原題:Blue

第4回全州国際映画祭シネマ・スケープ部門招待作品 第26回黄金撮影賞新人撮影賞受賞(チェ・ジヨル)

2003年2月7日韓国初公開

2003年/韓国/カラー/109分/ドルビーSRD/6巻 2973m/ビスタサイズ/ 翻訳:根本理恵 配給:日本ヘラルド映画

2004年02月18日よりDVDリリース 2003年10月11日より新宿トーアにてロードショー

公開初日 2003/10/11

配給会社名 0058

解説


実在する世界最強の海難救助隊
“SSU(Ship Salvage Unit)”

『SSU』は、『シュリ』(99)で韓国映画の新時代を世界に宣言したカン・ジェギュ・フィルムが、韓国海軍全面協力のもと満を持して送り出した、同国映画史上初のSSUを舞台にした感動大作ドラマだ。

幼い頃から親友同士として育ってきたキム・ジュン大尉とイ・テヒョン大尉。二人はいま、韓国海軍のエリート潜水部隊であるSSUに所属し、対照的な性格ながら共にその優れた潜水能力で部隊の救助班長を務めている。そんなある日、二人の前に女性士官カン・スジンが新任教官として現れる。彼女とジュンは訓練生時代の昔、ともに愛し合った仲。しかし親友テヒョンも彼女を愛していることを知ったジュンは、スジンのイギリス留学を機にその恋に終止符を打ったのだった。そして3年後、彼らは再び同じ部隊で運命を共にすることになった。しかしそれはまた、その運命の別れ道の始まりでもあったことを、そのとき彼らの誰も知らない。

やがて海中での作戦訓練中に事故が発生。スジンは深海187メートルで動けなくなった潜水艦の中に閉じ込められてしまう。世界最高レベルの深海潜水技術を誇るSSUでさえ経験した試しのない深い海底。そこで彼女を救出する大役を命じられたのはジュンとテヒョン。それは人生の大半で運命を共にしてきた二人に、究極の選択を迫る任務でもあった……。

その深海アクション的舞台設定にもかかわらず、
『SSU』はけっして軍事アクションやSSUのみに可能と言われる超人的深海作業のスペクタクルを売りにした映画ではない。SSUというとりわけ過酷な任務と一瞬の判断力が求められる部隊を題材に、命の危機迫るぎりぎりの状況下で、男と男、そして女、それぞれの尊厳や信義のあり様を描いた、愛と友情の感動ドラマである。海の深さ以上に、まずその人間描写の深さで人々を感動させるのが、『SSU』だ。

最高のスタッフ・キャストによる
極限下の壮絶な“愛と友情”のドラマ

監督は、韓国メロドラマの珠玉の傑作「手紙」(97)で韓国全土を涙に濡らし、同国映画史に残る記録的大ヒットをみせたイ・ジョングク。『SSU』の演出が、アクション、スペクタクルの名手ではなく、意外にもラブ・ストーリー、難病ものなど、涙と感動の物語、極限状況ドラマを得意とする彼のような監督に託されたことも、本作の成功の大きな要因だろう。57年生まれの中堅イ・ジョングクは、『SSU』の題材の海洋アクション的見
かけの壮大さに溺れることなく、海のブルーの向こう側に人間の心の最も崇高な瞬間を鮮烈に炙り出して見せた。

『シュリ』で破格の大成功を収めたカン・ジェギュ率いるカンヴェギュ・フィルムは、その成功に乗じて直ちに『シュリ2』を作るのではないかとの周囲の憶測をよそに、そうした安易な商業主義、大作主義には走らず新たな韓国映画を担う才能の育成など地道な韓国映画クオリティ向上の道を探ってきた。『SSU』も、『シュリ』が大ヒットした1999年に企画開発着手され、4年もの歳月をかけた2003年初春にようやく発表された作品である。

監督起用の適確さに負けず劣らず、俳優起用の適確さも抜群だ。
女性少佐への愛と親友への友情との間で苦悩するキム・ジュン大尉役を演ずるのは、『銀杏のベッド』(96)『アウトライブー飛天舞ー』(OO)などの名演で、かなわぬ悲恋のヒーローを演じさせてこの人の右に出る者なしとの定評を確立した『ガン&トークス』(01)のシン・ヒョンジュン。本作でも、反抗的ながら最後には誰もの同情と涙を誘わずにはいられない名演技を見せている。

一方、二人の男から愛されるタフな女性将校カン・スジンを演ずるのは、韓国版『リング』(99)や大ヒットコメディ「奥様は極道」(01)などの主演で知られるシン・ウンギョン。可憐なタイプが大半を占める韓国女優の中で、例外的にタフで威厳があり、同時にちょっとコミカルさも兼ね備えた彼女の存在なしには、本作は成立しなかったろう。基本的には男優中心の韓国映画の世界で、数少ない女優中心で映画を引っ張れる存在でもある。本作では、軍人らしく華美さをこれまで以上に抑えて、真実感たっぷりの女性将校役を演じきってみせた。

またキム・ジュン大尉の古くからの親友で、同じSSU隊員でありながら彼とは対照的な人生を歩むイ・テヒョン大尉役は、「太陽はない」(99)などで知られるキム・ヨンホが好演。その他「サマータイム」(01〕のリュ・スヨン、『パイラン』(01)『ラスト・プレゼント』(01)のコン・ヒョンジン。『将軍の息子』(90)のイ・イルチェらが脇を固めている。

脚本は、『バイラン』での文芸センス溢れる脚色で評価を集めた新鋭キム・ヘゴンが担当。再び涙と感動の入間ドラマに優れた手腕を発揮し、韓国映画界の未来を担う脚本家として注目されている。

ストーリー

世界最強の海難救助隊SSU。
そしてキム・ジュン、
イ・テヒョン、カン・スジン

優れた潜水能力と海中救難の実績で、世界屈指と賞賛される韓国海軍のSSU部隊。キム・ジュン大尉(シン・ヒョンジュン)とイ・テヒョン大尉(キム・ヨンホ)は、そのSSUで救助班長を務める優秀なダイバー同士だった。元・韓国潜水チャンピオンの肩書きを持つジュンは、何かと組織の枠からはみ出しがちな反逆児タイプで、新任隊長のチェ中佐ともしばしば衝突する。一方のテヒョンは、忠誠心溢れる誠実な士官。そんな性格の違う二人は子供の頃からの親友で、同時に一番のライバルでもあった。

ある日、新任教官として女性少佐カン・スジン(シン・ウンキョン)か赴任してくる。彼女はかつてシュンやテヒョンとともに入隊し、互いに厳しい訓練を耐え抜いてきた同窓生だった。と同時に、ジュンとスジンはかつての恋人同士でもあり、さらにテヒョンもまた、スジンに対して密かな恋心を抱いていた。テヒョンの気持ちに気づいたジュンは、スジンのイギリス留学を期に、彼女と別れてしまう。そして3年後、彼らは久々の再会を果たしたのだった。

深海187メートル、
海は彼らにとって挑戦であり、
運命なのだ

そんな折、SSUと海軍合同の「ミンク作戦」が宣告される。上官のチェ中佐は、これを機にSSUの株をあげ、自らの立身出世を図ろうと画策。スジンを通じて隊員たちに過酷な特訓を強いていた。地獄の特訓に音を上げる隊員たち。そんなある日、突然巻き起こった海難事故を「事故じゃなく、故意のヤラセだ!」と告発したジュンは、チェ中佐と激しい口論になり、謹慎処分を受けることになる。

本番さながらの実戦シュミレーションを盛り込んだ「ミンク作戦」が実施され、ハイテク装置USMの試運転も大成功を収める。ところが不慮の事故からUSMを装着した』潜水艦が近海沖で沈没する。最重要機密と生存者の救出を同時に命じられ、スジンやテヒョンは急遽、深海救援艇に乗り込む。苦心の末、沈没艦とのドッキングに成功し生存者を救出したものの、定員オーバーで全員が母船に乗り込むことができない。

ひとまずスジンらが艦内に残り、いったん浮上した救援艇が再び戻ってくるまで待機することになる。ところが、沈没艦から救援艇が離れた衝撃で、潜水艦はさらなる深みへと落下してしまう。ようやく機体が停止したのは、水深187メートル。それは、潜水艦救助の歴史上前例のない深海での救助活動を意味した。

緊急事態で謹慎を解かれたジュンは、重い潜水病を患い潜ることが命に関わるということを知りながら、愛するスジンを救うためにテヒョンと共に深海へと向かう。深度187mという極限下で彼らを待ちうける運命とは…そこで彼らが下した究極の選択とは…!

スタッフ

監督:イ・ジョングク
製作:カン・ジェギュ・フィルム、ジオ・エンタテインメント
共同製作:ボニーキャニオン、ベンチャープラス、イルシンキャビタル
エグゼクティブ・プロデューサー:カン・ジェギュ
プロデューサー:チェ・ヒョンムク
共同プロデューサー:チェ・ジンワ
脚本:キム・ヘゴン
撮影監督:チェ・ジヨル
編集:パク・コクチ
照明監督:チョ・ソンガク
プロダクション・デサイン:チョン・ヨンフン
視覚効果:ユ・ドンニョル
アートディレクター:キム・ナヨン
音楽:チェ・テワン
プロダクション・マネージャー:チェ・ソンス、イ・ソンフン
録音:シネミックス
音響デザイン:キム・ポンス
衣装:パク・サンフン
録音監督:キム・ワンドン
ヘアメイク:ユン・エリョン
海外配給:ピル・ファン、コーディ・キム
製作支接:海軍本部、作戦司令部、再建救助隊、光州市

キャスト

キム・ジュン大尉:シン・ヒョンジュン
カン・スジン少佐:シン・ウンギョン
イ・テヒョン大尉:キム・ヨンホ
イ・ギョンイル中士:リュ・スヨン
パク・スニル中士:コン・ヒョンジン
チェ・ヒョンス中佐:イ・イルチェ
キム・ジンマン大佐:キム・ヘゴン
キム・ソヨン中尉:ソ・ジノ

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