原題：The Good Thief

トロント映画祭公式出品作品 サン・セバスチャン映画祭オープニング作品

2003年3月7日イギリス初公開

2002年／イギリス・フランス・カナダ・アイルランド／1時間49分／ビスタサイズ／ドルビーSR・SRD・DTS 配給：２０世紀フォックス映画

2004年10月22日よりＤＶＤ発売開始 2004年05月07日よりＤＶＤリリース 2004年1月31日より銀座シネパトスほか全国順次ロードショー

(C)2003 TWENTIETH CENTURY FOX

公開初日　2004/01/31

配給会社名 0057

解説


　風光明媚なリゾート地、フランス、リビエラ。夜ともなると、ギャンブルと男と女と犯罪の街となり、昼間とはまったく違う表情を見せる。そんな街を舞台に、人生の辛酸をなめてきた男と女が、熱く、めくるめくようなドラマを展開する。カジノの大金と地下に隠された有名絵画を同時に狙うという、周到に計算された大胆不敵な強奪計画。二重三重のサスペンス。『クライング・ゲーム』、『ことの終わり』のニール・ジョーダン監督待望の最新作は、裏町でケチなカードに運命を託していた男が、人生最高の“ヤマを踏む”ハードボイルド・クライム・ムービー。ニール・ジョーダンならではのスタイリッシュなストーリーが堪能できる傑作が誕生した。
　主人公のボブを演じたのは、アカデミー賞に2度ノミネートされているニック・ノルティ。夜ごとキャンブルの街を徘徊しては、一攫千金の人生を夢見ているタフなギャンブラーを熱演している。ボブの長年のライバルである刑事役に『ニキータ』のチェッキー・カリョ。ボブが惹かれる美少女アンには、そのセックス・アピールがナスターシャ・キンスキーの再来と呼ぶにふさわしい東欧の新星ナッサ・クヒアニチェ。また、強烈なインパクトの画商には、「レッド・ドラゴン」のレイフ・ファインズが扮している。さらに「アンダーグラウンド」等でヨーロッパ映画を代表する監督のエミール・クストリッツァが役者として顔を出すなど、個性的な俳優の見事な演技のコラボレーションをジョーダン監督は実現した。
　製作は長年、ジョーダン監督のよき相談相手で製作者として活躍しているスティーブン・ウーリーと『ケミカル51』（01）のシートン・マクリーン、テレビ「ER」を仕掛けたジョン・ウェルズが共同で手がけ、イギリス、フランス、カナダ、アイルランドの合作プロジェクトとなった。全篇シャープな映像を綴った撮影は、ジョーダン監督の『マイケル・コリンズ』(96)も手がけた名手、クリス・メンゲス。
　音楽は全篇に官能的でデカダントな名曲の数々が使われている。チェブ・カレド“MINUIT”、レナード・コーエン“A THOUSAND KISSES”、セルジュ・ゲンズブール＆ジェーン・バーキン“JET’AIME…MOI NON PLUS”、ボーノ“THAT’S LIFE”など、全16曲。なかでも、ゴールデンサールの“CONFESSION TO JC WITH LOVE”が作品のムードを高めている。

ストーリー



　リビエラ——世界的なリゾート地で、カジノが点在するギャンブルのメッカとしても有名だ。身も心もボロボロになったギャンブラー、ボブ・モンタナ（ニック・ノルティ）は、ツキに見放されながらも、しぶとく、何とかこの街で生きている。夜な夜な場末のカジノで飲んだくれながら、今宵こそはとイキがっていた。しかし必ず負けが込み、ボロボロの態でカジノを後にする羽目に……。そんなボブがいつ犯罪に再び手を染めるか、それを監視する男がいた。地元警察の刑事ロジェ（チェッキー・カリョ）だ。彼はボブを監視してはいるが、心憎く思うどころか、むしろボブの潔いまでの男気に心惹かれていた。
　ある夜、ボブは行きつけのカジノ＆バーで妖しい魅力の若い女に一目惚れをする。彼女の名前はアン（ナッサ・クヒアニチェ）。店を仕切る男の情婦のように働かされていた彼女を、ボブは男から解放してやり、彼女はボブのアパートに寝床を求めた。しかし、ボブは決してベッドを共にしないことを条件にした。
　ボブの部屋にはピカソが描いたという1枚の絵が飾られている。「ピカソは闘牛士に賭けたんだ。俺は闘牛に運を託した。結局、闘牛士は26針も縫う大怪我を負い、俺はピカソが書いた絵を手に入れたんだ」と誰にともなく言いふらす。しかし、ボブは手にした絵が贋作（フェイク）であることは百も承知だった。俺の人生は“ピカソ・フェイク”のようなものだと自分で自分にうそぶき、強がってみせる。
　ある日、古くからの仲間ラウル（ジェラール・ダルモン）からカジノ襲撃計画が持ち込まれる。モンテカルロにあるカジノを、グランプリ・レースが開催される前夜、大勢の観光客で賑わう最中に襲撃し、大金を戴こうという計画だ。しかし、これにはウラがあった。本当の目的はカジノの壁に飾られた有名絵画を奪うことだった。ボブは計画実行を決断する。カジノのコレクションの中には本物のピカソがあったのだ！　今度こそ大きなツキを掴む……。ボブはアンを誘い、最高にドレスアップして賑わうモンテカルロのカジノへと向かった。

スタッフ

監督・脚本：ニール・ジョーダン
製作：スティーブン・ウーリー、ジョン・ウェルズ、シートン・マクリーン
撮影：クリス・メンゲス
美術：アンソニー・プラット
音楽：エリオット・ゴールデンサール
衣装：ペニー・ローズ
配給：20世紀フォックス

キャスト

ニック・ノルティ
チェッキー・カリョ
エミール・クストリッツァ
サイード・タグマウイ
オアッシーニ・エンバレク
ナッサ・クヒアニチェ
ジェラール・ダルモン
レイフ・ファインズ

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