ハーケンクロイツの翼

やる気のない男。やる気しかない男。相手を不幸にする女。
暴走しまくりの、やり逃げムービー誕生！

死ぬことしか考えていなかったボクに、生きる希望がわいてきた。
あいつと出会ってからーー。

　退屈な毎日を過ごすＲＩＫＵＯの生活は、突然猫のように転がり込んできたＮＡＭＩＫＯと本能の赴くままに行動するＧＡＳの登場により一変した。ディスコを襲撃したかと思えば、バイクにまたがり街に毒ガスを撒き散らすＧＡＳ。そんな彼と行動をともにしているうち、生きる実感が沸いてくるＲＩＫＵＯ。暴挙を繰り返すふたりを、人々はこう呼んだーー”ハーケンクロイツの翼”！
　アクション、ラブロマンス、コメディと映画の醍醐味をこれでもかとぶちこみ、思いっきり捻じ曲げて爆発させたパワフルな青春映画。それがこの『ハーケンクロイツの翼』である。クールでポップなセリフと瑞々しい映像感覚によって描かれるコントロール不能の三角関係。ファーストシーンから爽快なラストまで、縦横無尽に暴走しまくるドラッグなしのハイ・テンションが、観る者を驚異のストレンジ・ワールドに叩き込む。
　主演のＲＩＫＵＯに『あずみ』『ロボコン』などで成長著しい若手Ｎｏ．１俳優、小栗旬。運命にふりまわされる無口でシャイな男を飄々と演じ、新境地を開拓。悪行を重ねるうちに徐々に生気を帯びてくるその表情に注目。超個性的なアドレナリン放出男、ＧＡＳにダンサーでもある山根和馬。主演級としては初めての映画出演ながら、その圧倒的な存在感で今後の活躍が期待される。またちょっと不思議ちゃんな美少女、ＮＡＭＩＫＯに『ＧＯ』『カミナリ走ル夏』の伴杏里。つきあった男は必ず不幸になるという伝説の女に扮し、可憐な魅力をふりまく。他にもロックバンドTHE SALINGERのヴォーカルとして人気を集めるEDDIE、津田寛治、鈴木清順といった強力なメンツが怪演し、体感温度のヒートアップに拍車をかける。監督は『ポストマン・ブルース』『ピストルオペラ』などのプロデューサーとして名を馳せる片嶋一貴。清順のでたらめさとゴダールの奔放さを兼ね備えた突然変異の才能がスパーク、21世紀の淀みきった日本にカウンターパンチを浴びせかける。