原題:Man on Fire

守りたい。 男に生きる希望を与えたのは、たった9歳の少女だった。

2004年/アメリカ・メキシコ/2時間26分 配給:日本ヘラルド映画・松竹

2010年11月26日よりDVDリリース 2007年11月28日よりDVDリリース 2005年06月29日よりビデオリリース 2005年06月29日よりDVDリリース 2004年12月18日、東京[丸の内ピカデリー2]ほか全国ロードショー

公開初日 2004/12/18

配給会社名 0058/0003

解説



男は、生きる目的を見失っていた。
 少女は、男の閉ざした心に隠された優しい心をひと目で見抜いた。
 男は元CIAの特殊部隊員。誘拐事件が多発するメキシコ・シティに住む実業家の娘のボディガードとして雇われる。男が少女と心を通わせ始めたとき、事件は起こった。命よりも大切なものを奪われた男は今、立ち上がる。予想もしなかった真実が待ち受けているとも知らずに……。
 「レオン」から10年、迫り来る悪に立ち向かう男と少女の、さらに熱く、もっと切ない愛の物語が、今ここに誕生した!
 少女のボディガード、ジョン・クリーシィを演じるのは、「トレーニング・デイ」で黒人俳優としては史上2人目のアカデミー賞主演男優賞に輝いたデンゼル・ワシントン。汚れを知らない少女、ピタを演じるのは、「アイ・アム・サム」で世界中の涙を誘った天才子役ダコタ・ファニング。二人は、特殊任務という名の“暗殺”を重ねるうちに身も心も傷つき、生きることの喜びを忘れてしまったクリーシィと、そんな彼を無邪気でひたむきな愛情で包むピタを情感豊かに演じ、観る者の胸をしめつける。また、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のクリストファー・ウォーケン、「ハンニバル」のジャンカルロ・ジャンニーニ、「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」のミッキー・ロークなど、個性派が脇を固めている。
 二人の心温まる交流から一転、ピタを誘拐され復讐に立ち上がるクリーシィが犯人を追いつめるサスペンスフルな展開、そしてラストの驚愕から感動へと変わる涙の結末をスタイリッシュな映像で描ききったのは「トゥルー・ロマンス」「スパイ・ゲーム」のトニー・スコット監督。彼が20年もの間、映画化を熱望した原作は、ミステリーファンから圧倒的な支持を得ているA・J・クィネルのベストセラー小説「燃える男」。エンタテインメントに徹しながらも、善悪両面を抱える人間の本質を見事に浮かび上がらせる脚本は、「ミスティック・リバー」のブライアン・ヘルゲランド。現在のハリウッドの最前線を担う一流スタッフ・キャストで贈る、この秋一番の感動アクション超大作!

ストーリー


ピタ、君がくれた新しい命を、
君のために捧げる
 ジョン・クリーシー(デンゼル・ワシントン)は、生きる希望を失くしていた。米軍の対テロ部隊で、”暗殺”の仕事を16年間も続けた彼に残されたものは、心と身体の傷跡だけだった。追い払えない恐怖と罪の意識を大量の酒でごまかす日々を送っていたクリーシーは、部隊の先輩で今はメキシコで護衛の仕事をしているレイバーン(クリストファー・ウォーケン)を訪ねる。レイバーンはそんなクリーシーを温かく迎え、仕事を紹介してくれる。雇い主はメキシコシティの実業家サムエル・ラモス(マーク・アンソニー)とその妻リサ(ラダ・ミッチェル)。彼らの9歳の娘ピタ(ダコタ・ファニング)の”ボディガード”が仕事だ。メキシコシティでは、この6日間に24件もの誘拐事件が発生、人質の70%は生還できないという。
広い邸に住むサムエルは裕福に見えたが、実は自動車の部品工場の経営も思わしくなく、その上父親がのこした借金もあった。それでもボディガードを雇わなければ、誘拐保険の更新はおろか、ピタを学校に通わせることも出来ない。そこで、未経験のために給料が安いクリーシーに白羽の矢が立ったのだ。アメリカ人のリサは、同国人だというだけでクリーシーを雇うことに同意する。

 無愛想なクリーシーを、心の底から気に入ったのは、ピタだった。「彼はクマに似てる。大きくて悲しげで」大好きなテディ・ベアのぬいぐるみに「クリーシー」と名付けるピタ。しかし、クリーシーは、新しい仕事に何の情熱も感じていなかった。学校への送り迎えの車の中で、質問攻めにするピタに、「僕の仕事は友達になることじゃない」と冷たく言い放つクリーシー。
「神は、おれたちを許すだろうか?」以前は聖書を暗唱するほど信心深かったクリーシーは、過去の過酷な任務の幻影に夜ごと苦しめられる。ある夜、ついに決意して自らのこめかみに引金を引くが、銃は不発。偶然か、運命か──雨の庭で、生きていくことを受け止めて涙を流すクリーシーは、窓からじっと見守っているピタに気付くのだった。
それからのクリーシーは、少しずつ不器用にではあるが、ピタに心を開き始める。ピタが泳ぎは速いのに、スタートが遅いせいで負けてしまうのを見て、根気よく教える。特訓の甲斐あってピタが水泳大会で1位を獲得したときも、喜びを分かち合った。出張で不在の多い両親に代わって、いつの間にかクリーシーは家庭教師の役割まで果たし、二人は急速に打ち解けていく。ピタの汚れを知らない瞳、春の日差しのように暖かい笑顔、機転のきいたユーモアが、クリーシーの毎日を生き生きと輝かせていく。酒をやめ、昔好きだったリンダ・ロンシュタットの「ブルー・バイユー」に聞きほれ、心の底から笑う生活を取り戻したのだ。そんなある日、ピタがクリーシーにペンダントを贈る。「聖ユダよ。希望をなくした人の守護聖人」今やクリーシーにとって、ピタこそが守護”天使”そのものだった。

 ピアノ教室の練習の間、外で待っていたクリーシーは、妙な動きをするパトカーや不審な車に危険を察知する。教室から出てきたピタに、「逃げろ!」と叫びながら拳銃を抜くクリーシー。あやしい男たちだけでなく、なぜか警官たちもクリーシーに銃を向け、あたりはたちまち銃撃戦と化した。銃弾に倒れるクリーシーに、泣きながら駆け寄るピタは、男たちに車で連れ去られてしまう。瀕死のクリーシーの胸には、ピタからもらったタンポポがむなしく揺れていた……。
ラモス家では、弁護士のジョーダン・カルフス(ミッキー・ローク)が犯人との交渉を仕切ろうとするが、司法警察が強引に介入する。サムエルは誘拐保険で身代金を用意し、犯人の指定の場所に運ぶが、待ち伏せしていた何者かが金を取りに来た犯人の甥を射殺、身代金を奪ってしまう。怒り狂った犯人は、サムエルへの電話で、見返りにピタを殺すと宣告する。
クリーシーが射殺した司法警察の二人は、汚職警官だった。事件の背後には、政府の幹部や汚職警官の巨大犯罪組織、”エルマンダー(兄弟団)”が絡んでいるらしい。報復を恐れた連邦捜査官の長官、ミゲル・マンサーノ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)に、動物病院に匿われたクリーシーは、レイバーンからピタの死を聞かされる。
絶望の深い淵をさまようクリーシーは、荷物を取りに戻ったラモス家で、ピタの日記帳を開く。「私のこと愛してね、クリーシー」
ついに、クリーシーは立ち上がる。事件の全貌を解明し、関わった者すべてに復讐するために。しかし、行く手には予想もしない真相が待ち受けていた……。

スタッフ

監督:トニー・スコット
プロデューサー:アーノン・ミルチャン
トニー・スコット
ルーカス・フォスター
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
原作:A.J.クィネル
エグゼクティブ・プロデューサー:ランス・ホール
ジェームズ・W.スコッチドポール
撮影:ポール・キャメロン
美術:ベンジャミン・フェルナンデス
クリス・シーガース
編集:クリスチャン・ワグナー
衣装デザイン:ルイーズ・フログレー
共同プロデューサー:コンラッド・ホール
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
キャスティング:ボニー・ティマーマ

キャスト

デンゼル・ワシントン
ダコタ・ファニング
クリストファー・ウォーケン
ジャンカルロ・ジャンニーニ
ラダ・ミッチェル
マーク・アンソニー
レイチェル・ティコティン
ミッキー・ローク

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