った高倉が、二人を結婚させようとしていた。小百合の祖母の手紙で状況を知った心平は動揺し、悪夢を振り払うかのごとく絵を夢中で描き始める。そして、絵を描き上げたとき、心平は故郷に戻る決意を固めるのだったが…。

スタッフ

監督:磯村一路
原作:川上健一(『雨鱒の川』集英社刊)
脚本:小林弘利、ぜんとうひろよ、安堵麗、磯村一路
製作:三宅澄ニ、新藤次郎、細野義明、山崎泰博、浅香衣世
プロデューサー:溝上潔、渡邉直子
撮影:喜久村徳章
照明:才木勝
録音:横溝正俊
美術:金勝浩一
編集:菊池純一
音楽プロデュース:葉加瀬太郎 

キャスト

加藤心平:玉木宏
高倉小百合:綾瀬はるか
加藤心平(8才):須賀健太
高倉小百合(8才):志田未来

川嶋英蔵:松岡俊介
井上美香:伊藤歩
高倉松子:星由里子
田崎秀二郎:柄本明
高倉志郎:阿部寛
加藤沙月:中谷美紀

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