かわいくって、ちょっと奇妙(ストレンジ)で、 ときどきドキリとしたり、ジンワリきたり。

2003年/日本/合計66分/ 企画:スローラーナー+ヤマムラアニメーション+ユーロスペース 配給:スローラーナー+ヤマムラアニメーション

2003年12月13日より渋谷ユーロスペースにてアンコールロードショー 2003年4月5日より渋谷ユーロスペースにてロードショー

公開初日 2003/04/05

配給会社名 0048/0358

解説


第75回米国アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネート作品『頭山』を含むアニメーション作家、山村浩二作品を一挙上映!!

影が無数の魚にメタモルフォーゼ。日本語は「あ」から「ん」まで英語は「A」から「Z」までアニメーションでのしりとり遊び。博士は都会の中で探し物。バス停の忘れられた古い本を開くとページからバベルの塔が生えてくるし、雨の日のカロとピヨブプトのケンカは、どんどんイメージを膨らめる。小さな犬キップリングJr.の小さな冒険。それから、頭に生えて来た桜の樹のまわりで、お花見の宴会を開かれる男の話…。
かわいくて、ちょっと奇妙で、ときどきドキリとしたり、ジンワリきたり。国際映画祭での受賞歴も数知れず、ありとあらゆるテクニックを駆使する日本のアニメーションを代表するクリエーター山村浩二。NHKで放送された可愛くてシュールなクレイアニメーション「カロとピヨブプト」や「パクシ」のほか、中村一義のビデオクリップ「ジュビリー」や、着想から完成まで6年かかった傑作「頭山」まで、幅広いジャンルで活躍する山村浩二の世界を連続上映します。お楽しみに!

上映作品
「水棲」(5分)「バベルの本」(5分15秒)「おうち」(4分20秒)「キッズキャッスル」(5分)「遠近法の箱」(4分)「カロとピヨブプト-あめのひ」(4分20秒)「キップリングJr.」(15分)「カロとピヨブプト-サンドイッチ」(4分20秒)「どっちにする?」(10分)「頭山」(10分)

ストーリー

『水棲』(1987/5分/16mm)

ハイビジョン・アワード92 ハイビジョン推進協会会長賞受賞

小川のせせらぎ、流れるリンゴ、水に映った空の中、自分自身の影がメタモルフォーゼし、無数の魚の幻影が、現われ消える。透過光と粘土で描いたアニメーション。音楽は映像作家でもある黒沢潤。

製作・演出・アニメーション:山村浩ニ
音楽:黒沢潤

『遠近法の箱』(1990/4分/35mm)

ビル、カラス、溢れるバーコード、同じ姿のサラリーマン、買い物をする女性等、現代の都市を象徴するような画一化され、過剰で過密なイメージが、凝縮されているアニメーション。加工した写真、動画、立体物、透過光などの技法をマルチプレーンの線画台上でコラージェし、独特の一体感と圧縮感を持つ空間の表現に挑戦した作品。音楽は、作曲家、演奏家であり、戸川純、太田螢一とのバンド”ゲル議カ”のメンバーとしても知られる上野耕路。

製作・演出・アニメーション:山村浩ニ
撮影:秋吉信幸
音楽:上野耕路

『カロとピヨブプト—おうち』(1993/4分20秒/35mm)

ズーリン国際映画祭1994プラハ賞
シカゴ国際児童映画祭アニメーションフィルム 最優秀監督賞受賞

冬のある日、カロとピヨブプトが大きな木の前に降り立った。ふたりは、木の枝に家を作るため、材料や道具を集めに出かけた。ノコギリで木を切ったり、ペンキを塗ったりして、ふたりのおうちが完成した。

製作:NHK
演出・アニメーション:山村浩ニ
撮影:秋吉信幸
音楽:シジジーズ

カロ:須藤隆
ピヨブプト:冷水ひとみ

『カロとピヨブプト—サンドイッチ』(1993/4分20秒/35mm)

ズーリン国際映画祭1994プラハ賞
シカゴ国際児童映画祭アニメーションフィルム 最優秀監督賞受賞

カロとピヨブプトがサンドイッチを作る話。カロはパンにバターをつけ、ピヨブプトはそれを受け取って、具をはさむ。サンドイッチが出来上がってふたりはピク=ツクに出かけたが…。

製作:NHK
演出・アニメーション:山村浩ニ
撮影:秋吉信幸
音楽:シジジーズ

カロ:須藤隆
ピヨブプト:冷水ひとみ

『カロとピヨブプト—あめのひ』(1993/4分20秒/35mm)

第5回国際アニメーションフェスティバル広島大会子供向けの作品第2位
ズーリン国際映画祭1994 プラハ賞
シカゴ国際児童映画祭アニメーションフィルム最優秀監督賞受賞作品

カロが、雨の中を泳いでいるサカナを見たと、ピヨブプトに話すのですが、ピヨブプトは信じてくれない。カロは怒ってケンカのようになってしまいますが、しだいに、二人の言
葉のイメージがひろがって行って…。

製作:NHK
演出・アニメーション:山村浩ニ
撮影:秋吉信幸
音楽:シジジーズ

カロ:須藤隆
ピヨブプト:冷水ひとみ

『キップリングJr.』(1995/14分/35mm)

シカゴ国際児童映画祭、特別名誉受賞受賞
第12回テヘラン国際青少年映画祭、オタワ国際動画映画祭、
ハンガリー国際ビジュアルアートフェスティバルなど正式上映作品

主人公のキップ・キップリングとパパとママ、そしてロッグひきいる3人組の楽団が織り成す叙情豊かなアニメーション。人形を特殊な処理で動画にする新しい技法を使って、今までに見たことのなかったような画面空間が展開される。

製作:こどもの城、ヤマムラアニメーション
演出・アニメーション:山村浩ニ
撮影:秋吉信幸
音楽:シジジーズ

キップ・キップリング:野口良子
アンナ・キップリング:冷水ひとみ
ヨハン・キップリング:山村浩二
ロツグ、ポー:小嵩キリコ
レストランボーイ:須藤隆

『キッズキャッスル』(1995/5分/35mm)

第12回テヘラン国際膏少年映画祭、レリダ国際動画映画祭シネマジッタ96、
第3回スース国際青少年映画祭、トロント短編映画祭、
ソウルアニメーションエキスポ’97シアニマ’97国際アニメーションフェスティバル正式上映作品

ここは子どもの城。ひとりの男の子とオモチャたちがいっしょに遊ぶイマジネーションの世界。小さなこども部屋の中は、つぎつぎと形や様子を変えていきます。ボイス・パフォーマンスによる楽しい音声も見どころ。

製作:こどもの城、ヤマムラアニメーション
演出・アニメーション:山村浩ニ
撮影:秋吉信幸
音楽・声:須藤隆

『バベルの本』(1996/5分/VTR,16mm)

シカゴ国際児童映画祭大人の審査員が選ぶアニメーション第1位
ソウルアニメーションエキスポ’97 TVアニメーション部門第1位
アヌシー97パノラマ入賞

バスに乗り遅れた兄妹が、バス停のベンチに置き忘れられた古い本を手に取る。ページを開くと突風が起こり、地響きと共にページからバベルの塔が生えてくる。塔の中は、広大な図書館。中の老人がページを捲る度、文字が幻獣に変化して…。幻想文学者J.L.ボルヘスの「幻獣辞典」からインスパイヤされた作品。

製作:こどもの城、ヤマムラアニメーション
演出・アニメーション:山村浩ニ
音楽:シジジーズ

兄:並木嵩晃
妹:牧野由依

『どっちにする?』(1999/10分/VTR,35mm/DolbySR)

オタワ国際アニメーション映画祭 Children’s film 最優秀賞
ラピュタ・アニメーション・フェスティバルVo1.1 2000-ノルシュティン大賞
シカゴ国際児童映画祭大人の審査員が選ぶ短編アニメーション第1位
第10回シュトゥッガルト国際アニメーション映画祭 Children’s animation film特別賞
第4回ソウル国際家族映画祭審査員特別賞受賞

出歯で髪の毛ボサボサのワニのラウル。床屋に行くか、歯医者に行くか、それともどっちも行かないか。傘をもっていくか、行かないか悩むアルマジロのマジーロ。“どっちにする?”か判断を迫られる出来ごとの数々。子どもの自主性、判断力、決断力をテーマに、‘ジュニア・ディレクターズ’とワークショップを重ねながら、子ども達のアイデアを取り入れて完成させたアニメーション。

製作:ヤマムラアニメーション
製作協力:電通
プロデューサー:澤茂樹
演出:山村浩ニ、ジュニアディレクターズ
アニメーション、美術:山村浩二
音楽:須藤隆
音響:キタザトレイジ、笠松広司

『頭山』(2002年/10分/35mm/Dolbyデジタル)

第75回米国アカデミー賞 短編アニメーション部門ノミネート
平成14年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門・優秀賞
オランダ・アニメーション映画祭審査員特別賞受賞

オタワ国際アニメーションフェスティバル02、コート・イモラ国際短編映画祭
プチョン国際学生アニメーションフェスティバル、
ロッテルダム国際映画祭など正式上映作品

ケチな男がサクランボの種を食べたために、頭に桜が生えて、トラブルに巻き込まれる。落語「あたま山」を現代、東京に舞台を移し、アニメーションで新解釈を試みた作品。構想から6年を経て作られた本作は、オランダ国際アニメーション映画祭・審査員特別賞(Guilty Pleasures from Konstantin Bronzit)を受賞。米国アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされました。同部門のノミネートとしては日本人監督として初めてのノミネートという快挙となった。

製作:ヤマムラアニメーション
語り、三味線:国本武春
演出・アニメーション・美術・編集:山村浩ニ
脚本:米村正二
音楽:国本武春、シジジーズ
サウンドデザイン:笠松広司

スタッフ

監督:山村浩二

キャスト

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