原題:Sniper 2

2002年/アメリカ/カラー/90分/ヴィスタサイズ/ドルビー、SDDS、SRD、SR 配給:ソニー・ピクチャーズエンターテインメント

2011年10月26日よりDVDリリース 2007年08月29日よりDVDリリース 2004年12月22日よりDVD発売開始 2003年12月26日よりビデオレンタル開始 2003年10月4日より新宿ピカデリー4にてロードショー 2003年10月11日よりシネマメディアージュほかにてロードショー

公開初日 2003/10/04

配給会社名 0042

解説


あれから11年—長い沈黙を破って伝説の男が帰ってきた…
前作『山猫は眠らない』はトム・ベレンジャー演じる伝説の狙撃手、トーマス・ベケットと、ビリー・ゼイン演じる観測員とが混乱のパナマを舞台にただひたすら標的を捉える為、息を殺し奥深いジャングルへと潜んでいく。息詰まるようなサスペンスの中に孤高の兵士と呼ばれる「狙撃手」の真の姿が浮き彫りにされた事が、アクション映画ファンだけでなく世界中の多くの映画ファンを熱狂させた。そして今回新たなるミッションが山猫に再び課せられる……。
民族浄化という大義名分のもと、イスラム教徒の抹殺作戦が進むバルカン半島。この非道な作戦を阻止すべく、元海兵隊員のベテラン・スナイパー、トーマス・ベケットに新たな使命が課せられた。それは、首謀者ヴァルストリア将軍を暗殺せよというミッションだった。そして今回ベケットのパートナーに選ばれたのが死刑囚のジェイク・コール。もし将軍の暗殺に成功すれば、コールは晴れて自由の身となれる条件だ。敵地に赴いたベケットたちは任務遂行の為行動を開始、静かにそして確実に標的を捉え始めた……。
前回に引き続き、伝説のスナイパー、トーマス・ベケットを演じるのが『プラトーン』『メジャーリーグ』のトム・ベレンジャー。狙撃手、冷静沈着にただひたすらミッションを遂行する為に、自らの感情を一切抑え、息を殺し、確実にターゲットを仕留める孤高の兵士。今回ベレンジャーは激しいアクションの中に狙撃手の精神的な苦悩をも垣間見せてくれる。ベレンジャーの魅力は、ただ肉体を誇示するだけのアクションスターでもなければ、CGや特殊効果だけに頼っているスターとも一線を画す、ハりウッドで唯一人アクションも演技もこなせるアクターでもある。そのわきまえた自負こそが、ベレンジャーに深みと渋さを与えているのは言うまでもない。
今回密命を受けベケットのパートナーとなるのが、死刑囚で元陸軍のエリートスナイパーだったジェイク・コール。コールにとってこの任務は失敗したり逃亡すれば敵陣で処刑されるか、死刑囚に逆戻り、成功したときにだけ晴れて自由の身になれるという、究極のミッションだ。コールを演じるのは『ザ・ロック』や『ビッグ・ヒット』といったハードアクションも経験済みのボキーム・ウッドバイン。精悍なマスクと引き締まった肉体を武器にコール役を体当たりで演じている。前作『山猫は眠らない』でベレンジャーと共演したビリー・ゼインはその後ジェームズ・キャメロン監督の眼に留まりスーパーヒットの『タイタニック』への出演で大ブレイクしたが、今回のウッドバインもベレンジャーと共演後が楽しみな役者でもある。
他の共演者に、地下組織の女性連絡員ソフィアには、激しくも切ない愛の物語を描いた『暗い日曜日』でその翳りの中にある美しさを表現して全世界の注目を集めた「ハンガリーの秘宝」ことエリカ・マロジャーン。ベケット達に指令を送る軍情報部のマッケナ大佐に『ワイアット・アープ』『モータル・コンバット』のリンデン・アシュビー。CIAのニクレス役にはアメリカで絶大な人気を誇るTVシリーズ『そりゃないぜ!?フレイジャー』『レッド・ドラゴン/レクター博士の沈黙』のダン・バトラー。執拗なまでにべケット達を追撃するマークス大尉をハンガリーの個性派俳優キャン・トゲイが演じている。
狙撃という静なるアクションに加え、今回は激しい銃撃戦や戦車まで登場しての市街戦もあり、前作にはないスケールとパワーアップしたハードなアクションシーンもふんだんにスクリーンに炸裂する。監督はTVシリーズ『特攻野郎Aチーム』や『ストーン・コールド』『プレッシャー/壊れた男』など、シャープで重厚なアクションシーンには定評のあるクレイグ・R・バクスレー。今回もド派手なハードアクションと狙撃手たちの内面描写をまるでパズルのように組み立てながらドラマに奥行きを与えている。製作総指揮は『カットスロート・ハイウェイ』『ヴァンパイア・ハンター』の監督としても知られているJ・S・カードネ。また製作のキャロル・コッテンブルックは公私共にカードネのパートナーでもある。もう一人の製作者は『トゥルー・ブルー』『欲情の媚薬』のスコット・アインビンダー。前作に引き続き音楽を担当するのが『沈黙の戦艦』『D.N.A.』のゲイリー・チャン。スケールを感じさせながらもセンシティブなスコアを提供している。また、撮影は『ネバーエンディング・ストーリー第2章』『プレッシャー/壊れた男』の名手デビッド・コンネル。派手なアクションシーンと役者たちの表情を的確に捉えたカメラワークはベテランカメラマンの冴えを感じさせる。編集には『潮風のいたずら』『北斗の拳』のソニー・バスキンが当たっている。原案は前作『山猫は眠らない』の脚本チームで『スパイ・ゲーム』のマイケル・フロスト・ベックナーと『カットスロート・アイランド』のクラッシュ・レイランド。脚本はハリウッドの新鋭ライターチーム、ロン・ミタ&ジム・マックレインでアクション大作『S.W.A.T.』でも共同脚本を手がけている。

ストーリー


かつて伝説の狙撃手といわれたトーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)は既に海兵隊を疾病除隊となり、今ではハンターツアーのガイド役として森の外れの小さなトレーラーハウスを宿にひっそりと暮らしていた。そんなベケットを軍情報部のマッケナ大佐(リンデン・アシュビー)とCIAのエクレス(ダン・バトラー)が訪れた。彼らの情報によるとバルカン半島で民族浄化の大義名分のもと、イスラム教徒の抹殺作戦が展開され始め、極めて危機的な状況が切迫しているという。マッケナ達はこの非道な作戦を阻止すべく、その首謀者で自称第23国防義勇軍の司令官として君臨するヴァルストリア将軍の狙撃指令をベケットに託しに来たのだった。現役を退いてはいるが今でもベケットの腕前がどんな現役のスナイパーよりも優秀であることを、軍もCIAも十分に承知していた。それにこの指令は非正規任務として扱われており、極秘の内に展開しなければならない密命だった。かねてから〈死ぬなら海兵隊員で死にたい〉と思っているベケットがこの任務に対して出した要求は除隊前の上級曹長としての階級の復活だった。任務遂行にあたり腕のいい観測員が必要だったが、そのパートナーとしてベケットに紹介されたのは死刑囚のジェイク・コール(ボキーム・ウッドバイン)だった。コールは腕のいい元陸軍のエリートスナイパーだったが、ある事件で連邦捜査官を殺害した男だった。もしヴァルストリア将軍の暗殺に成功すれば、コールは晴れて自由の身となることができるのだが、任務に失敗したり逃亡を企てれば、敵陣で処刑されるか死刑房へ逆戻り、どちらにしてもコールにとっては選択肢のない究極のミッションだった。コールは現地語も話せ、スナイパーとしての知識や素質も十分に備わっていた。ベケットはコールに「万が一捕まったときは?」と尋ねるとコールは即座に「何もしゃべらず、兵らしく死ぬまでだ」とべケットに言った。その答えこそがまさに狙撃手の「掟」だった。ベケットはコールをパートナーに選び、ベケットは誇りを、コールは自由をそれぞれ胸に秘め緊迫のバルカン半島へ向かった。
敵地に赴いたベケットとコールは、早速現地連絡員とのコンタクトを取るため指定された教会へ向かった。そこに現われたのは女性連絡員のソフィア(エリカ・マロジャーン)だった。ソフィアはヴァルストリア将軍の最近の写真や、将軍が一日おきに出入りする国防省ビル、狙撃に最適な場所や、将軍の行動パターンなど、詳細にわたる情報を伝えた。そしてソフィアからの貴重な情報を基に狙撃する場所や陽動装置の配備など着々と綿密な狙撃計画は進んでいく。狙撃場所を構えた二人は、翌朝7時半に国防省ビルに入る将軍に標的を合わせた。狙撃手であるベケットは数時間にもおよびその眼をスコープに合わせ、観測員のコールは弾道が着弾するまでの正確な距離を見積もり、風を読み、逐一現場の状況を把握しべケットに伝えた。ベケットにとって狙撃の条件は全て整った。あとは標的を待つだけだったが、スコープに映る将軍の側近の一人が気にかかった。狡猾そうに周囲を見回すその表情にべケットは怪訝さを隠せなかった。決行までの時が迫った、機銃で完全武装したジープと軍車両を従えて将軍の車が国防省の正門に滑り込んできた。そして将軍が降り立ち数名のボディガード達がヴァルストリア将軍を囲みながら国防省ビルヘと向かう。ベケットのスコープはゆっくりとターゲットを捉え続ける。観測員のコールから狙撃の合図が出され緊張がピークに達した時、百戦錬磨のベケットの眼が一瞬僅かにかすみ、将軍を捉え切れなくなったが、少しの静寂を破ってベケットのスナイパーライフルから発射された弾丸は、寸分の狂いも無くヴァルストリア将軍の心臓を貫いた。
陽動装置も全て順調に作動し、あと狙撃手に残された仕事は、痕跡を全て消し去り、その場から安全に脱出する事だけだった。国防省前は偉大なる指導者だったヴァルストリア将軍の暗殺に騒然となっていた。ベケットとコールはその混乱に乗じて、連絡員ソフィアの待つ教会へと向かったが将軍側は大量の警察と軍隊を市街に投入し非常線を張りめぐらせていた。教会の近くまでたどりついたベケット達だったがソフィアとの合流まであと一歩のところで検問が始まってしまった。計画は変更され市街を走る路面電車で脱出を試みた2人だったが、すぐさま検問にひっかかり、2人は路面電車を奪取して非常線を突破する。路面電車でパトカーを撃破し、追って<る武装ジープとの激しい銃撃戦で市街は爆発と炎に包まれた。路面電車を捨て、走って逃げる2人だが背後には多数の軍兵士がベケット達を追い詰める。しかし、からくもベケットはその場から逃げ通したが、コールはあっけなく捕えられ、特別な敵を監禁する将軍派の秘密刑務所であるスポンザ刑務所に投獄されてしまう。コールは厳しい拷問にも必死に耐え、残忍な取調べにも口を割らなかった。そしてその拷問を行った男こそがベケットが狙撃の時に気にかかっていた将軍の側近マークス大尉(キャン・トゲイ)だった。一方、ベケットは自分の任務は遂行し終了したものの、帰還せずパートナーであるコールを救出するために、連絡員のソフィアのもとに向かった。しかし現在地下組織で活動をしているのがソフィアと兄のボイスラフ(バーナ・イリーズ)とゾラン(フェレンク・コヴァックス)の僅かに3人と聞いて呆気にとられるベケットだったが、自分を含め4人でコールの奪還を遂行することに迷いはなかった。コールが収容されているスポンザ刑務所から、重罪犯だけを収容し決して生きては帰れないと言われている難攻不落のポザラベッチ要塞にコールが移送される日、わずか4人で将軍側の軍隊をかく乱し、激しい銃撃戦の末、巧みな奇襲作戦でコール奪還に成功した。山陰に潜み一人敵を狙撃していたベケットもコールを乗せたワゴン車に合流、再会を喜ぶ間もなくベケットは地下組織とコールが奪還した一人の男に目をやった。少しの沈黙の後、コールがベケットに切り出した。「将軍暗殺でお前の任務は終わりだった」と。そして奪還してきた男は反体制作家のパヴェル(タマス・プスカ)で、自分の本当の任務は地下組織と共にパヴェルを奪還し無事に国外へ脱出させることだったとベケットに告白した。 唖然とし疎外感を味わうベケットだったが、とりあえず帰還の為、一同と共に救出ヘリコプターの合流地点の元製鉄所へ向かった。しかし到着したとたんに、将軍側の重戦車の砲塔が火を噴き彼等の行く手を阻んだ。慌てて下水道を通り森へ逃げ込むベケット達だったが、地下組織のボイスラフとゾランが激しい銃撃戦の末、命を落としてしまう。危機を脱したベケットはソフィアに「君には次の戦いが待っている」と説得し、ソフィアもそれに応じベケット達にこの国の将来を背負うパヴェルを託し、一人その場を去っていった。そして3人に残された最後の選択肢は国境の町シマンドで救出を待つことだけだった。しかしそこで彼等を待ち受けていたのは将軍側の精鋭部隊と、精密な殺人マシーンと化した一人の敏腕スナイパー(ベラ・ジャッキ)。そして残忍なマークス大尉率いる軍団も追撃を始めていた…。ベケット生涯最強の敵スナイパーとの闘い、コールに隠されたもう一つの真実…。2人の名誉と自由をかけた最後の闘いが、今はじまる!!

スタッフ

監督:クレイグ・R・バクスレー
製作総指揮:J.S.カードネ
製作:キャロル・コッテンブルック&スコット・アインビンダー
アソシエイ卜・プロデューサー:トリッシュ・ベレンジャー
原案:マイケル・フロスト・ベックナー&クラッシュ・レイランド
脚本:ロン・ミタ&ジム・マックレイン
プロダクション・デザイン:ディーン・チェッター
編集:ソニー・バスキン
撮影:デビッド・コンネル
音楽:ゲイリー・チャン
キャスティング:シャナ・ランズバーグ
衣裳デザイン:キャサリン・ジェーン・ブライアント
ラインプロデューサー:スコット・プットマン

キャスト

トーマス・ベケット:トム・ベレンジャー
ジェイク・コール:ボキーム・ウッドバイン
ソフィア:エリカ・マロジャーン
パヴェル:タマス・プスカ
エクレス(CIAエージェント):ダン・バトラー
マッケナ大佐:リンデン・アシュビー
ボイスラフ(ソフィアの兄):バーナ・イリーズ
ゾラン:フェレンク・コヴァックス
クリート:デニス・ヘイデン
マークス大尉:キャン・トゲイ
スナイパー:ベラ・ジャッキ

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