原題:Mystic River

それぞれの心に傷を抱えて、 少年たちは大人になった。 底知れぬ悲しみの果てにある、 本当の涙を知るために——。 今、描かれるもうひとつの 「スタンド・バイ・ミー」。

2003年10月10日全米初公開

2003年/アメリカ/カラー/137分/ 配給: ワーナーブラザース

2007年12月07日よりDVDリリース 2005年04月22日より〈期間限定価格〉DVDリリース 2004年1月10日より丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー

(C)2003 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (C)2003 Village Roadshow Films(BVI)Limited.

公開初日 2004/01/10

配給会社名 0085

解説



全米で巻き起こる絶賛の声。アカデミー賞最有力候補とも目されるクリント・イーストウッドの監督最新作「ミスティック・リバー」は、心に傷を抱えて大人になった少年たちの、衝撃的とも言える悲劇を正面から描ききり、胸に焼きつく深い感動を生み出した、正真正銘の傑作だ。

3人の幼なじみの少年たちが子供時代に体験した忌まわしい誘拐事件。それがすべての始まりだった。1人が車で連れ去られ、2人はそれを見つめるしかなかったその日、彼らの少年時代は終わりを告げた。
25年後、大人になった3人は、悲惨な殺人事件を通して再び出会うことになる。1人は娘を殺された父親として、1人は刑事として、そしてもう1人は、容疑者として——。

原作は、全米でベストセラーとなり、日本でもジャンルを超越した傑作として2001年の年間ベスト・ミステリーにランキングされたデニス・ルヘインの同名小説。クリント・イーストウッドは、最初に読んだ瞬間にこの作品の映画化を決意したという。殺人事件の謎解きを超えて心を揺さぶる登場人物たちの痛ましいまでの悲しみと、それを生き抜く力強い物語が、名匠イーストウッドを捉えたのだ。
物語の深みに降り立つために、イーストウッドは、これ以上も、これ以外もあり得ない完璧なキャストを招集した。
ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコン。
競演を思うだけで鳥肌が立つ錚々たる顔ぶれだ。娘を殺された父親の鬼気迫る激情をスクリーンに叩きつけるショーン・ペン、少年時代の悲惨な体験に今にも崩れ落ちそうな脆い心を演じるティム・ロビンス、内面に愛情の葛藤を隠し持つ怜悧な刑事の心情を見事に捉えるケビン・ベーコン。この作品によって、それぞれが、これまでの輝かしい履歴にまた新たな代表作を加えたことは間違いない。三人ともに監督としてのキャリアも持つ、いずれ劣らぬ実力派が、その才能と魅力を遺憾なく発揮した奇跡のアンサンブル。クリント・イーストウッドはこの逸材をひとつにまとめあげ、アカデミー賞受賞作「許されざる者」を凌ぐ最高傑作を作り上げた。

ロスト・イノセンス——。少年時代にしか築けない友情があり、子供時代にしか許されない無邪気がある。そうしたものに別れを告げて、人はいつしか大人になっていく。
しかし、3人の少年たちにとって、それは忌まわしい略奪の記憶でしかなかった。
奪われた子供時代ゆえの心の傷、苦悩、葛藤、嘘、秘密……。
25年後の殺人事件が、彼らの抱えた心の闇をあぶりだし、疑惑を生み、悲劇を呼ぶ。
とめることのできない、底知れぬ悲しみの連鎖に、見つめる者は、言葉もなく、ただ涙するしかない。
苦く、悲しく、しかしそれゆえに、生きていく力強さに満ちたもうひとつの「スタンド・バイ・ミー」がここにある。
今、はじめての涙にあなたは出逢う——。

ストーリー




たったひとつの忌まわしい出来事が、少年たちの運命を変えた——。
ジミー(ショーン・ペン)、デイブ(ティム・ロビンス)、ショーン(ケビン・ベーコン)の3人は、ボストンのダウンタウンに近いイーストバッキンガム地区で少年時代をともに過ごした幼なじみだ。
11歳のある日、いつものように路上で遊んでいた3人に、警官を思わせる男が近づいてきた。男は、道路にいたずらをしていた3人を叱りつけると、デイブだけを車に乗せて走り去った。
デイブが戻ってきたのはそれから4日後のこと。誘拐され、監禁された4日間。そのあいだにデイブの身に何が起こったのかは、語られなくてもわかった……。
その日を境に、彼らの少年時代にピリオドが打たれ、3人は離れ離れになっていった。
25年後に起きた殺人事件。それは、過去の出来事を呼び戻す、さらなる悲劇の幕開けとなった。
無残な姿で殺されていたのは、19歳になる、ジミーの最愛の娘。今は刑事となったショーンが、相棒のホワイティー(ローレンス・フィッシュバーン)とともに事件の捜査にあたることになり、その捜査線上に、なんとデイブが容疑者として浮かび上がってきたのだ!
殺された娘の父親と、刑事、そして容疑者——。かつての幼なじみが果たしたあまりにも過酷な再会。
25年間、それぞれの心に傷を抱えて、3人は別々の道を歩んできた。
いったんは犯罪社会に身を置いたものの、服役中に妻を亡くし、残された幼い娘のために更生を誓ったジミーは、雑貨店の店主として、2番目の妻アナベス(ローラ・リニー)とともに平和な家庭を築いていた。
一方、ジミーとはまったく反対の立場から殺伐とした犯罪の世界を見つめてきたショーン。別居中の妻からはときどき無言電話がかかってくるだけだ。
デイブは、何とか生き延びていた。セレステ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)と、質素で平凡な家庭を持ち、ひとり息子を可愛がる日々。しかし、彼は今なお、過去の忌まわしい出来事にさいなまれながら、混乱の中にいた。
事件当夜、血まみれで帰ってきた夫に、言い知れぬ不安を感じる妻セレステ。捜査がすすむにつれ、次第に深まっていくデイブへの疑惑。
ショーンの必死の捜査が続く中、ジミーは自らの手で娘の復讐を果たすべく、ついにデイブを運命の場所、ミスティック・リバーへと呼び出した……!

スタッフ

監督:クリント・イーストウッド
製作:ブライアン・ヘルゲランド、ジュディ・ホイト、ロバート・ロレンツ
原作:デニス・ルヘイン
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
撮影:トム・スターン
編集:ジョエル・コックス
音楽:レニー・ニーハウス 

キャスト

ショーン・ペン
ケビン・ベーコン
ティム・ロビンス

ローレンス・フィッシュバーン
ローラ・リニー
アダム・ネルソン
エミー・ロッサム

LINK

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□IMDb
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http://mysticrivermovie.warnerbros.com/
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