2002年8月28日フランス初公開

2002年/フランス/カラー/104分/ドルビーSR/ヴィスタサイズ/ 後援:フランス大使館文化部/協力;ユニフランス東京/提供:バップ+ロングライド 配給:ミラクルヴォイス、東京テアトル

2008年1月26日、銀座テアトルシネマほかロードショー 2004年04月07日よりDVD発売開始 2003年9月20日より銀座テアトルシネマにてロードショー

(c)Maia Films,Arte France Cinema,Les Films d'ici,CNDP 2002

公開初日 2003/09/20

配給会社名 0372/0049

解説


フランス中部、オーベルニュ地方の小さな学校。笑ったり、悩んだり、ケンカしたり、先生とこどもたちの対話を美しく綴った珠玉のドキュメンタリー。

『ぼくの好きな先生』は、『音のない世界で』で全世界で喝采をうけた映画作家ニコラ・フィリベール監督の最新作です。2002年カンヌ国際映画祭で特別上映され、ドキュメンタリーでありながら、監督の秀でた視点と作品の美しさにより大きな話題を呼びました。

また本作は、カンヌ上映後の評判を受け、夏から公開となった本国フランスでは、ドキュメンタリー映画としては異例の規模(全国約220館)で公開され、オープニング3日間で16万人、現在も動員200万人にせまる勢いの大ヒット・ロングランを更新中。フランス中を今なお爽やかな感動で充たしています。

ゆっくりとした時の流れる大自然の中、親密な空気に包まれた小さな教室の日々。フェイリベール監督が今回取り上げるのが、フランス中部、オーベルニュ地方にある小学校。厳しくも美しい自然の中、1つの教室で3才から11才までのこどもたちが、ロペス先生からあらゆることを教わっています。先生と子供たちの日常と対話を、詩情豊かな美しい映像で綴っていきます。あと半年で35年に渡る教師人生に幕を閉じるロペス先生。その事実を受け入れられない子供達。

現代社会において見失われがちな、「学ぶ事がもつ素晴らしさ」や「素朴で純真な心の絆」がわたしたちに暖かい感動を与えてくれます。

ストーリー


フランス中部、オーベルニュ地方の小さな村。雪の降り積もった山道を1台の古いワゴンが走っていきます。この村にたった1つの小学校サンエテイエンヌ校へと生徒を運ぶスクールバスです。小さな子から上級生まで次々と子供たちがバスの乗り込んでいきます。サンテイエンヌ校が他の小学校と少し違うのは、教室が1つ、全学年合わせて13人の生徒、そしてたった1人の先生しかいない事です。

そのたった1人の先生、ジョルジュ・ロペスさんは、20年に渡りサンエテイエンヌ校で教鞭を振い、数多くの生徒たちを広い世界へと送りだしてきました。学年に違う13人の生徒に1度に授業を行なう事は簡単にはできません。先生は、長年の経験をいかし、多少古風ではありますが、心のこもったやり方で授業を進めていきます。そのやり方は・・・。

午前中は、4才からの一番年少の子供たち。その間、上級生達は自習です。ロペス先生は、小さな生徒たちに「ママ」のつづり方を教えていきます。子供たちはそれぞれ、先生の手本を元に書きますが、どの子も少しずつ違ってしまいます。男の子のジョジョは、年少の子供たちの中でも一番落ち着きがなく、なかなかうまく書けません。

先生は彼に尋ねます。「どうしてジョジョは学校にきてるの?」「ママが行きなさいというから」「学校では何をする?遊ぶだけの所かい?」

東洋系の女の子マリ−は覚えも早く、同じ年の子供たちにお姉さんの様にふるまいます。

ロペス先生の授業は、読み書きやかけ算を習う事だけが授業ではありません。13人全員でクレープを作ったり、ソリで雪山の斜面を滑ったりもします。時には上級生たちが、小さな生徒の面倒をみたりします。

ある日の授業中先生は、あと一年半で退職し、村を離れる事を子供たちに告げます。子供たちは言葉を失います。

来年から中学校に進級するジュリアンとオリビエは、体格も同じなら育ってきた環境も同じ。最近、2人はライバル心からか上手くいきません。ある日の休み時間、また喧嘩をしてしまいます。先生は、2人を呼び、じっくりと話し合いをする事にしました。喧嘩の原因を尋ねると「オリビエが下級生を押したから」とジュリアンは言います。先生は、オリビエにその訳を尋ねます。「ジュリアンが嫌な事を言ったから」とオリビエは答えます。ロペス先生はもう喧嘩をしないように諭します。

しかしジュリアンは、ただのいたずらっ子ではありません。学校から帰ると、牧場を営む家の手伝いをします。トラクターを運転し、牛小屋のほし草をかえ、同じ学校へ通う妹の面倒をみます。オリビエは多少不安定なのは、父親の病気のせいかもしれません。喉頭癌の手術をしたオリビエの父親は、最近退院し自宅に帰ってきました。

もう一人の上級生はナタリ−。彼女は、自分を上手く表現できず他の人々とコミュニケートすることが苦手です。ある日、卒業を控えたナタリーの母親が、どうすれば自分の世界に閉じこもらず、感情を表現できるようになるかを相談します。先生は、まず第一にナタリ−ともっと距離をとる事、それが例え辛い事でも自立心を持たせる事、そして、彼女は能力がないわけではなく、きっかけがないだけだという事を説明します。

いよいよ巣立ちの時です。ロペス先生はジュリアンとオリビエに、いざという時に助けてくれるのは相手しかいないから、ちゃんと協力するようにと伝えます。そしてナタリ−には、もっと心を開き、人々と上手く関係を持つ事ができること。毎週土曜日には、この学校に来て、中学校で起こった事を話して欲しいと。そして、何か助けが必要な時は、いつでもロペス先生が力になる事を伝えました。彼女はなんとか口を開き、「はい、、、」と答えます。

子供達には楽しい夏休みが始まります。生徒たちを送りだした後、ロペス先生の顔には安堵とどこか寂しげな表情が浮かびます。バカンスが終われば、また新しい1年、そしてロぺス先生にとって教師として最後の1年が始まります。

スタッフ

監督:ニコラ・フィリベール
撮影:カテル・ジアン、ロラン・ディディエ
撮影助手:ユーグ・ジェミニャニ
編集+カメラ・オペレーター:ニコラ・フィリベール
音楽:フィリップ・エルサン
録音:ジュリアン・クロケ
編集助手:タデー・ベルトラン
スチール:クリスチャン・ギイ
プロダクション・マネージャー:イザベル・ペレ=サンドーズ
製作:ジル・サンドーズ
アソシエイト・プロデューサー:セルジュ・ラルー

キャスト

ロペス先生と3才から11才までの13人のクラスメイトたち

LINK

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