2003年/日本/カラー/35mm/48分/ビスタビジョン 配給:グルーヴキネマ東京

2003年公開

©2002 グルーヴコーポレーション・グルーヴキネマ東京

解説

ストーリー





春、大きな楓の枝に葉っぱのフレディが生まれました。
フレディは大勢の仲間たちに囲まれてすくすく成長し、
夏には皆と、涼しい木陰を作って人々に憩いの場を作ったり、
それは楽しい時をすごします。
そして秋、皆それぞれ赤や金色や、色とりどりに紅葉しました。
同じ葉っぱなのに皆違うのがフレディには不思議でした。

「それは生まれた時は同じ色でも、皆違う経験をしたから、紅葉する時は違う色になるのさ。」と物知りのダニエルが教えてくれました。

しかし、やがて冷たい木枯らしが吹くころ、「皆、引越しの時が来たよ。僕たちは葉っぱの仕事を全部やったから引っ越すんだ。」とダニエル。フレディは悲しくなりました。

だってここは夢のように居心地が良い場所だからです。「僕もここからいなくなるの」と聞くフレディにダニエルは、「僕達は葉っぱに生まれて、太陽や月からひかりをもらい、雨や風に励まされて木のためにも人のためにも、本当によく動いたし遊んだね。それは、どんなに楽しかったろう。どんなに幸せだったことだろう。」「世界は変化し続けているんだ。春が来た時、怖かったかい?緑から紅葉するとき、怖かったかい?死ぬというのも変化する事の一つなんだ。変化するって自然の事なんだよ。」ある朝フレディは、迎えに来た風に乗ってふわりと枝を離れました。そして雪の上に降りてきました。そして、その時、初めて生まれ育った木の全体の姿を見ました。

なんとがっしりしたたくましい木なのでしょう。これならいつまでもいき続けるに違いないとフレディは思いました。その時ダニエルから聞いた「いのち」という言葉を思い出しました。大地も、月や星も、風や雪も、フレディを見守っているのです。やがて春が来て雪は溶けて水になり、枯葉のフレディが、土に溶け込んで樹を育てる力になることを見守っているのです。

めぐり来る春————-、子供達の笑顔が浮かび上がってきます。

スタッフ

監督・脚本:松山善三
原作:レオ・F・バスカーリア
訳:みらい なな(童話屋刊)
朗読:高峰秀子
企画:高橋松男事務所、Riyo&Miyako
撮影:石原 興
照明:中島利男
協力:松竹京都映画
撮影協力:北海道美瑛町/長野県大峰高原
製作:成澤 章、高橋松男、グルーヴコーポレーション、グルーヴキネマ東京

キャスト

神山 繁
草笛光子
田中好子
美瑛町立美馬牛小学校の子供たち

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