原題:Bakko-youkaiden KIBAKICHI

2003年/日本/カラー/97min 配給:GPミュージアム・リベロ

2004年07月25日より第2巻ビデオレンタル開始 2004年07月25日よりDVD第2巻発売開始 2004年05月25日より第1巻ビデオレンタル開始 2004年05月25日よりDVD第1巻発売開始 2004年2月7日より渋谷シネパレスにてレイトショー公開 全国順次ロードショー

(c)牙吉製作委員会・原口智生 2003

公開初日 2004/02/07

配給会社名 0080/0223

解説



 2004年、日本映画界に新たな時代劇ムービーが誕生した。その名は、『跋扈妖怪伝 牙吉』。江戸時代の動乱の中、人狼の正体をもつ無宿浪人・牙吉が、住処を追いやられた妖怪たち、鬼蔵一家と共に無慈悲な人間どもと戦う!

 今、「時代劇」が熱い。『座頭市』、『陰陽師』、『あずみ』、『魔界転生』……アクション、ファンタジーなど様々な要素を取り込んだストーリーと、最先端のSFX。新時代の時代劇とも言うべき作品が、ハリウッド映画に見慣れた若者層をも取り込み、日本映画界を席巻中だ。その一方、『たそがれ清兵衛』、『壬生義士伝』など、時代劇本来のスピリッツに忠実な作品も、高い評価を得ている。

 『跋扈妖怪伝 牙吉』は、時代劇に、かつて大映で製作され現在も根強い人気を誇る妖怪映画の要素をプラスし、妖怪と人間、そして主人公・牙吉の激しいバトルを描いた一大エンターテインメント・ムービーだ。このファンタジックな世界観の映像化に当たってのキーワードは「本物」。特殊造型でリアルに作られた【妖怪】、俳優同士がぶつかり合う生の【アクション】、そして操演や火薬を駆使した【特撮】。CGや合成などを一切使用せず、全てカメラの前で起こっている「本物」がフィルムに焼きつけられた。こうして作られた映像は、「本物」だけが持つ迫力と説得力に満ちており、近年のSFXムービーに見慣れた観客にはセンセーショナルに写ると共に、往年の特撮映画に親しんだ世代にはノスタルジックな味わいを残すものに仕上がっている。

 監督を務めるのは、日本の誇る特殊造型の第一人者、原口智生。大映製作の妖怪映画を観て育った監督は、妖怪への思い入れも人一倍で、『さくや妖怪伝』に続く妖怪ものとなる本作では、「無宿浪人 キバ吉」(島本高雄原作・森野達弥画)を原案に、自ら原作も手がけた。

 主役の牙吉を演じるのは、テレビ時代劇「水戸黄門」最新第32部で助さん役に抜擢され、今や時代劇の顔として馴染みの存在となった原田龍二。原口監督は、「水戸黄門」以前から「主演は彼に」と決めていたという。そんな監督からのラブコールを受けて牙吉役に挑んだ原田は、これまで演じたことのないこの役柄に対し並々ならぬ意欲を見せ、監督の予想以上の演技、殺陣で見事、作品を支えるヒーロー像を作り上げた。

 対するヒロイン、妖怪一家の中の唯一の人間・桔梗役には、『さくや妖怪伝』で主役のさくやを演じた安藤希。3年の間に女優経験を積み、よりパワーアップした演技で憂いを帯びた少女役を演じている。

 音楽に「アバロン」など多数の作品を手掛け、「ブラッディ・マロリー」などで国際的にも活躍のベテラン・川井憲次。躍動感あふれるテーマ曲は、一度聴いたら耳を離れないことだろう。撮影は、『必殺』シリーズなどを生み出した伝統の松竹京都撮影所で行われ、熟練のスタッフの手で、賭場や宿場町、チャンバラシーンなど、これぞ時代劇といった映像が作り上げられた。

 『跋扈妖怪伝 牙吉』———、それは伝統に支えられた時代劇の進化型。全く新たな日本映画なのである!

ストーリー



太古の昔、人間と動物、そして妖怪たちは同じ大地に生きる隣人同士だった。しかし時は過ぎ、人間たちは山を切り崩し、田畑に変え、そのテリトリーを広げていった。それは妖怪たちの住居を奪い取るということでもあった。
時は安政二年(1855年)。
故郷を追われ、一人孤独に旅する牙吉。近江百井藩の領地に入った牙吉は、そこで奇妙な賭場へ足を踏み入れる。取り仕切るのは、妖怪の鬼蔵(清水健太郎)。壷振りの女も若い衆も全て妖怪だった。ただ一人、桔梗(安藤希)という娘をのぞいて。そうとは知らず、賭場へやってきた人間は、地下に連れ込まれ貧り食われていた。ただし餌食となるのは罪人などの悪行を重ねた者のみ。
鬼蔵は百井藩主・山路要之助と手を組み「妖怪が安息に暮らせる土地を与える」という約束のもと、藩の罪人を始末していたのだ。
だが、山路の目的は違っていた。それが明らかになった時、牙吉の怒りは頂点に達し……。

スタッフ

監督:原口智生(第一部)・服部大二(第二部)
脚本:神尾麦
音楽:川井憲次
制作協力:松竹京都映画
原作:島本高雄・森野達弥作「無宿狼人 キバ吉」
   原口智生「妖怪無宿 牙吉」

キャスト

原田龍二
安藤希
田中美紀
清水健太郎

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