1992年/日本/56分/ 配給:スローラーナー

2003年8月9日より8月15日まで渋谷ユーロスペースにてレイトショー

公開初日 2003/08/09

公開終了日 2003/08/15

配給会社名 0048

解説

監督が弘前高校同窓会のために撮り下ろした作品である。自伝的要素が強いとされる『けんかえれじい』のようにおおらかなユーモア、青春期特有のリリシズムがあり、若者たちを懐かしむように歩き回る学生服姿の老人(玉川伊佐男)は、まつで青春時代を慈しむ幽霊のようでもある。監督自身が、同窓生からのエピソードを集め構成したこの作品には、恋愛があり、怪談があり、様々な清順作品のエッセンスが詰まっている。「人間は、恋と革命のために生まれてくる」という青井の台詞は、清順作品の核心を現している。

ストーリー

昔、津軽に弘前高等学校があった。そこには、社会主義運動に傾斜していく学生たちの栄光と挫折があり、学生達は、街の若者と娘たちを奪い合い、喧嘩し、芸者の娘と恋をし、林檎を無断で失敬して、門付の三味線弾きと一緒に寝た小屋で床下から伸び上がってくる幽霊を見る。武勇伝や失敗談。香具師のようにそれを語る学生服の老人は、彼らの周囲を歩き回る。時代は、第二次世界大戦に突入し、この学校からも多くの学生が学徒動員によって死んだ。戦争が終わり、李という朝鮮人学生は、北瞑寮をでて下宿を探しても、どこも朝鮮人だとしてうけいれてくれない。ひとりの友人が、李の寄宿先を求めて、質屋のおばさんを説得するのだった。何ヶ月か過ぎ、李は故国へ帰ることを決意する。小雪降る浜辺。見送りにきた友人とおばさん。李は「カムサハムニダ」といって浜を歩み去っていく・・・。

スタッフ

監督:鈴木清順
製作:旧官立弘前高等学校同窓会

キャスト

松下一矢
伊達永臣
KIM WEOMBAE
菊池陽子
玉川伊佐男
野川由美子

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