ケイティ

『トラフィック』でアカデミー賞を獲得したスティーブン・ギャガンからの静かな警告
　
　本作品は、３つの異なった時間軸に、主人公ケイティを巡る事件が同時進行する。じわじわと暴かれていく現代女性を取り巻く孤独、寂寥、そして心の闇の実態。いつしか得体の知れない不安がめくるめく様な陶酔感に変わっていくサスペンスは圧倒的な迫力で、サスペンス・スリラーの秀作と各界から賞賛を浴びた。
恋愛感情の狭間に揺れる女性の孤独で不安定な心理を鋭くえぐったこのストーリーは、間違いなく観客の共感を誘う。

■監督に注目
『トラフィック』（00）でゴールデン・グローブ賞（脚本賞）、アカデミー賞（脚色賞）を獲得したスティーブン・ギャガン監督・脚本による衝撃のラブ・サスペンス。『トラフィック』で試みたドキュメンタリー・タッチともいえる迫真の群像ドラマを、より身近に、よりリアルに、カレッジ・ライフの中に求めたのが本作。人間存在の深奥に迫る物語で、脚本家としてのみならず、監督としてもその想像力とストーリー・テリングの手腕を見せつけたギャガン。

■俳優陣に注目
主演にTVドラマ『ドーソンズ・クリーク』で大ブレイクし、いまや全米ティーンに絶大な人気を誇るケイティ・ホルムズ。11月に日本でも公開される『フォーン・ブース』での演技も高く評価され、演技の幅を広げている現在若手大本命の女優だ。
競演に甘いマスクとたまらない魅力で母国英国女性のみならずハリウッドをも熱狂させている新人＝チャーリー・ハナム、セクシー演技派ベンジャミン・ブラッドらが顔をそろえている。
さらに脇を固めるのは、注目のガブリエル・ユニオン（『バッドボーイズ２バッド』（03）』、個性派ズーイー・デシャネル（『あの頃ペニー・レインと』（00））、メラニー・リンスキー（『乙女の祈り』（94））ら、いまやハリウッドきっての新進気鋭スターが勢ぞろい。