原題:Prozac Nation

2003年3月14日全米初公開

2001年/アメリカ・ドイツ/カラー/99分/ 配給:アートポート

2004年01月23日よりDVDリリース 2004年01月23日よりビデオリリース 2003年9月13日よりシブヤ・シネマ・ソサエティほか順次全国ロードショー

公開初日 2003/09/13

配給会社名 0014

解説


音楽ライターとしてそのキャリアをスタートさせた作家エリザベス・ワーツェルのベストセラー自伝的小説に基づき、うつ病を持つ少女のスキャンダラスな生活を正面から描いた作品。知的で魅力的な少女が心に抱える不安や絶望感と立ち向かいながらも、ある種それを受け入れながら生きていく姿が、きらめきある映像で映し出される。

この幅広い感情表現が要求されるリジー役を見事演じきっているのは、『アダムス・ファミリー』で存在感をアピールし、『バッファロー’66』『耳に残るは君の歌声』などで大人の女優としてスクリーンに強い印象を残したクリスティーナ・リッチ。また彼女は、撮影の始まる一年半も前から本作のプロジェクトに関わっており、主演女優としてだけでなく共同制作者として脚本の書き直しや監督の選択にも参加している。いわばこれまでの出演作の中で、最も彼女の感性が凝縮されている作品といっても過言ではないだろう。

そしてヒステリックにまで娘を愛するリジーのは母親を演じるのは、『郵便配達夫は二度ベルを鳴らす』『トッツィー』など数々の名作に出演し賞賛を浴びるアカデミー賞女優ジェシカ・ラング。さらにミッシェル・ウィリアムスや、アン・へッシュ、ジェイソン・ビッグが脇を固め、好演を見せている。また、アンダーグラウンド界の伝説的ミュージシャンの存在も忘れてはならない。本作にワイルドな80年代のテイストを与え、ストーリーの中でも強烈なインパクトを放っているのがあのルー・リードなのである。

これほど豪華かつ個性的なキャストをまとめ上げたのは、1997年『不眠症 オリジナル版-インソムニア-』で映画監督デビューを飾り、カンヌなどで高い評価を得たエーリク・ショルビャルグ。ノルウェイのテレビ局でショートフィルムやドキュメンタリー、CMなども手がけてきた若き映像クリエーターである。

ちなみに原題は、『PROZAC NATION』で、プロザックとはアメリカの大手メーカーが1986年に開発した当時最新の抗うつ剤。現在でもその抗力と副作用の少なさが支持され、実に世界100カ国、4000万人が服用しているという。今やプロザックが抗うつ剤の代名詞となっているほどなのだ。

ストーリー


1986年、若くしてすぐにライターとしての才能を高く評価されているリジーはハーバード大学に通い始める。彼女は魅力的で才能にもあふれ、その未来は誰の目にも明るく開かれているように映っていた。しかし彼女がハーバード大学に持ち込んだ大きな荷物はタイプライターやスーツケースだけではなかった。母親の異常なまでの期待、ほどんど途絶えてしまている父親との微妙な関係、そして自分の身体を傷つけてしまうといった「うつ」の症状……。

それでも入学当初は全てがうまく行っているように見えた。ルームメイトのルビーと仲良くなり、ローリング・ストーンズ誌からは表彰され、パーティでは堅実にドラッグも男も覚えた。だがそんなある日、リジーの悪ノリから親友ルビーとの関係が壊れてしまう。また父親の突然の訪問が拍車をかけ、さらに不安定になっていく。いつしか彼女は「うつ」とドラッグに身を沈めることとなった。

仲間たちは精神科医のスターリングの元にリジーを連れて行くが、一向に回復に向かわない。母親が大学に呼び出された頃には、既にボロボロの状態で文章もろくに書けなくなっていた。リジーは精神科医や母親から逃げるように、テキサスに帰省中の恋人レーフに救いを求めるが、それさえも慰めにならない。感情のコントロールができず、周囲の人を傷つけ、自分自身も傷つける行動が続く。

その状況を見かねたスターリング医師は、新しい薬の処方を決意する。「プロザック」、アメリカの大手メーカーが開発した副作用の少ない抗うつ剤である。その効果は著しく、リジーは徐々に落ち着きを取り戻し生活が穏やかになっていく。薬によって作られた「プロザック・リジー」が本当の自分なのかを心配しながらも、とりあえず彼女はどん底の状態から這い上がる。やがてリジーは再び文章を書き始めた。

スタッフ

監督:エーリク・ショルビャルグ

キャスト

クリスティーナ・リッチ
ジェシカ・ラング
アン・ヘッシュ
ジェイソン・ビッグス
ジョナサン・リース・マイヤーズ
ミシェル・ウィリアムズ
ルー・リード

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