原題:L' Imbalsamatore

2002年/イタリア/

2003年4月27日〜29日、5月3日〜5日まで有楽町・朝日ホールにて上映

公開初日 2003/04/27

公開終了日 2003/05/05

配給会社名 0364

解説


シネマスコープの大きなスクリーン画面にいかにも意味ありげな、トリッキーで過剰に凝った映像をふんだんに盛り込み、フランスのジャン=ジャック・ベネックスやレオス・カラックスにも通じるノワールな雰囲気で観る目を陶酔に誘うサスペンス・タッチの快作。現実に起きた事件をもとに、ダークな色彩とムーディな音楽にのせて現代の歪んだ心象風景を映し出すマッテオ・ガッローネは、アントニオ・カプアーノらとともに表現主義的ともいえる、イタリア映画の新しい方向性を示唆する作家だ。のっぽでしばし頭が画面に入りきらない若者と、ちびで目をぎらつかせた手先の器用な剥製師の男、そして物憂げなまなざしの若い女、彼らの行き着く先はどこなのか。ナポリから北イタリアのクレモナへ空の色が変化し、町の光が、湿度が変わってゆく。どことなくいかがわしい風景は映画の筋書きを時に無視するように進行してゆき、それだけでもシュールな映像世界を堪能させてくれる。

ストーリー

動物の剥製師であるペッピーノは動物園でヴァレリオと出会い、巧みな話術でヴァレリオの興味を引く。ペッピーノに誘われて、ヴァレリオは剥製製作を手伝いはじめる。二人は意気投合し、ヴァレリオが兄夫妻と喧嘩をして家を出た後、共に暮らし始める。マフィアに技術を買われたペッピーノば裏の仕事を依頼され、何も知らないヴァレリオをつれてクレモナにいく。そこでヴァレリオはデボラと恋に落ち、奇妙な3人暮らしが始まることに。ペッピーノは密かにヴァレリオを愛していたが、デボラの存在が二人の絆に亀裂を入れ、ペッピーノとデボラはヴァレリオを巡って敵対。ヴァレリオとデボラはペッピーノの元を去るが、彼は諦めなかった。ペッピーノは二人を追いかけ、デボラとの新生活を始めようとしていたヴァレリオを海外旅行に誘い出そうとする。デボラとペッピーノの板挟みになったヴァレリオは、ペッピーノを殺害し、死体を車に入れて河に沈めるが…。

スタッフ

監督・原案・脚本:マッテオ・ガッローネ
原案・脚本:ウーゴ・キーティ、マッシモ・ガウディオーゾ
撮影監督:マルコ・オノラート
編集:マルコ・スポレティーニ
美術:パオロ・ボンフィーニ
衣装:フランチェスカ・レオンデフ
録音:マリチェッタ・ロンバルド
音楽:バンダ・オシリス
製作指揮:ルイジ・ラグラスタ
製作:ドメニコ・プロカッチ
製作会社:ファンダンゴ

キャスト

エルネスト・マイウー(ペッピーノ)
ヴァレリオ・フォーリア・マンツィッロ(ヴァレリオ)
エリザペッタ・ロッケッティ(デボラ)
リーナ・ベルナルディ(デボラの母)
ピエトロ・ビオンディ(デボラの父)

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