原題:Down with Love

2003年5月16日全米初公開

2003年/アメリカ/カラー/101分/シネマスコープ/ドルビーSR・SRD・DTS 配給:20世紀フォックス

2007年11月21日よりDVDリリース 2004年10月22日よりDVD発売開始 2003年10月18日よりみゆき座他全国ロードショー 2004年05月28日よりDVDリリース

公開初日 2003/10/18

配給会社名 0057

解説


『シカゴ』と『ブリジット・ジョーンズの日記』で2年連続オスカー候補になったレニー・ゼルウィガーと、『ムーラン・ルージュ』の熱演で世界中の女性たちを虜にしたユアン・マクレガー。いまハリウッドで最も熱い注目を集めるふたりが、ゴールデン・コンビを組んだラブリーでロマンチックなラブ・ストーリーが誕生した。
舞台は、1962年のニューヨーク。ヒロインのバーバラは、“本当に幸せになりたいなら、女性にとって恋なんて邪魔者!”という内容の「恋は邪魔者」なるノンフィクションで文壇にデビューを飾った新進作家。彼女と編集者のヴィッキーは、本の宣伝のため、超プレイボーイのジャーナリスト、キャッチャー・ブロックにカバー・ストーリーを書いてもらおうと画策する。か、当のキャッチャーはスチュワーデスとのデートに忙しく、取材をすっぽかしてばかり。そんなとき、ジュディ・ガーランドが歌う「恋は邪魔者」の歌がエド・サリバン・ショーで流されたことから、本は世界中でバカ売れ状態に。一躍時の人となったバーバラは、TVに雑誌に引っ張りだこの超有名人になる。そんな彼女から「シャツを取り替えるように頻繁に女を取り替えるサイテー男」と、名指しで批判されたキャッチャー。本の影響を受けた女性たちからモテなくなっていた上にこの攻撃で逆上した彼は、NASAの宇宙飛行士を偽ってバーバラに接近。バーバラの主張が間違っていることを証明するために彼女をメロメロにさせて暴露記事をモノにしようと、恋の罠を仕掛ける。彼の思惑どおり、バーバラはあっさり恋する女の子に変身。たがその裏には、キャッチャーが予測もしなかったとんでもない真実が隠されていた……。
「女性だって恋よりキャリアとサクセス!」という革新的主張でセレブの仲間入りを果たしたバーバラと、「女性はみんな素敵な男性との恋と結婚を求めている!」という主張のジャーナリズム界のジェームズ・ボンドを自認するキャッチャー。水と油のふたりの間に不思議なケミストリーが芽生えていく過程を、粋なセリフの応酬で綴った本作は、1960年代に人気を集めたドリス・デイ&ロック・ハドソンのロマンチック・コメディのスタイルを、いまどきのスパイスを効かせて蘇らせた最高にキュートな一編。オードリー・ヘプバーンのジバンシー・スタイルを彷彿させる可憐なドレス、ミッド・センチュリーの粋を凝らしたモダンなインテリア、ハイファイから流れるジャジーな音楽、色鮮やかなテクニカラーの映像。アメリカが最も輝いていた60年代初期の夢見るアイテムに彩られたこの作品は、全編、アナログ感覚のお酒落なセンスに満ち溢れている。
なかでも、約30着に及ぶ衣裳をとっかえひっかえして登場するレニーのヒロインぶりは、バツグンのかわいさ。「恋なんて邪魔なだけ」とツッパリながらも、心のどこかでホンモノの恋の訪れを待っているそんな60年代の進歩派ギャルを、これほど優しく、チャーミングに演じられるのは、好感度女優No.1の彼女ならではだ。対するユアンのスマートなプレイボーイぶりも魅力満点。バーバラ攻略に燃える劇の中盤からは、白いタキシードが似合うやり手のジャーナリストとウブな宇宙飛行士を絶妙に演じ分け、見る者を大いに楽しませてくれる。
このふたりを支える共演陣は、バーバラの編集者ヴィッキーに『ハート・オブ・ウーマン』のサラ・ポールソン、キャッチャーの上司にして親友のピーターに『めぐり逢えたら』のデヴィッド・ハイド・ピアースという達者な顔ぶれ。さらに、ヴィッキーの出版社の社長役で、60年代ロマンチック・コメディ黄金期の名バイプレーヤーとして知られるトニー・ランドールが出演し、コミカルな味を盛り上げている。
監督は、長編デビュー作の『チアーズ!』で脚光を浴ひたぺイトン・リード。『アメリカン・ビューティー』でオスカーを受賞したプロデューサー・コンビ、ブルース・コーエン&ダン・ジンクスに才能を買われてメガフォンを取ることになった彼は、二分割画面を使った会話シーンなどで観客を楽しませながら、恋のドキドキを盛り上げていく演出にバツグンの腕の冴えを発揮。グランド・セントラル駅を舞台にしたオープニングから、レニー&ユアンが華麗なデュエットを聞かせるラストのミュージカル・シーンまで、とびきりハイ・テンションな楽しさを味あわせてくれる。
そう、これは極上のミュージカルのように、見た人誰もがハッピーな気分に浸れる作品。見終わったら誰でも、「恋にイエス!」と叫びたくなってしまうはずだ。

ストーリー


1962年のニューヨーク。誰もが成功を夢見るこの街へ、ひとりの女性がやって来た。彼女の名は、バーバラ・ノヴァク(レニー・ゼルウィガー)。メイン州で司書の仕事をする彼女は、『恋は邪魔者』というノンフィクションを書き上げ、文壇にデビューを飾ろうとしているところだ。さっそく編集者のヴィッキー(サラ・ポールソン)を訪ねた彼女は、お偉方が集まった会議に出席。「恋はノーだがセックスはイエス」という著書の内容を、頭の固いオヤジどもに説明する。「女はチョコレートでイケる」というバーバラの過激な発言に、オヤジたちは口アングリ。しかし、ヴィッキーには、本を売るためのとっておきの秘策があった。男性誌ノウのジャーナリストで、街いちばんのプレイボーイとして知られるキャッチャー・ブロック(ユアン・マクレガー)に、バーバラのカバー・ストーリーを書かせようというのだ。この作戦が実現したのは、ノウ誌のオーナーであるピーター(デヴィッド・ハイド・ピアース)が、ヴィッキーに熱をあげていたから。かくして取材の話はまとまり、バーバラとヴィッキーは、約束のレストランに出かけて行く。
しかし、キャッチャーが選んだのは、退屈なインタビューではなく、スチュワーデスとの情事のほうだった。彼に約束を3度すっぽかされたあげく、すっぽかしの理由を知ってしまったバーバラは、言い訳の電話を入れてきたキャッチャーに、「犬に食われるがいいわ!」の捨てゼリフで応酬。とはいえ、カバー・ストーリーという強力な宣伝手段が失われたのは、彼女にとってもヴィッキーにとっても大きな痛手だった。そんなときヴィッキーが思いついたのは、エド・サリバン・ショーを宣伝に利用する作戦。これはまんまと大成功。『恋は邪魔者』はたちまちベストセラー・リストをかけのぼり、バーバラも一躍時の人となった。
事ここにおよんで、逃した魚の大きさに気づくキャッチャー。彼は大あわてでバーバラにインタビューを申し込むが、返ってくるのは「忙しい」という返事ばかり。おまけに、すっぽかしの件を根に持つバーバラは、TVのトーク番組で、「シャツを取り替えるように頻繁に女を取り替えるサイテーな男」と、キャッチャーを名指しで批判する。その言葉を聞いたキャッチャーは、一念発起。恋はしないと宣言したバーバラを落とし、それをネタに暴露記事を書いてやろうと闘志を燃やす。
そんな彼が、バーバラを「キャッチ」したのは、洗濯屋の店先だった。キャッチャーがなりすましたのは、NASAの秘密任務でニューヨークに滞在しているジップという名のマジメな宇宙飛行士。「しばらく地球を離れていた」と語る彼は、バーバラがベストセラー作家であることも、恋をしない宣言をしたことも知らないフリを装い、彼女の気を引くことに成功する。かくしてデートを重ねることになったふたり。いっぽう、ピーターもヴィッキーをアパートに招くことに成功し、彼女のためにまめまめしく手料理をこしらえる。それを見たキャッチャーは、ピーターにアパートの交換を提案。バーバラを自宅(実はピーターのアパート)のディナーに招く。一気にベッド・インと期待したバーバラだが、キャッチャーはそういうことには慎重なジップを演じ、見事にはぐらかしてしまう。
一方そのころ、キャッチャーのアパートでは、ピーターとヴィッキーがグリニッチ・ビレッジのビート族を招いて盛大なパーティを催していた。その騒ぎの真っ直中に帰宅したキャッチャーは、さっそく客のひとりとお楽しみにおよぼうとする。と、そこにヴィッキーに招かれたバーバラがやって来たではないか!あわや正体発覚の危機にさらされたキャッチャーは、「NASAの取材記事のことでキャッチャーに呼びつけられた」と苦しい言い訳。それでも、「アイ・ラブ・ユー」の押しの一手でその場を乗り切ったキャッチャーは、ついに翌晩、バーバラとベッド・インする約束を取り付ける。
そしていよいよ、運命の夜がやって来た。カウチの上で抱き合ったふたりの瞳には、情熱と期待の炎が燃え上がる。と、そのときバーバラが衝撃の告白モードに入った。「私はもう、恋をしない女じゃないの。本当は愛と結婚を望んでいるのよ」。してやったりと、テープを回しはじめるキャッチャー。だが、彼が笑っていられるのはそこまでだった。その場に乱入してきたスチュワーデスによって、彼がジップではなくキャッチャーであることがバレてしまったのだ。もはや宇宙飛行士ごっこもここまで。と思いきや、その先には、キャッチャーが予想もしなかったバーバラの秘密の告白が待ち受けていた!

スタッフ

監督:ペイトン・リード
脚本:イヴ・アラート&デニス・ドレイク
製作:ブルース・コーエン、ダン・ジンクス
製作総指揮:パディ・カレン、アーノン・ミルチャン
撮影監督:ジェフ・クローネンウェス
プロダクション・デザイナー:アンドリュー・ロウズ
編集:ラリー・ボック
衣裳デザイン:ダニエル・オーランディ
音楽:マーク・シェイマン
音楽スーパーバイザー:クリス・ドゥリダス&ローラ・Z・ワッサーマン

キャスト

バーバラ・ノヴァク:レニー・ゼルウィガー
キャッチャー・ブロック:ユアン・マクレガー
ピーター・マクマナス:デヴィッド・ハイド・ピアース
ヴィッキー・ヒラー:サラ・ポールソン
セオドア・バナー:トニー・ランドール
グラディス:レイチェル・ドラッチ
モーリス:ジャック・プロトニック
グエンドリン:ジェリー・ライアン

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