恋愛寫眞 Collage of Our Life
2003年/日本/カラー/上映時間:1時間51分/オリジナル・サウンドトラック:BMGファンハウス 配給:松竹
2003年11月22日よりDVD発売開始 2003年11月22日よりビデオレンタル開始 2003年6月14日より全国松竹・東急系ロードショー
公開初日 2003/06/14
配給会社名 0003
解説
『ケイゾク』『トリック』「池袋ウエストゲートパーク」気鋭の映像作家・堤幸彦が描く、新感覚の恋愛映画。
見たことのないクールな映像、シニカルな現実の切り取り方、唖然とするギャグオチ……。『ケイゾク』『トリック』など、常に斬新な表現方法を取り入れ、観る者に強烈な刺激を与えつづける堤ワールド。今作では、お得意のめくるめく映像のコラージュは健在ながら、さらに、その中からキラリと光るピュアな初恋物語を生み出した。
昨年だけでも、人気ドラマの映画化『トリック−劇場版−』、青春映画『ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』、『Jam Films』(『HIJIKI』)と次々に話題作を撮りつづけ、今、最も注目を集めている堤監督だけに、単なるラブストーリーに収まるはずもない。今作は、東京とニューヨークを舞台に、一つの恋愛を通して,成長していく青年の姿を描いた物語。ラブストーリーを軸に、ミステリー、ハードボイルド、そして笑い…の味付けを施した要素満載の物語を、16mm、8mm、24pハイビジョン、ビデオ、スチール、ポラロイド、デジカメ・……といった多数の形式、アングルで切り取り、リズミカルなカット割で見せていく、まさに「映像のコラージュ」だ。誰も体験したことのある初恋の想いや、理想からの挫折感も、堤監督の映像マジックにかかると、新鮮なものとなる。
主演は、静流に『秘密』、『Jam Films』(『ARITA』)の広末涼子。誠人には『御法度』、『青い春』の松田龍平。てTVドラマ「愛なんていらねぇよ、夏」で堤作品に初出演した広末涼子が今回演じるのは、誠人にとって一生分の想い出を残す女性、静流。誠人の心を強く惹きつけ、届きそうで手が届かない、そのスレスレな存在感をのびやかに演じる。時に無邪気に、時に妖艶に。全身を黒い衣裳で包み、幻なのか、現実なのか謎めいた役どころをしとりと演じた意外な一面にも目が離せない。
一方、松田は、堤かんとくとははじめてのセッション。役者の意外な魅力を引き出す堤演出で、松田龍平の新たな面が生まれた。これまで、狂気を秘めた少年役がハマリ役だったが、今作では、不器用で、自分の中のくすぶった気持ちをもてあましている青年役をナチュラルに演じている。カメラマン役になりきるため、1月6日のクランクインから、常にカメラを手に持ち現場に臨んだ。ファインダーをのぞく目線の強さと、対象をとらえる繊細な感受性という両面を兼ね備えた彼の演技に、現場のテンションもグッとあがる。ほかに、TVやCM、グラビアで活躍中の小池栄子が物語りのキーを握るアヤ役で、作品を彩る。彼女は、堤作品『2LDK』にも主演し、まさにダイナマイト級の演技を見せている。また、堤流ディテールの細かいバイプレーヤー配置も健在。
時にはマイナス15度にもなる極寒のニューヨークでは、スタッフ、キャストはまるでスキー場のような重装備で撮影に臨んだ。撮影は、日本からのスタッフとニューヨークスタッフの見事なコンビネーションにより、2月初旬から約2週間、ノンストップで行われた。常に面白おかしく、かつ痛烈に社会を映し出してきた堤演出は、人種の坩堝、今トン極めるニューヨークという場所では、まさに水を得た魚だ。9.11以降、揺れる世界の象徴でもある、ニューヨーク。そこは、堤監督にとって、80年代をそこですごし、オノ・ヨ—コ主演映画『HOMELESS』を撮った思い出深き場所。今作は、9.11以降の世界情勢への思いを込めたものになる。現在、時代は激動の中にある、自分の生きる道を痛切に考えなくてはならない今、本作の主人公・誠人と、ヒロイン・静流の姿が、生きるヒントや癒しを与えてくれるだろう。
ストーリー
カメラマンの瀬川誠人(マコト)は、里中静流(シズル)と名乗っている。
……かつて、誠人には、静流という恋人がいた。
これは、誠人と静流の物語だ。
大学時代。
誠人は、静流と出会った。はじめて会った彼女は、全身真っ黒な服を着て、ミステリアスで、エキセントリックな女の子だった。誠人は彼女の自由奔放な行動になぜかどんどん巻き込まれていってしまう。学内では彼女は有名人で、悪い噂もたっていたが、誠人は静流に惹かれていく。
一方、静流も誠人に心を許すようになり、やがて2人は一緒に暮らし始めた。
静流は好んで「WONDER」という言葉を使った。ドキドキしたときの気持ち。彼女はいつも「WONDER」を探していた。
カメラマンを目指す誠人に影響を受けた静流は写真を始め、めきめき腕をあげていく。2人で応募した雑誌の新人賞を受賞したのも静流だった。いらだつ誠人に、静流は「一緒のものを見たかっただけ」と哀しい顔をして、去っていく。「プロのカメラマンになるまで待ってる」という言葉を残して。
それから、3年。
静流が死んだという噂が入ってきた。
動揺する誠人のもとに、当の本人・静流からの手紙が届く。
カメラマンとしての自立はしたものの、やはり理想と現実のギャップに悩んでいた誠人は、静流のことを忘れられなかった。手紙の消印はニューヨーク。ギャラリーで個展を開くので、ぜひ来て欲しいと書いてある。
静流は生きているのだろうか?
誠人は、ニューヨークに向かった。
真冬のニューヨーク、誠人は静流を探す。手がかりは、彼女が送ってきた写真に映っている風景だけだ。無謀な捜索を続ける誠人に、心強い味方が現れる。牧師のカシアスと、静流の友達でダンサーを目指しているアヤだ。彼らの手を借りて、誠人は静流れに近づいていく。
やがて誠人の前に立ちはだかったのは、思いもかけない真実だった。
静流は、今もどこかで生きているのだろうか?
そして、誠人と静流は、もう一度出会うことができるのだろうか……?
スタッフ
監督:堤幸彦
プロデューサー:植田博樹
田沢連二
原克子
市山竜次
脚本:緒川薫
音楽:見岳章
武内亨
フォトグラファー:斎藤清貴
VFX:原田大三郎
撮影:唐沢悟
照明:上妻敏厚
美術:佐々木尚
録音:田中靖志
編集:伊藤伸行
スチール:鈴木さおり
製作協力:オフィスクレッシェンド
製作:松竹、TBS
衛星劇場、小学館
カルチュア・パブリッシャーズ
主題歌:2000トンの雨(山下達郎)
キャスト
広末涼子
松田龍平
小池栄子
山崎樹範
西山繭子
高橋一生
原田 篤
Dominic Marcus
Norma Chu
Stephanie Wang
江藤漢斉
佐藤二朗
岡本 麗
大杉 漣
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