原題:The Rules of Attraction

2002年10月11日アメリカ初公開

2002年/アメリカ・ドイツ/カラー/108分/Dolby Digital 配給:ギャガ・コミュニケションズ

2004年04月09日よりDVD発売開始 2003年11月15日より、シネクイントにてロードショー公開

公開初日 2003/11/15

配給会社名 0025

解説



1980年代、ジェイ・マキナニ−、タマ・ジャノビッツら若い書き手が、バブル期の若者の≪空虚さ・無感情・不満・不安・倦怠感≫を描いた小説を続々と発表し、≪ニュー・ロスト・ジェネレーション≫という一種の世代カテゴリーを示す言葉が生まれた。その中核を為した作家、ブレット・イーストン・エリス。彼は、85年処女作『レス・ザン・ゼロ』を若干21歳という若さで書き上げるが、自ら若さの絶頂にありながら、底無しの絶望と虚無を表現する文学スタイルが世界に衝撃を与え。全米で大ベストセラーとなる。87年に、エリスが23歳で発表した第2作『ルールズ・オブ・アトラクション』は、91年に出版された『アメリカン・サイコ』へと完結する3部作のひとつ。どうしようもない心の出会いとすれ違いを、あまりにも斬新な同時進行のモノローグで綴っているため、唯一映像化不可能と言われ、今日まで映画化されることなく、長く時を待っていた。しかし、前後2篇の衝撃作は、この最期の1ピースなくしては完結しない。そして今。クエンティン・タランティーと共にあの『パルプ・フィクション』を生んだ映画界の風雲児ロジャー・エイヴァリーが、一編の映像を破壊し再構築することで、誰にも予想できなかったまったく新しい『ルールズ・オブ。アトラクション』をここに誕生させた。

一流の大学に通い、何不自由ひとつない人生を送ってきた彼ら。この映画の登場人物たちは、それでも何かに”枯渇”し、”虚無感”を覚え、人との結びつき、ふれあいを求めてしまう。何か願うほどに、叶わない、そんな人の気持ち。若ければ若いほど、切望と絶望が代わる代わるやってくる、ままならない心の葛藤に苦しむ。絶望的なまでに相手を知りたいと願う若者達。それは今、誰かが経験している、そして、あなたがいつか見たであろう、ありのままの姿。時代を越え、今の若者である、かつで若者であった、誰もが通る気持ちの記憶を描く切ない青春群像劇。

ストーリー



THE RULES OF ATTRACTION—それは、“引力の法則”

ルールズ・オブ・アトラクションすれ違う一瞬を捉えて、恋に落ちる。去り難くて迷いながら、身体で繋がる。求めてそのたび、絶望する。
そんな若者たちと時間との間には、決して目に見えない“引力の法則”が作用していた。

アメリカ北東部、ニューイングランド。ハーバード、マサチューセッツ・インスティテュート、イエール、ダートマス・・・。
有名大学が林立するこの学問の中心地に、アメリカ一学費が高いことで有名な芸術大学、カムデン・カレッジがある。
学生たちはたまに出席する講義と、毎日のように繰り広げられる狂乱と化すパーティで、忙しい日々を送っている。

「コンドームが98%安全なら、2枚重ねれば196%安全だわ。」
「禁欲生活は100%安全よ。」

ローレン(シャニン・ソサモン)はいつも冷静に一歩ひいたところで、そんな周囲をクールに見つめている。クラスメイトが避妊に失敗しても、
「わたしなら絶対にそんなヘマはしないわ」と誓いを新たにするだけ。
そう、彼女の心には、ヨーロッパを旅して回っているヴィクター(キップ・パルデュー)が住んでいる。
彼女が身も心も、ヴァージンも捧げようと心に決めているのはヴィクター以外にはいない。ヴィクターが戻ってきたら・・・、彼女は夢見ている。

「目を見せて。」
「“サタデー・パーティ”の前夜祭で会うかもね。」

ある土曜日の早朝、ポストモダニズムのゼミに参加するために向かった教室の前で、ローレンはショーン(ジェ−ムズ・ヴァン・ダー・ビーク)と出くわした。
「確か、去年あなたからハッパを買ったわ」。ショーンは学内では名の知れたディ−ラーで、キャンパス内の半分近くの女性と寝ているとの噂がある。
でも、ローレンは“ツーン”ときた。通じるものを感じた。もしかして、この気持ちは“本物のなにか”かもしれない。本物はヴィクターだと想っていたのに・・・。
しかし、サングラスを取り、目をあわせた瞬間、先に恋に落ちたのは、ショーンの方だった。そしてショーンのメールボックスに、ラベンダー色の手紙が届きはじめる。
彼はローレンからだと思い、狂喜する。そんなショーンに“ツーン”ときたのは、ローレンだけではなかった。
彼女の元ボーイ・フレンド、バイ・セクシュアルのポール(イアン・サマーホルダー)は、それとなくショーンを誘う。だが、そのアプローチにショーンは全く気が付かない。

「現実を見たら?あんたはドジったのよ。」

前夜祭の夜、ローレンを待ちきれなかったショーンは、たまたま出会った彼女のルームメイト、ララ(ジェシカ・ビール)と、迷ったあげくに寝てしまう。そこへ間が悪いことに鉢合わせしてしまうローレン。彼女は激しく取り乱すが、「でも自分にはヴィクターがいる」そう言い聞かせて心の平安を取り戻そうとする。

「いい知らせよ。」
「なに?」
「ヴィクターが戻った。」
「どうせこんなものだと思ってたわ。」

そして、ローレンはヴァージンを失った・・・。
「その内、ヴィクターと付き合っていた時によく聞いた曲がかかった。くだらない歌でその時は好きになれなかったのに、今の心境にはぴったりで、涙が出てしまった。存在しているのは、今かかっている曲だけで、ヴィクター本人は存在しない気がする。」
「君のことが知りたい。」
「私のことなんてわかりっこない、絶対に。」

カムデン・カレッジの学生たち。キャンパスは狂乱が占拠し、心の中は空洞が占拠した。
パーティも、ドラッグも、友達も、恋人も、そして自分さえも、その空洞を埋める術を知らないまま、彼らはその先どこへ向かうのだろうか?

“この娘も他の娘と同じで、絶望的な馬鹿だ”
“もっと前にとっくに分かっていたのかもしれない”
“最後に素面でセックスしたのはいつだったろう?”“自分の人生が進んでない気がする”

スタッフ

監督・脚本:ロジャー・エイヴァリー
原作:ブレッド・イーストン・エリス

キャスト

ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク
キップ・パルデュー
ケイト・ボスワース

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す
http://www.rulesofattraction.com/
ご覧になるには Media Player が必要となります