原題:Love Actually

19人が織り成すそれぞれの愛のカタチ—— それはあなたの物語(ストーリー)。

第61回ゴールデン・グローブ賞ノミネート<作品賞><脚本賞>

2003年11月14日全米初公開

2003年/イギリス・アメリカ/カラー/135分/ 配給:UIP

2010年12月02日よりDVDリリース 2004年06月23日よりDVD発売開始 2004年2月7日より日劇3ほか全国ロードショー

公開初日 2004/02/07

配給会社名 0081

解説



人は言う。“現代は憎しみと欲だ”と。
そうだろうか?
父と子、母と子、夫と妻、恋人同士、懐かしい友人…
“9月11日”の犠牲者がかけた電話も“憎しみ”や“復讐”ではなく“愛”のメッセージだった。
見回すと、実際のところこの世には愛が満ち溢れている

『フォー・ウェディング』『ノッティングヒルの恋人』「ブリジット・ジョーンズの日記』。ハリウッド映画とはひと味違うウィットに富むスタイルで、共感を呼ぶ愛の名作を送り続けてきたイギリスのスタジオ、ワーキング・タイトル。その中心的な存在である脚本家のリチャード・カーティスが、自ら初メガフォンをとり、すべての人の心を優しく包み込む〈至福の愛のドラマ〉を完成させた。
本作『ラブ・アクチュアリー』は、私たちのすぐ身近にあるたくさんの愛のカタチを、アンサンブル形式のドラマに仕立てあげた作品。私たちが日常的に経験する悲喜こもごもの出来事を等身大のまなざしでスケッチしながら、人を愛することの喜びと、愛によって輝く人生の素晴らしさを、心にしみるタッチで描いた珠玉の感動作だ。
登場人物は、総勢19人。年齢も人種も職業も多種多様な彼らは、私たちの大半と同じように、ちょっぴりままならない人生を生きている。
就任早々、お茶くみの秘書に恋心を抱いてしまう独身の首相。弟に恋人を取られ、南仏へ傷心旅行に出かけるミステリー作家。2年7カ月の間、職場の同僚を思い続けているOL。学校一の人気者に淡い恋心を抱き、モンモンと悩む11歳の少年。夫の浮気の虫が騒ぎ出したことに、気をもむ熟年の主婦。親友の新妻への思いを、ひた隠しにする新進画家。壁にぶつかって足踏みし、素直になれない自分に苛立つ人々。そんな彼らの切ないホンネが溢れ出るストーリーは、思わず「わかるわかる」とうなずいてしまう共感でいっぱい。そして、出会いのときめきがホンモノの恋に、苦しい片思いが穏やかな友情ヘ…など、姿を変えていく過程を描き出したドラマには、思わず微笑みがこぼれてくる優しさがたくさん詰まっている。
「世界がどれほど暗くなろうとも、人生のほとんどの出来事は愛に関係している」と語るリチャード・カーティス。その思いをささやかなエピソードのひとつひとつに託し、「私たちのストーリー」としてこの映画を作りあげた彼は、ふだんは存在すら意識しない愛がいたるところに溢れているという真実を、さりげなく気づかせてくれる。観終わった後、誰もが幸せになれる映画があるとしたら、この作品がまさしくそれ。劇場を出るとき、あなたはきっと、たまらなく誰かに愛を伝えたくなっているはずだ。
そんな映画の感動を支えるのは、チャーミングな英国首相を演じるヒュー・グラントをはじめとする英米屈指の演技派スターたち。幸せの絶頂にある花嫁を演じるのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』で大ブレイクしたキーラ・ナイトレイ。ポルトガル人女性との恋に未来を見出す作家には、『ブリジット・ジョーンズの日記』のコリン・ファース。夫婦生活の危機を迎える熟年カップルには、『ハワーズ・エンド』のオスカー女優エマ・トンプソンと、『ハリー・ポッター』シリーズのアラン・リックマン。義理の息子との関係に悩む父親には、『シンドラーのリスト』のリーアム・ニーソン。その他、「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』のローラ・リニー、『ジョニー・イングリッシュ』のローワン・アトキンソン、『スリング・ブレイド』のビリー・ボブ・ソーントン、『スティル・クレイジー』のビル・ナイといった個性豊かな顔ぶれが、ワーキング・タイトルの旗の下に集結。ロバート・アルトマン作品に勝るとも劣らない極上のアンサンブルを奏でている。
作品をめぐるもうひとつの話題は、劇中に流れる愛の名曲の数々。ビートルズの「愛こそはすべて」から、ベイ・シティ・ローラーズの「バイバイ・ベイビー」まで、ツボを心得た選曲は心憎いばかり。クリスマス当日に、登場人物全員の愛が結実するクライマックスでは、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が流れ、ドラマの感動を大いに盛り上げる。

ストーリー



◆首相と秘書
 ダウニング街10番地に、新しい髄住人がやって来た。彼デヴィッド(ヒュー・グラント)は、〈若い、ハンサム、独身〉の三拍子揃ったイギリスの新首相だ。彼の初の大仕事は、訪英するアメリカ合衆国大統領に、ガツンとイギリス魂を見せつけること。
だが.ポッチャリ体型のお茶くみ秘書ナタリー(マルティン・マカッチョン)にひと目惚れしてしまったデヴィッドは、いまいち仕事に身が入らない。
 そうこうするうち、いよいよ大統領(ビリー・ボブ・ソーントン)がイギリスの地に足を踏み入れた。さっそく首相公邸で会談が行われたが、国際協調を無視してオレ流を貫くと主張する大統領に、デヴィッドとスタッフはやられっぱなしになる。しかも、アメリカの黄色いネクタイ野郎は、デヴィッドが席を立った隙に、ナタリーにキスを追ろうとした!その規場を目撃してしまったデヴィッドは一年発起。記者会見の場で「イギリスにはハリー・ポッターとベッカムの右足がある!アメリカにいじめられてたまるか!」とぶちあげ、大統領をアゼンとさせる。
これで一気に国民の人気を得たデヴィッドだったが、彼自身のナタリーに対するモヤモヤした気持ちはおさまらない。仕方なく、彼はナタリーを別の部署に異動させデヴィッドのもとに、ナタリーからのクリマス・カードが届いたのは,それから2週間後のこと。「私はあなたのものです」。
カードのメッセージを読んだデヴィッドは、いま、ひとりの男として、何をなすべきなのか…。

◆ダニエルとサム
 最愛の妻を亡くしたダニエル(リーアム・ニーソン)には、自身の悲しみにも増して気がかりなことがあった。妻の連れ子のサム(トーマス・サングスター)が、まったく口をきかなくなってしまったのだ。自分には、サムのショックを癒すことができないと、無力感にうちひしがれるダニエル。だが、実はサムは別のことで悩んでいた。その悩みとは、学校でいちばん人気のある少女への切ない片想い。事情を知ったダニエルは、サムに『タイタニック』のビデオを見せて激励。その日から、ふたりの心は、本当の父子のように通い始める。
まもなく、サムは片想いに決着をつける事を思いついた。それは、女の子にモテるミュージシャンになること。さっそくクリスマスの催しに向けてドラムの猛特訓を開始するサム。果たしてサムの淡い初恋は実るのだろうか?

◆ジエイミーとオーレリア
 弟に恋人を取られてしまったミステリー作家のジェイミー(コリン・ファース)。
傷心を癒そうとタイプライターを抱えて南仏の湖畔のコテージヘやって来た彼は、そこでメイドをするオーレリア(ルシア・モニス)と出会う。彼女はポルトガル人で、ジェイミーとはまったく言葉が通じない。が、風に舞ったジェイミーの原稿を、オーレリアが氷のように冷たい湖に飛び込んで拾い集める出来事があった日から、ふたりはボディ・ランゲージでおたがいの気持ちを伝えあうようになる。
やがて原稿を書き上げたジェイミーは、イギリスヘ帰国。しかし、オーレリアのことが忘れられない彼は、語学学校に通い、ポルトガル語を習い始める…。

◆ハリーとカレン
ハリー(アラン・リックマン)はデザイン会社の経営者。しっかり者の妻カレン(エマ・トンプソン)との間には3人の子供がおり、ふたりは平凡だが幸福な家庭を築いている。だが、そこに突然、夫婦生活の危機が訪れた。ハリーの秘書ミア(ハイケ・マカッシュ)が、彼にモーションをしかけてきたのだ。彼女にクリスマス・プレゼントをおねだりされたハリーは、デパートの宝石売り場で、ラッピングにこだわりまくる店員(ローワン・アトキンソン)からハート型の)ペンダントを購入。それを偶然みつけてしまったカレンは、自分へのプレゼントではないことを知り、大ショックを受ける。
 それでも笑顔をとりつくろって、子供たちのクリスマスの催しに出かけていくカレン。果たしてカレンとハリーは、無事、この危機を乗り切ることができるのだろうか?

◆サラとカール
ハリーの会社に勤めるサラ(ローラ・リニー)は、入社以来2年7カ月のあいだ、同僚でチーフ・デザイナーのカール(ロドリンゴ・サントロ)に熱い恋心を抱いている。その気持ちをとっくにお見通しのハリーに背中を押され、告白の勇気を絞り出そうとするサラだったが.いざとなると肝心の言葉が出てこない。しかし、チャンスは向こうからやって来た。会社のクリスマス・パーティーの夜、なんとカールのほうからダンスを申し込んできたのだ。スロー・ナンバーに合わせ、ロマンティックなムードにひたるふたり。情熱の一夜を予感して、サラの胸は高鳴るばかりだ。が、そこで高鳴ったのは、彼女の携帯電話だった。電話の主は、精神を病んで入院している弟。彼をどうしても放っておくことができないサラは、ベッド・イン直前のタイミングで電話に応じ、カールを白けさせてしまう。サラの長年の密かで熱い片想いの行方は?

◆ビリーとジョー
ビリー(ビル・ナイ)は、かつての持ち歌をアレンジしたクリスマス・ソングでカムバックを果たそうとしている老いぼれのロック歌手。マネージャーのジョー(グレゴール・フィッシャー)は売り込みに必死だが、スター気取りが抜けないビリーは、問題発言で世間を騒がせてばかり。しかし、これが功を奏し、ビリーの歌は、めでたく全英クリスマス・ソング・チャートのNo.1に輝いた。クリスマス・イブにはエルトン・ジョンのパーティーに招かれ、ゴキゲンのビリー。だが、彼は気づく。クリスマスはいちばん愛している人と一緒に過ごすべきだ、と。パーティーを抜け出し、彼は歩き出した…。

◆ジュリエットとピーターとマーク
新進画家のマーク(アンドリュー・リンカーン)には、誰にも言えない秘密があった。彼は、親友のピーター(キーラ・イジョフォー)と結婚式をあげたばかりのジュリエット(キーラ・ナイトレイ)に、恋していたのだ。
その想いから、ついついジュリエットによそよそしい態度を取ってしまうマーク。それを「嫌い」のサインだと勘違いしたジュリエットは、なんとか彼と友達になろうと、結婚式のビデオを見せてもらう口実のもと、マークのアパートを訪ねる。そこで彼女が目にしたのは、自分の姿ばかりを追いかけたビデオの映像だった。秘めた思いがバレてしまい、気まずいマーク。そのとき、彼はある決意をする…。

◆コリンとアメリカン・ギャル
 ケータリングの仕事をするコリン(クリス・マーシャル)は、彼女いない歴を更新中の青年。イギリスでのナンパ活動に限界を感じた彼は、クイーンズ・イングリッシュに目のないアメリカ娘に希望を託し、単身、ウィスコンシンに渡る。空港からバーに直行し、さっそくナンパ・モードに入るコリン。そこで彼を待ち受けていたのは……?

◆ジュデイとジョン
コリンの友人トニー(アブダル・サリス)が助監督をつとめる映画の撮影現場。スターの代役(スタンド・イン)としてカメラの前に立つジョン(マーティン・フリーマン)とジュディ(ジョアンナ・ペイジ)は、天気の話などをしながら、濃厚なラブ・シーンを演じている。おたがいに、会話が弾むことを喜び合うふたり。いつしか、それは恋の気分に変わっていく。

スタッフ

監督:リチャード・カーティス
製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ダンカン・ケンワーシー
製作総指揮:モハメド・アル=ファイド、リチャード・カーティス
脚本:リチャード・カーティス
撮影:マイケル・コールター
編集:ニック・ムーア
音楽:クレイグ・アームストロング

キャスト

ヒュー・グラント
リーアム・ニーソン
コリン・ファース
ローラ・リニー
エマ・トンプソン
アラン・リックマン
キーラ・ナイトレイ
ローワン・アトキンソン
ロドリゴ・サントロ
トーマス・サングスター
マルティン・マカッチョン
ビル・ナイ
ハイケ・マカッシュ
ビリー・ボブ・ソーントン

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