原題:Pauline en Paulette

2001年6月27日ベルギー初公開

2000年/フランス・ベルギー・イギリス/78分/スタンダード/DTS 後援:ベルギー観光局、ベルギー大使館/ 提供:日活、エレファント・ピクチャー、テレビ東京 配給:日活、エレファント・ピクチャー

2004年1月24日より新宿武蔵野館にてロードショー

公開初日 2004/01/24

配給会社名 0006/0244

解説


“こころに響く国”
ベルギーならではの、やさしい作品。

タンタンや、『ぼくの伯父さん』シリーズのジャック・タチ監督、そして、『八日目』を生み出したベルギーから、またも心に響く映画が誕生した。
ベルギーは、花・園芸には国レベルで力を入れており、ポーリーヌが訪れる2年に1階グラン・プラス(ブリュッセルにある世界でもっとも美しいと言われる広場)で開催されるこのフラワーカーペット祭りは、必見。

ポーリーヌの誕生

本策で長編デビューのデブローワー監督は32歳の新鋭。子供の頃、近所に住んでいた姉妹のことを思いだしたことが本作のアイデアとなった。そして、心にハンディキャップを負った人々の施設をいくつか訪問し、実際にボランティア活動を体験したデブローワー監督は、そこで接した彼らの生き生きとした姿が心から離れなかった。そこで、ひとりが知的障害を持つため、ふたりは一緒にいる。そのことで何が起こるのかを描こうと思い至った。

チャイコフスキー
“花のワルツ”にのせてガーデニング!

ポーリーヌ役のドラ・ファン・デル・フルーンは、『アントニア』での名演が忘れられないベルギーを代表する名女優。『小便小僧の恋物語』のアン・ペーテルセンは、大きな体で、繊細な演技が印象的。「二人は日常的な物語に感情の共鳴を吹き込んだ。」(ニューヨーク・ポスト)と絶賛されている。名曲“花のワルツ”の旋律に乗って、ポーリーヌが“じょうろ”で広大な庭で花の水やりをする幻想的なシーンは、永遠に記憶される名場面となるだろう。

ストーリー


ベルギー、「青い鳥」の作者メーテルリンクの故郷・ゲント近郊のロクリスティ。
 この小さな村で姉と暮らしている66歳の“少女”ポーリーヌ。彼女は知的障害を持ち、姉マルタの手厚い世話を受けながら暮らしていた。

 読み書きができず、靴の紐も結べないポーリーヌが愛しているのは、庭の花たちに水をやること、チョコレート・パン、地元でオペラ歌手として活躍する妹・ポーレットのお店。ポーレットの洋服屋には、ピンク、赤、オレンジと、明るい色が溢れてポーリーヌを幸せにする。そして何よりも大好きなのが妹・ポーレット。いつもピンクを纏い、華やかなポーレットは、ポーリーヌにとっては大好きな“お花”そのもので憧れの存在だ。
 そんなある日、マルタが突然倒れ、死んでしまう。マルタはポーレットともう一人の妹セシールに遺言を残していた。「ポーリーヌと同居し世話をするのであれば、遺産は3等分して相続できる」と。ポーリーヌを施設に預けるつもりだったポーレットは、しぶしぶ引き取ることにするが、ポーレットのことが大好きなポーリーヌは大喜び。

 しかし、ポーリーヌの天真爛漫な言動に振り回されるポーレットの苛立ちは募るばかり。そしてポーレットが何よりも大切にしているオペラの公演日。楽屋でポーレットの歌を聴いていたポーリーヌは、靴紐がほどけているのに気付き、ポーレットに結んでもらおうと舞台に出て行ってしまう。突然のポーリーヌの出現に観客たちは驚き、一瞬ののち場内は笑いに包まれる。舞台を台無しにされたポーレットをのぞいて…。

 この一件で、とうとうポーレットの怒りとガマンは限界を越え、ブリュッセルで恋人と暮らす末妹セシールに強引に預けてしまう。
 2年に一度、ベゴニアの花で広場が埋め尽くされる花の祭典〈フラワー・カーペット〉や美術館に連れて行ってくれ、大好きな曲「花のワルツ」を奏でるオルゴールを買ってくれる妹セシール。しかし、同棲中の恋人アルベールは二人の都会的な生活を乱され、不機嫌になってしまう。敏感にそれを察知したポーリーヌは、セシールに黙って家出し、ポーレットのもとに戻って行く。
 その頃、ポーレットはオペラ歌手を引退、店も処分し、かつてからの夢だった海辺のリゾート地での生活を手に入れようとしていた。突然のポーリーヌの帰宅に驚くポーレットは、遺産相続放棄手続きをして、ポーリーヌを施設に預けてしまう。

 念願の海辺の町オステンドでの一人暮しを始めるポーレット。きままな一人暮らし、美しい風景。でも、何かが足りない。思い出されるのはポーリーヌに振り回されながらも、楽しかった日々。そして、彼女の純粋な笑顔に癒されていたのは自分の方だったと気づき、ポーリーヌの笑顔にもう一度会うために、施設へと向かうのだった。

スタッフ

監督:リーフェン・デブローワー
共同脚本:リーフェン・デブローワー/ジャック・ブーン
プロデューサー:ドミニク・ヤンヌ
撮影:ミシェル・ファン・ラール、S.B.C.
衣裳:エルナ・シーベンス
美術:ヒルデ・ダイク
音楽:フレデリック・デフレーセ
オーケストラ:メトロポール・オーケストラ
『花のワルツ』
 作曲:チャイコフスキー
 ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラ
 指揮者:ユリ・シモノ
配給:日活、エレファント・ピクチャー

キャスト

ドラ・ファン・デル・フルーン
アン・ペーテルセン
ローズマリー・ベルグマンス
イドウィグ・ステファーヌ

LINK

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http://www.sonyclassics.com/paulineandpaulette/
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