ティールロヴァーとチェコアニメ

1958年/チェコ/15分 配給:チェスキー・ケー、レンコーポレーション

2003年6月28日より8月8日まで新宿武蔵野館2・3・4にてロードショー

公開初日 2003/06/28

配給会社名 0156/0083

解説

戦後活躍しトルンカ、ゼマン以前に、チェコアニメを生み出したティールロヴァーは、女性特有のセンスで、生涯、子どものためのアニメーションを作りつづけました。シュヴァンクマイエルは彼女の作品を「優しいキッチュ」と評し、実写と人形のオブジェクトの入り混じった作品は、新鮮なおどろきに満ちています。ティールロヴァーの美術として参加したこともあるトルンカや、アニメーターをしていたガリク・セコの短編、そして「チェコアニメ新世代」で好評を博したクリムトなどの新人の作品もあわせ、ティールロヴァーを中心に32作を4つのプログラムに分け、上映いたします。

ストーリー

<Aプロ(ボーイズ編)>
『ブラッディ・ヒュ−ゴ』(クリムト)
西部劇のパロディで、体操用具の鞍馬にまたがる悪漢ヒュ−ゴがコマ撮りで描く快作。
『金の魚』(トルンカ)
金の魚を助けたおじいさんに、魚は何でも願いを叶えると言う。ところが、欲張りな奥さんのエスカレートする願いに、海は次第に荒れてゆき・・・。
『僕の友達はチクタクいう』(セコ)
捨てられたクマの人形と、壊れた目覚まし時計が、クリスマスの晩に出会い、仲良くなる。
『本棚の世界』(セコ)
本の世界にも、色々な個性があり、様様な物語がある。もの言わぬ彼らの振る舞いが、ドラマティックにその世界を語りだす。
『ミ−チェク・フリーチェク』(ティールロヴァ−)
日本では「ポップ・ステップ・ジャンプくん」というタイトルで絵本にもなっている、チェコの人形劇をもとにした作品で、ボールを子ども代わりに育てる夫婦と、悪い凧のお話。
『仕返しの日』(ティールロヴァ−)
ものを大切にしない男の子が眠ると、いままで乱暴に扱われてきた物たちが、仕返しを始める。
『結んだハンカチ』(ティールロヴァ−)
ハンカチの結び目は、ママの「蛇口の修理を忘れないで」というおまじまい。それなのに少年はハンカチと遊びにいってしまう。

<Bプロ(ガールズ編)>
『おたふく風邪』(プロハ−スコヴァ−)
おたふく風邪で、外に出られない少女は、ベッドカバーを海に見立て、遊びはじめる。
『足跡』(プロハ−スコヴァ−)
砂の上に、大小様々な足跡がつき、老人、鳥、犬、子どもと親、恋人同士など、様々な姿を浮かび上がらせる。
『動物たちと山賊』(トルンカ)
上質の絵本を思わせる背景に、カード遊びする山賊、踊るキノコ、舞い散る木の葉、駆け回る動物たちなどが、リズミカルに動くセルアニメの傑作。カンヌ受賞作。
『卑怯者、出てこい』(セコ)
『僕の友達はチクタクいう』のシリーズで、変わった小人に出会うお話。
『シューズショー、あるいは自分勝手な靴』(セコ)
誰もいない店の中、靴たちが様々に踊りだし、自分をアピールする。
『玉』(ティールロヴァ−)
様々な色や形の玉で形作られた動物達が、水晶玉を取り合う。
『豚飼い王子』(ティールロヴァ−)
アンデルセンの童話が原作。豚飼いに変装した王子が、プライドの高いお姫様に求婚するため近づくが・・・。
『迷子の人形』(ティールロヴァ−)
大風の中、公園におきざりにされた人形は、イヌのおもちゃやボールなどに助けられ、家に帰ろうとする。

<Cプロ(ファミリー編)>
『おじいさんの砂糖大根』(トルンカ)
畑に植えた砂糖大根はどんどん大きくなり、抜くために、家族や動物も総動員で力を合わす。
『クテャーセクとクティルカ』(トルンカ)
指人形のクテャーセクとクティルカの一日の始まりを描く。全て実写でピエロに扮した人間も登場。
『サボテンさん、ちょっと』(セコ)
窓辺に置かれたサボテン。部屋の主は、老人から女性へと変わり、更に変化が・・・。
『機関車くん』(ティールロヴァー)
大きい機関車さんに石炭を渡すだけの仕事が不満な小さな機関車くんは、ある日脱走する。
『毛糸のお話』(ティールロヴァ−)
白い子羊を連れた男の子が、照りつける太陽やライオンに行く手を阻まれながら、海に辿り着く。全て毛糸で書いた作品で、原題は「波状のお話」。
『十人十色』(ティールロヴァ−)
砂漠をロバを連れて歩く男と子ども。行き交う人々は、それぞれ違う忠告をし、男は忠告に従おうとするが・・・。
『結んだハンカチ』(ティールロヴァ−)

<Dプロ(アダルト編)>
『同士』(スークップ)
妻と話があわない男は、九官鳥を手に入れて、自分の話し相手にするが・・・。
『マシュキンはコシュキンを殺した』(クリムト)
突然家の中に入ってきたコシュキンに、マシュキンは出て行くよう懇願するが、コシュキンはロシア民謡を唄い踊り、出て行かない。
『贈り物』(トルンカ)
映画のシナリオを練る作家は、脚本の内容を語りだす。金持ちが、最愛の人に、贈り物を送ろうとする話なのだが・・・。
『マイスター・ハーヌシュ』(セコ)
カレル大学の数学者であるハーヌシュ教授が、旧市街広場の有名なからくり時計を作った時の伝説。
『ファウストの家』(セコ)
カレル広場に面したファウストの家の前で繰り広げられた、学問とお金の間で苦悩するある学生の物語。
『カラマイカ』(ティールロヴァ−)
怠け者で食いしん坊のマルティンは、みんなに責められるが、ちっとも気にしない。楽しい歌にのって木の人形をアニメーションにした作品。
『二つの毛糸玉』(ティールロヴァ−)
裁縫箱から飛び出した二つの毛糸玉は、ハサミや針山を使って遊び始める。
『青いエプロン』(ティールロヴァ−)
青いエプロンが風に乗り空を飛び、鳥と共に移動し、黒い煙を吐く物体を戦う。不思議なオブジェが魅力的な作品。
『知りたがりの手紙』(ティールロヴァ−)
ポストに入れられた手紙は、外の様子が気になり、飛び出してしまう。手紙は、無事にポストに配達されるのだろうか?

スタッフ

監督:ヘルミーナ・ティールロヴァー
   イジ−・トルンカ
   ガリク・セコ
   アウレル・クリムト
   マーリア・プロハ−スコヴァ−
   ダヴィット・スークップ

キャスト

LINK

□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す