原題:DEAD END RUN

石井聰互監督の新たなる挑戦!

2003年/日本/カラー/59分/ヴィスタサイズ/5.1chリニア、ドルビー・デジタル/ オリジナルサウンドトラック:パイオニアLDC/ 配給:パイオニアLDC、東北新社

2003年10月18日(土)よりシネクイントにてレイトショー公開! 2004年05月21日よりビデオリリース 2004年05月21日よりDVDリリース

公開初日 2003/10/18

配給会社名 0051

解説


「日本映画というものをどんどん壊していきたいし、新しいエンタテインメントを極めていきたい。」と語る石井聰亙監督の新たな挑戦が再びスクリーンに登場する。
『ユメノ銀河』などの幻想的なファンタジー、『爆裂都市 Burst City』『五条霊戦記』などのアクション、あらゆるジャンルを超越した『ELECTRIC DRAGON 80000V』と常に一つのジャンルにとらわれず様々な作品を世に送り出してきた石井聰亙。その作品は国内外問わず高い評価を得ていたが一昨年公開された『 ELECTRIC DRAGON 80000V』ではそのライブ感覚でスピード感溢れるサウンドとともに疾走する映像で、アレックス・コックス監督やクエンティン・タランティーノ監督を唸らせた。
そして、2003年。石井監督が「新しい驚きや発見を生み、未知の体験と感動との出会いを作り出す“探検”への第1歩になれれば」と語る新作、『DEAD END RUN』がついに完成した。
「LAST SONG」「SHADOWS」「FLY」の3つの内包されたストーリーで構成され、全てにそれぞれ“逃げる男”が登場、彼らはただひたすら逃げ、追い詰められた究極で何かに出会う。観る者は彼らが“逃げる”理由もわからないまま、疾走する映像と音とともに、ストーリー・テリングを超えた新しい体験をする。その“逃げる男”には石井監督作品では『五条霊戦記』『ELECTRIC DRAGON 80000V』で共演し、今や日本映画では欠かせない存在となっている永瀬正敏&浅野忠信が三度登場。さらに『カクト』で監督デビューを果たし、多才振りを発揮した伊勢谷友介が参加。また「LAST SONG」では粟田麗、「SHADOWS」ではJ-WAVEのナビゲーターとして活躍するロバート・ハリス、「FLY」には、若手実力派の市川実日子そして國村隼、田中要次、光石研などが顔を見せている。
脚本を手掛けたのは石井監督と舞台と映画を融合させた実験的作品を制作した、演出兼劇作家の浦辻純子、撮影は『独立少年合唱団』『火垂』の猪本雅三が担当、音楽は石井監督自身も参加するユニット「MACH1.67」などでも活躍する小野川浩幸が手掛け、ライブ感を堪能させてくれる。多くの俳優・監督から絶大なる信頼を受け、映画、CM、ミュージッククリップなど幅広いフィールドで活躍する北村道子が衣裳を担当している。

ストーリー



男(伊勢谷友介)は走っていた。煌々と光に照らされた地下道、通りをつなぐ細い抜け道、乾燥した街道、線路の脇道、昼日中から夕暮れにかけて、息を弾ませながら絶え間なく走り続けていた。自分の命を狙う刺客から逃れるために。気がつくとあたりは暗闇に落ち、男は建物に囲まれた袋小路に迷い込んでいた。力尽きて座り込み、物陰から外をのぞくと、怪しい人影がゆっくりと迫ってくるのが見える。男は近くにあった鉄棒を手に取って、間近に来たその姿を思いきり殴り飛ばした。しかし、倒れたのはひとりの女(粟田麗)。違う人間を誤って殺してしまったのだ。月明かりの下で、逃げることもできずに混乱する男。すると女は突然、指を動かしたかと思うと、奇妙な動きを繰り返し、立ち上がり、踊りはじめた。
男(永瀬正敏)は走っていた。真っ赤なロングコートを羽織り、顔についた血痕を気にする様子もなく、少し後方を気にしながら、うつろな目で一心に前を見つめて走っていた。闇はすっぽりと空を包み、気がつくと、男は建物に囲まれた袋小路に追い詰められていた。あたりをぐるりと見回す。逃げ道はない。傷の痛みに耐えながら外壁にもたれかかると、自分を殺しにやってくる男(ロバート・ハリス)の足音が聞こえてきた。近づいてくる足音に注意深く耳を傾けながら、男は銃を手にして、刺客の前に飛び出した。どこからか立ち上る煙で視界は遮られている。手に銃を握った男と男は、月明かりの下で対峙した。
男(浅野忠信)は走っていた。銃を片手に、道から道へ駆け抜けながら、追ってくる警察をまこうと、風を切って全速力で走っていた。男はあるマンションの階段を屋上に向かって登り始めた。そんな喧騒とはうらはらに、屋上では穏やかな風が洗濯物をなでつけ、ひとりの女(市川実日子)が午後の陽光を見つめて座っている。屋上にたどり着くと、男は女に銃口を差し向けながら走り寄り、人質のように身柄をつかまえた。執拗に追ってくる警察に、女を殺すと叫び、逃げようのない逃げ道を探しながら、分けのわからない文句をひとりごちている男。黙って見つめる女に「何かしゃべろよ」とせきたてるが、それでも何も話そうとしない女を見て、男は不意に銃口を自分のこめかみに押し付けた。

スタッフ

監督:石井聰互
製作:長澤佳也
脚本:浦辻純子
撮影:猪本雅三
照明:松隅信一
美術:須坂文昭
音楽:小野川浩幸
衣装:北村道子

キャスト

伊勢谷友介
永瀬正敏
浅野忠信
粟田麗
ロバート・ハリス
市川実日子
國村隼
田中要次
光石研

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