原題:2 Fast 2 Furious

2003年6月6日全米初公開

2003年/アメリカ/カラー/108分/ 配給:UIP

2010年11月26日よりDVDリリース 2004年11月26日よりDVD発売開始 2003年12月26日よりビデオレンタル開始 2003年12月26日よりDVD発売開始 2003年8月23日よりニュー東宝シネマほか全国東宝洋画系にてロードショー

公開初日 2003/08/23

配給会社名 0081

解説



ドライバーそれぞれの個性を生かしたボディヘのペインティングと、強烈にオーナーの個性を反映したチューンナップ、そして、スーパー・ハイ・スピードを生み出す噴射装置などを装備し、ストリートのスピード・レースにエクスタシーと刺激を覚える若者たちを描き、全米でO1年夏に1億4500万ドルに迫るブロックバスター・ヒットになった『ワイルド・スピード』。
そして、期待の続編が、いま、インジェクションのスイッチをオンにして、爆走する疾走感とともに、日本にも熱さと激しさを炸裂させる。しかも、単なるカー・レースの映画ではない。前作にも増して際立ったキャラクターが激しく衝突する堂々たるアクション巨編として再生した、それが『ワイルド・スピードX2』だ!
『ワイルド・スピードX2』の舞台は、人種るつぼでもあるフロリダ・マイアミ。夜になるのを待ちかねた若者たちが、ギャラリーとなってストリート・サイドをぎっしり埋める。彼らのテンションを高めるストリート・レーシング。警察の目をかいくぐり、公道をレース場に替え、150キロをはるかに越えるスピードと危険極まりないドライビング・テクで、1万ドル以上の賞金に命を賭けるレーサーたち。ボディをピンク色にペイントしたホンダS2000や、NOS(ニトロ噴射装置)を搭載した99年型スカイラインなど、独自に改造したハイ・ブリッド・カーが、スタートを待つ。
そんなドライバーの中に、ロサンゼルス警察の元警官ブライアン・オコナーがいる。ブライアンは、ロス時代に囮捜査官としてストリート・レーシングの世界に潜入し、強盗団壊滅に成功したが、警察官という身分より男のけじめにこだわったことから職を失っていたのだ。放浪のストリート・レーサーとなったブライアンは、マイアミの街でも若者たちを熱狂させている。
ところが、またしてもブライアンは、囮捜査を行うことになる。国際的なマネー・ロンダリング組織の運び屋のドライバーとして、組織に潜入。この捜査の相棒として、ブライアンが抜擢したのは、幼なじみでスピードだけが生きることのモチベーションである札付きの前科者ピアースだった。
一匹狼の反体制的な元警官、ブライアンとドライビングだけが自分の生きる証のピアースのコンビは、限界知らずのスピードを生み出す最新鋭のチューンド・力一を武器として、巨悪に戦いを挑む……。
前作のロブ・コーエンから、『ボーイズ’ン・ザ・フッド』でアカデミー監督賞と脚本賞にノミネートされたジョン・シングルトンに監督が交替。生まれ育ったロスでストリート・レーシングを間近に見てきたというシングルトンだけに、サスペンス・アクションの要素をスケールアップさせつつ、サブ・カルチャーとして定着したストリート・レーシングの世界もより深く描きあげている。
マイアミという舞台設定を生かして、登場人物も白人、黒人、日系人、中国人、ラテン・アメリカ系などバラエティに富んでいる。そして、それぞれのバック・グラウンドを反映した青春群像であると同時に、スピードヘのこだわりを鮮やかに表現している。また、ブライアンとピアースのやりとりも、白人と黒人の対立という従来のステレオタイプな描写から抜け出し、唯一無ニに信じるものはスピードであるという価値観の共有と、それゆえの共闘によって生まれる正義感という視点から、二人の関係が描かれているところが新しい。
一方の主役であるマシンは、三菱ランエボⅦ、日産スカイラインGTR、70年型ヘミ・ダッジ・チャレンジー、98年型BMW M3、01年型ホンダS2000、94年型マツダRX-7、69年型カマロなどが多数登場。さらにカラフルな力一・ボディ・メイクの独特の美しさ、ハデさ、キュートさ、ポップさは、前作にはなかったもので、目を奪われずにおれない。さらに、それぞれのカー・ビジュアルが、キャラクターの個性を主張しているところも見逃せない。
そして、観る者にスピードとデンジャラスさを体感させ、アドレナリンを沸き立たせるレーシング&チェイスのすごさ!瞬きの猶予も与えないスピードで一般道を走り抜け、開閉式のハネ上がった橋の上をジャンプ。時速150キロ以上で走るマシンが互いに30センチまで接近して牽制し、クラッシュする。パトカーの大部隊とヘリ相手に繰り広げ猛烈なチェイスに、150台以上ものレース仲間のマシンが雪崩込む。交通ルール無視の過激なスピン・ターンはおろか、ハイウェイではやバック・ギアでの道行く車をブッちぎる。画面から伝わるスピード感と、圧倒的なボリューム。ましてや、『シャフト』でアクション演出のシャープさとダイナミズムを見せつけたシングルトンのことだ。“アトラクション的なスペクタクル”というあまたのカー・アクションと一線を画す、見事なカッティングと独創的なカメラ・アングルによって、立体的でありながらバーチャルではない、生々しいリアリズムに溢れた独創的なカー・スタントに彩られた独自のアクション映画を生み出した。『ワイルド・スピードX2』には、“前作を越える”という表現は当てはまらない。カー・アクション物としても近年屈指の作品であるばかりでなく、興奮とスリルを存分に楽しめるサスペンス・アクションであると同時に、サブ・カルチャーのクールなライフスタイルがあり、目を奪う迫真のクライム・ドラマでもある最高のエンタテインメントなのだ!
出演は、前作に引き続き、ブライアン・オコナ一役を演じるポール・ウォーカー。カー・マニアでレーサーとしても活躍しているウォー力一は、激しく大暴走するカー・シーンも自らが演じ、等身大で迫力が感じられるものにしているところが、嬉しい。そのウォー力一とコンビを組むのが、ピアース役のタイリース。ヒップホップ/R&Bのトップ・シンガーであり、GUESSなどのモデルとしても活躍しているタイリースは、気心の知れたシングルトン作品で、役者としての魅力をフルに発揮。コワモテで迫りながら、ジョークで笑いを取り、アクションでは体当たりの熱演という芸達者ぶりを見せ、マルチ・アーティストとしての才能に感心させられる。
ダブル・ヒロインの一人、スーキー役は、「ベニハナ」チェーンなどの実業家ロッキー青木の娘であり、世界的な評価を誇るスーパーモデルのデヴォン青木。劇場用映画初出演でアクションに挑戦した彼女の、モデルの顔とは違う“熱い演技”も見ものだ。もう一人のヒロインであるミステリアスな女性囮捜査官モニ力役のエヴァ・メンデスは、ロバートロドリゲス監督&アントニオ・バンデラス&ジョニー・デップの“Once Upon a Time in Mexico”、ファレリー兄弟&マット・デイモンの“Stuck on You”など、出演の話題作が目白押しの、今、最も注目の女優。そのエキゾティックな美貌のインパクトは必見だ。
さらに、エミネムとのジョイント・ライブも大成功させたこともある超人気ラッパーのクリス・“リュダクリス”・ブリッジズ、『タイガー・ランド』、『ジャスティス』などでの好演が印象に残るコール・ハウザー、『48時間』、『ホワット・ライズ・ビニーズ』などのジェームズ・レマーといった共演陣も、それぞれ印象に残る演技を見せている。
製作は、『ワイルド・スピード』、『トリプルX』、『メラニーは行く!』、『ラストサマー』シリーズなど、ヒット作品を連発しているニール・H・モリッツ。
音楽には、リュダクリスを始め、UKGやランDMCなど、ヒット・チューンからコアなサウンドまで、ヒップホップとR&Bが効果実的に使われている。

ストーリー



グラフィティ・ペインティングのハデさと伝統的なアール・デコの建造物が、奇妙なミス・マッチの魅力を放つマイアミの夜。通りには、ストリート・ファッションに身を包んだ若者たちが詰めかけ、これから始まるストリート・カー・レーシングのスタートを待っている。この夜、レースに出場するのは、ホンダS-2000にピンクのメイクを施し、チューンナップして自信満々の一匹狼的な女性ドライバーのスーキー(デヴォン青木)など、走ることに全精力を注ぎ込む若者たちが、独自のチューンド・カーに乗り込んでいる。そんな者たちの中に、「あの男」の姿もある。
囮捜査官として、ロスアンゼルスのストリート・レース界に潜入し、トラック・ジャック強盗団一味の逮捕に活躍しながら、男の友情のために、カリスマ・ドライバーであり、強盗団のボスである男を逃亡させたことから、警官の職を失ったブライアン・オコナー(ポール・ウォー力ー)だ。ギャラリーの興奮が頂点に達した時、レースのプロモーター兼メカニックのテズ(クリス・“リユダクリス”・ブリッジズ)によって、フラッグが降られた。4台の車は、通りを爆走し、跳ね上がったままの開閉式の橋の上からダイブして、対岸へ着地しなくてはならない。一進一退の白熱のレースが展開され、ブライアンは、ニトロのパワーによってロケットのようにスピードを増すNOSを点火させる。
マイアミでも大胆かつ冷静なドライビング・テクニックを見せるブライアンは賞金を手にするが、その直後、一斉取締りで包囲網を敷く警官隊から放たれたコンピューター系統をダウンさせる新兵器に車のパワーを奪われ、逮捕されてしまう。実はブライアンの逮捕には裏があった。ロス時代の上司も現れ、ブライアンを再び、囮捜査の任務に就かせようというのだった。今回は、マイアミの連邦捜査官すら手を焼く、実業家のカーター(コール・ハウザー)が標的だ。この男の表の顔は貿易商だが、実は国際的なマネー・ロンダリング組織のボスなのだ。その組織の汚れた金の運び屋として、ブライアンを潜入させようという計画だった。
警官への復職のチャンスに巡り合ったブライアンだが、規則に縛られることを嫌う破天荒なこの男にとって、重要なのは信頼できる相棒だ。ブライアンは幼なじみでスピード狂のピアース(タイリース)を指名する。だが、ピアースは犯罪のプロであり、札付きの前科者でもあった。警官と犯罪者という過去の確執から、ふたりのコンビネーションはギクシャクし、ケンカにまで発展する。ピアースが協力する理由は一つだけ。事件担当のマークハム捜査官(ジェームズ・レマー)から、捜査が成功すれぱ前科記録を抹消するという取引があったからだ。しかし、車とスピードという共通する興奮と快感は、ブライアンとピアースに抜群のコンビネーションをもたらしてゆく。そして、二人は、カーターの元で運び屋をしているドライバーにレースを挑み、彼らに勝ってカーターのドライバーとして雇われる。いよいよターゲットに接近することに成功した二人の前に現れたのは、彼らと同じ囮捜査官のモニカ(エヴァ・メンデス)だった。モニカは、カーターの愛人を演じているのだが、既にカーターと深い関係を持っているように見えて、そのことがブライアンの頭を悩ませる。
そして、最大のチャンスがやってくる。「汚れた金」を運べという命令がカーターから下ったのだ。しかし、ここで思わぬ障害がブライアンとピアースの前に立ちはだかる。連邦警察同様に、カーターの組織を狙っていた地元の警察による追撃が始まったのだ。しかも、地元警察官たちは、首魁のカーターではなく、実行犯のブライアンとピアースを標的にしていた。彼らに捕らえられては目的の達成どころか、二人とも塀の中になってしまう。無数のパトカーと警察のヘリを相手にしてのブライアンとピアースの最高の爆走が始まった…。

スタッフ

監督:ジョン・シングルトン
脚本:マイケル・ブランド&デレック・ハース
ストーリー:マイケル・ブランド&デレック・ハース
      ゲイリー・スコット・トンプソン 
製作:ニール・H・モリッツ
製作総指揮:リー・R・メイズ
      マイケル・フォトレル
撮影:マシュー・F・レオネッテイA.S.C.
編集:ブルース・キャノンA.C.E.
   ダラス・ピュエットA.C.E.
音楽:デヴィッド・アーノルド

キャスト

ブライアン・オコナー:ポール・ウォーカー
ローマン・ピアース:タイリース
モニカ・フェンテス:エヴァ・メンデス
カーター・ベローン:コール・ハウザー
テズ:クリス“リュダクリス”ブリッジズ
ビルキンス捜査官:トム・バリー
マークハム捜査官:ジェームズ・レマー
スーキー:デヴォン青木
オレンジ・ジュリアス:アマウリー・ノラスコ
スラップ・ジャック:マイケル・イーリー

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