2人の足音が重なった時、その恋は始まった。

2003年/日本/カラー/51分/ 配給:ポニーキャニオン

2003年12月03日よりDVD発売&レンタル開始 2003年12月03日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年6月21日より渋谷シネクイントにてレイトショー

(C)2003『LIFE IS JOURNY』Partnera

公開初日 2003/06/21

配給会社名 0068

解説


俳優として活躍を続ける田辺誠一の監督作が4年ぶりに発表される。映像作家としての田辺誠一は、デビュー作となった前作「DOG-F00D」が99年ベルリン国際映画祭で正式上映され、現地のマスコミから“promissing debue”(将来を約束されたデビュー)との高い評価を受けた。その後も国内外の注目が高まる中、ようやく2本目となる新作が完成した。

本作「ライフ・イズ・ジャー二一」は4本の短編の総称であり、企画から脚本・編集・監督、そして出演の一部までを、すべて田辺誠一が担当している。

『LIFE』『ん』『ヤ』『Nowhere』という4本の独立したショートストーリーから構成された本作は、『Life is jouney』と名付けられている。それぞれの孤独を抱えながら、他者とのコミュニケーションを求める登場人物たち。ひとりでは生きられない彼らは、もうひとりの私たちだ。一貫して奏でられるテーマは、田辺監督いわく「人生は長い陸路の旅」。偶然のような出会いと別れを積み重ねて、人は誰もが喜びと悲しみに彩られた日常を過ごしていく。それでも、昨日と同じ今日はない一

ある女性の半生を、9分ものワンシーン・ワンカットで象徴的に表現した『LIFE』。恋人に去られた男の内面をコミカルに綴る『ん』。失恋した友を励ます女同士の友情を描いた『ヤ』。異国で巡りあった男女が、分断された時の流れの中をさまよう『Nowhere』。エピソードごとに演出のタッチを大胆に変えていく田辺監督だが、ひとりひとりの登場人物を見つめるまなざしは温かい。きわめてパーソナルな感情を抽出しながら、それを普遍化して映像に定着させていく手腕は、これまでになかった<詩映画>の誕生を思わせる。シンプルでありながら、そこはかとないユーモアを漂わせ、そして何よりも美しい。

主要なキャストも、これが映画初出演となるアーティストのhitomiをはじめ、本年度毎日映画コンクール最優秀女優主演賞を受賞した大塚寧々、モスクワ映画祭最優秀女優賞に輝いて若手で注目の市川実日子、映画を中心に活躍を続けるつぐみ、ベテランの加藤治子といった女優陣に加え、クリエイター兼コメディアンとして注目される「ラーメンズ」の小林賢太郎、人気劇団「大人計画」の近藤公園、そして俳優としても報知映画賞最優秀男優賞を獲得した田辺誠一と魅力あるメンバーたちが顔を揃えた。更に世界的ミュージシャンの坂本龍一が楽曲で参加するなどあらゆるジャンルの人々が、「田辺ワールド」に参加している。

田辺監督ならではの世界観の創造に寄与したキャメラマンは、『バウンス ko GALs』(97)『突入せよ!「あさま山荘」事件』(02)の阪本善尚(『ん』『ヤ』『Nowhere』)と、『HANA-BI』(97)『ホワイトアウト』(00)の山本英夫(『LIFE』)。音楽には、坂本龍一の「Lorenz and watsonn」(『Nowhere』)、楽曲が使用されている。尚、今回撮影にあたっては世界初!24P撮影を可能にしたパナソニック製のミニDVカメラrAG-DVX100」を使用しての初劇場用作品でもあり、HDカメラ「VariCam」迫る映像革命をみせてくれていて、今後の映画のあり方のひとつを示してくれている。

注)「VariCam」はパナソニックが開発した本格的電子シネマ用カメラ。『突入せよ!「あさま山荘」事件』など多くの劇場用映画やCM撮影で使用され、高く評価されている。

実際の撮影は03年からスタート、『Nowhere』のポルトガル・ロケをはさんで4月中旬に完成した。6月21

ストーリー

『LIFE』9分
ひとりの女が歩いている。歩きながら彼女は、いずれめぐり合うことになる相手の幼い過去の姿を見ている。やがて、彼女はその男と出会った。二人は一緒に歩きはじめる。いくつもの出来事が彼女の人生に降りかかり、さまざまな風景の中を通り過ぎていく。それでも、女は歩く。歩きつづける。やがて時は移り、彼女はあるモノを見つける…。

『ん』11分
喫茶店で会話している男女。ある内容を避ける男は、楽しげな話題を選んでいる。女は黙って聞いている。しかし、その重い空気に向き合った男は、しなければならない話をしはじめた。男の発したひと言で、二人の空気は固まった。「僕が選んだその言葉で、三年間にもわたる僕たちの長い長いシリトリが終わった…」街をさまよう男。そこには、さまざまな言葉が浮遊していた。外国語や感情のこもった言葉、慣れてしまって音にすることが当たり前になった言葉・・・。言語でのコミュニケーション、人と人とをつなぐものとは?自分の欠陥を認識した男は、もういちど彼女とやり直したいと願う。

『ヤ』
失恋した彼女は、もう何日も寝込んでいる。それでも、空腹にはなる。こんなにも悲しいのに情けない。そんな時、友達からご飯を誘われた。久しぶりに家から出て、食事をしながら他愛もない話をする二人。倒しイけれど、やはり心の闇に入り込んでしまう瞬間がる。それを察した友人は、あるモノを見に行こうと誘った。二人で夜のサイクリング。そして発見したモノとは?

『NO Where』16分
3月23日、彼女が目覚めると、隣にいるはずの男はいなかった。残された地図を片手に、彼女は街に出る。ある店のカレンダーが3月24日になっていたので、店主に訊ねる。
「今日は何日ですか?」
「3月24日だよ、ほら」
そこには、「3月24日通り」の看板があった。
「この通りは毎日、3月24日通りなの」
時間と空間が入り交じった街で、彼女は男を探しつづける。丘の上で再会した彼は、街の中で自分の存在する意味を探していた。ささやかな出生の秘密を持つ彼は、「どこにも自分はいない」と語る。その答えを見つけるために、二人は街をさすらう。「人生の意味」、それはこの街のどこかにあるのか?

スタッフ

監督・脚本:田辺誠一
製作:武政克彦 
企画:田辺誠一、尾越浩文
プロデューサー:横尾友美、鳥澤晋、宇野隆史
撮影:坂本善尚、山本英夫
編集;田辺誠一
音楽:坂本龍一『Lorenz and watson』、大坪直樹
製作:ポニーキャニオン、ツイン、アクセス・パブリッシング
制作協力:スープレックス、スタッフポイント
技術協力:松下電器産業株式会社

キャスト

『LIFE』
大塚寧々、小林賢太郎(ラーメンズ)、市川実日子、山下容莉枝/加藤治子他
『ん』
近藤公園(大人計画)、市川実日子、津田寛治、三船美佳、田辺誠一、アベディーン
『ヤ』
つぐみ、市川実日子、田中要次、アベディーン
『No Where』
hitomi、田辺誠一

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