原題:El Crimen del padre Amaro

2002年8月16日メキシコ初公開

2002年/メキシコ/118分/カラー/ドルビーデジタル 配給:ソニー・ピクチャーズエンターティンメント

2004年02月25日よりDVDリリース 2003年10月11日より銀座テアトルシネマにてロードショー

(c)2002 ALAMEDA FILMS-WANDA VISION-BLU FILM S-FOPROCINE.ALL RIGHTS RESERVED.

公開初日 2003/10/11

配給会社名 0042

解説


『アマロ神父の罪』は、教会の規律を破って愛し合う若き神父と教区の少女の激しく切ない愛を描いた衝撃の問題作。2002年11月メキシコで公開されると、たらまちオープニング興行記録を樹立する大ヒットとなり、同年度のメキシコ・アカデミー賞(以下アリエル賞と表記)で作品賞を含む主要部門を独占。国外でも高い評価を受け、アカデミー外国語映画賞、ゴールデン・グローブ外国語映画賞など数々の映画賞にノミネートされている。1875年、ポルトガルの作家エッサ・デ・ケイロスが発表した小説を基に、舞台を現代のメキシコに移して描かれた本作は、そのセンセーショナルな内容からメキシコ、アメリカで上映禁止を求める抗議が起こるなど、社会問題にまで発展した。
主演は、『アモーレス・ぺロス』(01)で兄嫁をひたむきに愛し続ける青年役を演じ、強烈なスクリーンデビューを飾ったメキシコ期待の星、ガエル・ガルシア・ベルナル。『アモーレス・ペロス』、『天国の口、終りの楽園。』(02)で見せた躍動的な演技とはうってかわり、カトリックの僧衣をまとい、物静かで知的なムードのなかに情熱を秘めた神父役を見事に演じている。アマロ神父と許されない愛に陥ちていく少女、アメリアを演じるのは、テレビドラマを中心に活躍し映画デビュー作“El Cometa”でアリエル賞新人女優賞にノミネートされた新星アナ・クラウディア・タランコン。この映画の成功で、ハリウッド映画出演にも意欲をみせる22歳。アマロを教育する立場であるベニト神父役には、スペインの名優サンチョ・グラシア、アメリアの母には、ハリウッド映画でも活躍するアンヘリカ・アラゴンなど、ベテランたちが脇を固める。
監督は、長編デビュー作『ベンハミンの女』(90)で才能を高く評価されたカルロス・カレラ。1994年の『差出人のない手紙』では、ナント三大陸国際映画祭グランプリはじめアリエル賞、ラテンアメリカ映画祭などで数々の賞を受賞し、『アモーレス・ペロス』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督らとともに、次世代を担う期待の映画監督と期待されている。メキシコ映画界きっての辣腕プロデューサー、アルフレド・リプステインのもとに、映画、戯曲、小説と幅広く活躍するベテラン脚本家ビセンテ・レニェロらが集結し、世界にメキシコ映画の実力を示す珠玉の一本が完成した。

ストーリー


新人神父のアマロは、メキシコ、アルダマの小さな街ロス・レジェスの教会に派遣される。司教から有望株として大きな期待を寄せられている彼は、いずれローマへ修行に行くための見習いにと、教区の司祭ベニト神父のもとに送られてきたのだった。
町で小さなレストランを切り盛りするサンファネラの一人娘、16歳のアメリアは宗教心が厚く、積極的に教会の仕事にも参加していた。アメリアは、アマロ神父の凄然とした振る舞い、野心に燃える瞳の中に愛する神の姿を見出し、憧れの気持ちを膨らませていく。アマロの言葉、アマロの姿、全てが神々しく思えるのだった。アマロもまた、彼女の率直な愛の表現に戸惑いながらも、次第に惹かれていくのを感じていた。
ある日、思いつめたような表情で教会を訪れたアメリアは、告解室にはいるなり「性欲のことで悩んでいる」と告白する。つとめて平静を装いそれらしい答えで取り繕うアマロ…。
町に滞在してしばらく経つと、アマロは教会を中心にした様々な隠された事実を知ることになる。ベニト神父は、病院建設への寄付という名目で麻薬密売組織から金を受け取り、またアメリアの母サンファネラと長年の愛人関係にあった。別の教区のナタリオ神父は、貧しい農民を救う目的でゲリラを支援しているという噂…。そして、地元の新聞にそれらの事実を暴かれると、アマロは新聞社に圧力をかけ、記事のもみ消しと関係者の処分を要求するようにと、司祭に命じられるのだった。
なにもかもが、思い描いた理想の世界とは異なっていた。そして、抑えきれないアメリアヘの想い、熱い衝動…。ついに、ふたりは肉体関係を持ってしまう。アマロとふたりの幸せな生活を夢見るアメリアは「神父を辞めてほしい。結婚して一緒に暮らしたい」と告げるが、アマロは聖職者としての野心を捨てきれない。そしてロス・レジェスで知った教会の絶対的権力はあまりに大きく、抗えないものを感じていたアマロは、彼女の気持ちに応えることができない。そして運命は、更なる非情な枷をふたりの愛に与えようとしていた…。

スタッフ

監督:カルロス・カレラ
プロデューサー:アルフレド・リプステイン、ダニエル・ベルマン・リプステイン
プロデューサー補:ホセ・マリア・モラレス、アタウアルパ・リチー、スコット・エバンス、クラウディア・ベッカー
脚本:ビセント・レニェロ
原作:エッサ・デ・ケイロス
エグゼクティブ・プロデューサー:ラウラ・インペリアレ
撮影監督:ギジェルモ・グラニージョ
衣装:カルメン・ヒメネス・カチョ
編集:オスカル・フィゲロア
音楽:ロシノ・セラーノ

キャスト

アマロ:ガエル・ガルシア・ベルナル
ベニト神父:サンチョ・グラシア
アメリア:アナ・クラウディア・タランコン
サンファネラ:アンヘリカ・アラゴン
ディオニシア:ルイサ・ウェルタス
ナタリオ神父:ダミアン・アルカサル
司教:エルネスト・ゴメス・クルス
マウロ神父:ホルヘ・サラテ
ルベン:アンドレス・モンティエル
市長:ペドロ・アルメンダリス
ドン・パコ:ロレンソ・デ・ロダス

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