原題:Johnny English

2003年4月11日イギリス初公開

2003年/イギリス/87分 配給:UIP

2011年09月02日よりDVDリリース 2008年06月12日よりDVDリリース 2004年11月26日よりDVD発売開始 2004年02月27日よりDVDリリース 2003年10月4日より日劇3ほか全国一斉ロードショー

公開初日 2003/10/04

配給会社名 0081

解説


英国秘密諜報局には、007ジェームズ・ボンドのほかにもう一人、巨悪から世界を救うスーパー・スパイがいた。
そのスパイの名前は—ジョニー・イングリッシュ!
イングリッシュに課せられたミッションは、盗まれた英国王室の戴冠用の宝玉を奪還することと、フランス人の大実業家で世界中に400以上の刑務所を“経営する男パスカル”を倒すこと。パスカルは英国の王位を狙い、そうなった暁には、英国を犯罪者の天国にしようと企んでいる。そこで、イングリッシュは陰謀を暴き、悪に立ち向かうが……。
しかし、アレ?なんかヘン。可笑しい。大爆笑してしまう。というのも、イングリッシュは内勤スパイだからだ。敵を追い詰め、キザなセリフをキメるが、その瞬間に拳銃のマガジンを落としてしまい、敵を取り逃がす。それならカーチェイスだが、駐車違反で愛車はレッカー移動と間の悪いことこの上ない。そして相棒がレッカー車を運転し、クレーンで宙づりにされたままの愛車で街中を「空中浮遊追跡」。こんな奇想天外なカーチェイスは、映画史上初めてだ。また、『M:I-2』ばりに、飛行機からダイフして、敵の高層ビルに突入しようとヤル気満々だが、降りたところは、隣のビルの病院。病院だって大迷惑。一方、O07ばりのグルメぶりを発揮し、回転寿司をパクつくが、ネクタイがレーンに絡まり、窒息寸前。さらに、筋肉弛緩剤を自分に打ってしまい、全身ゆるゆるの脱力男と化して大騒動を引き起こす。それでもイングリッシュは、その場をうまく取り繕う言い訳の上手さと、ボケまくったキャラで突進するのだ!イギリスでは、この4月に公開されるや、“面白さ”という一点で本家の「O07」も凌ぐ3週連続No.1の大ヒットを記録。『ビーン』でおなじみのローワン・アトキンソンが、久々に見せる“体をフルに使って笑わせるギャグ”によるアナーキーな笑いと、周囲が大パニックに陥っても、我関せずの無責任男ぶり、洗練された知性をイッキに覆すおバカぶりと勘違い男ぶりなど、芸と魅力がてんこ盛りの爆笑キャラの誕生だ!もちろん主演は、テレビ版「ミスター・ビーン」が世界94ヶ国で放送され、関連グッズも記録的なセールスになり、映画版『ビーン』や『ラットレース』などでも異彩を放つ天才コメディ俳優、ローワン・アトキンソン。
ヒロインには、“トーン”を始めとするシングルやアルバムで世界的に大ヒットを記録した人気シンガーのナタリー・インブルーリア。これが映画デビュー作になるナタリーの美貌とタフさにも注目だ。基本的にイングリッシュ以上のいい仕事をする部下のボフ役には、『プランケット&マクレーン』『バースディ・ガール』の人気コメディアン、ベン・ミラー。ローワンの見当外れのツッコミと、ミラーの飄々としたボケのコンビネーションも、大きな見どころだ。
さらに悪役のパスカル役には、何と『マルコヴィッチの穴』や『シェルタリング・スカイ』の名優ジョン・マルコヴィッチ。メジャーでのコメディ出演は初めてとなる彼の、アクの強さとスマートさと軽妙さが同居した絶妙の演技には、感心させられることしきり。
そんな多士済済の出演者に華を添えるのが四人組の美女ストリングス軍団、BOND。そのゴージャスぶりはまさにイギリス映画のスパイ・アクションの十八番とも言える。
また、この映画は瞬間芸&一発芸を見せるだけの映画ではない。それもそのはず、脚本は、『ワールド・イズ・ノット・イナフ』と『ダイ・アナザー・デイ』のニール・パーヴィスとロバート・ウェイドの本物?コンビと『ツインズ』のウィリアム・デイヴィス。スパイ映画のお約束に忠実なしっかりとしたストーリー、練りに練った独創的なギャグとキャラ、ア然とさせられる破天荒なアクションに加え、スリリングな陰謀劇を巧妙に構成するという、優れた脚本に仕上げている。
そして監督には、デビュー作『スライディング・ドア』で見せたユーモアとスタイリッシュさをさらにバージョンアップさせたイギリス出身のピーター・ハウイットだ。ローワンとのコンビはまさにベストマッチ。イギリス発の新たな笑いを今、まさに誕生させたのである。その傑作大ヒット・コメディを製作したのが、『フォー・ウェディング』『ノッティング・ヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』『アバウト・ア・ボーイ』などの、ティム・ビーヴァンとエリック・フェルナー主宰の製作会社ワーキング・タイトル。エンターテインメントのツボを押さえた製作姿勢は、さすがだ。
その他のスタッフには『イングリッシュ・ぺイシェント』『アバウト・ア・ボーイ』などの撮影監督のレミ・アデファラシン、『スパイ・ゲーム』でプロダクション・デザイナーを務めたクリス・シーガーズらに加え、主題歌はミスター・ブリティッシュ・ミュージックとも言うべきロビー・ウィリアムズが担当。
パロディに拘るあまりストーリーを見失い、“バラエティ映画”になっているあまたの映画とは一線を画した『ジョニー・イングリッシュ』こそ、王道のスパイ・アクション・コメディというわけだ。これぞ本物の笑いの連続なのだ!

ストーリー


ある日の英国秘密諜報局(MI-7)。スーパー諜報部員をめざす事務職の準スパイ、ジョニー・イングリッシュ(ローワン・アトキンソン)の今日の仕事は、敵国の潜水艦への潜入調査を命じられたカリスマ・スパイのエージェント1号に、ハッチを開ける暗号コードを伝えること。
ところが、イングリッシュの情報はデタラメで、あわれエージェント1号は水死してしまう。イングリッシュが次に命じられたのはエージェント1号の葬儀の警備。「何も問題はない」と上司に言い切るイングリッシュの背後で、その時、大音響。何者かが仕掛けた爆弾が大爆発し、葬儀に出席していたエージェント1号の同僚の腕利きスパイは、全員死亡してしまう。
かくしてMI-7のエージェントは全滅。この最悪の事態に、上司のペガサス(ティム・ピゴット=スミス)は苦渋の決断をする。それはイングリッシュにスパイとしてのミッションを授けることだった。
念願かなったイングリッシュは、部下のボフ(ベン・ミラー)を引き連れ、ロンドン塔へと向かう。ロンドン塔では、女王陛下を招き、戴冠用の宝玉のお披露目会が開かれることになっている。会場に到着したイングリッシュは、宝石の修復師という女性ローナ(ナタリー・インブルーリア)や、女王と親交があり、世界の60ヶ国で400以上の刑務所を“経営”しているというフランス人の大実業家パスカル(ジョン・マルコヴィッチ)などと挨拶を交わす。そして、会場の警備は完壁だったはずだった。少なくともイングリッシュだけには…。
しかし、突然の停電。その後、明かりが付<と、宝玉が消えている。イングリッシュとボフは、塔の周辺を捜索。宝玉を盗んだ2人組を発見するや、カーチェイスを展開する。ロンドンの街中を大混乱に陥れる白熱の珍チェイスが展開される!?そして犯人一味を追い詰めたと確信するイングリッシュだったが、その頃、全く別のところで宝玉はまんまとこの犯罪を仕組んだパスカルの手に渡っていた。パスカルの家系は、200年も前からイギリスの王位に就くべきであると考える一族で、だからその末裔のパスカルは戴冠用の宝玉を盗んだのだ。だが、正式に王位を認められるには、カンタベリー司教の認証が必要になる。そこで、司教そっ<りの男をスタンバイさせ、同時に邪魔者のイングリッシュの抹殺計画も密かに進行していた。一方のイングリッシュは、情報や勢力を全く省みないから、かえって直感的にパスカルが怪しいということだけは気づく。ただ問題はその証拠を得る手段が解らないこと。そんなイングリッシュに救いの神が現れる。実はローナはインターポールの捜査官としてパスカルを追っていたのだ。 そして、イングリッシュとボフは、大騒ぎのあげくパスカル所有のビルヘの潜入に成功する。折しも、そこではパーティが開かれていた。なんとかパスカルの秘密に迫ろうと焦るイングリッシュはまたまた言葉にするのも恥ずかしい失態を犯す。この事態に激怒したのは上司のペガサス。パスカルの無実を信じて疑わない彼は、イングリッシュのスパイ・ライセンスを取り上げ、停職を命じる。ショックのあまり部屋に引きこもるイングリッシュ。だが、ローナの叱咤で、再びイングリッシュの“ひとりよがりに熱い魂”が点火する。この陰謀を食い止められるのは、イングリッシュしかいない。周囲の迷惑も、相棒たちのアキレ顔も省みず、ヤツは立ち上がる……。

スタッフ

監督:ピーター・ヒューイット
製作:ティム・ビーヴァン
   エリック・フェルナー
   マーク・ハッファム
脚本:ニール・パーヴィス
   ロバート・ウェイド
   ウィリアム・デイヴィス
共同製作:デボラ・ヘイワード
     ライザ・チャシン
撮影:レミ・アデファラシンB.S.C
プロダクション・デザイナー:クリス・シーガーズ
編集:ロビン・セイルズ
衣裳:ジル・テイラー
音楽:エドワード・シャムラー
主題歌:ロビー・ウイリアムズ

キャスト

ジョニー:ローワン・アトキンソン
ローナ:ナタリー・インブルーリア
ボフ:ベン・ミラー
パスカル:ジョン・マルコヴィッチ
ぺガサス:ティム・ピゴット=スミス

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