原題:My Grandpa

2003年/日本/カラー/ 配給:東映

2003年09月12日よりビデオレンタル開始 2003年09月21日よりDVDリリース 2003年4月5日より全国東映系にてロードショー公開

公開初日 2003/04/05

公開終了日 2003/04/25

配給会社名 0004

解説


13年ぶりに会ったおじいちゃん=グランパは、ムショがえりたった!
 主人公の五代珠子(13)は、優しい両観とおばあちゃんの4人家族で平凡な生活を送っている中学1年生。ある日、13年間刑務所に入っていたおじいちゃんの五代謙三(68)が帰って来たところがら物語は始まる。
 はじめこそ、時代錯誤的なグランパの振る舞いに戸惑っていた珠子だったが、学校でのいじめ問題の解決にひと肌脱いだり、街のみんなから愛されているグランパの、現代の日本人が忘れ
てしまったまっすぐな生き方に、しだいに心を通わせていく。
そんなある日、街を牛耳っているヤクザの親分からグランパが呼び出しを受けるが……。

 原作は、1999年度第51回読売文学賞小説賞を受賞した筒井康隆の同名小説。主演のグランパには、いままで220本以上の映画出演を誇り、最近では『千と千尋の神隠し』の“釜爺”役で多くの世代に親しまれた菅原文太。孫娘と心を通わせる役でありながら、「鉄拳」以来12年ぶりというアクションシーンにも挑んでいる。
 孫娘・珠子には、本映画のヒロイン募集を目的に行われた第27回ホリプロ・タレントスカウトキャラバンピュアガール2002のグランプリ受賞 石原さとみ。菅原文太をはじめ両親を演じる平田満、宮崎美子らとの中で堂々とした演技を見せている。
 共演に、映画、CF、雑誌など様々な分野で精力的に活躍し続ける浅野忠信。13年前の事件を知るグランパの友人の息子であるバーテンダーの役で出演、映画にさらなる魅力を与えている。
また、波乃久里子、伊武雅刀という演技力には定評のある俳優陣を迎えている。
 監督は東陽一「サード」「もう頬づえはつかない」などデビュー時から「橋のない川」「絵の中のぼくの村」
(第46回ベルリン国際映画祭銀熊賞)など近作まで話題、評価ともに高い作品を送り続けている実力派。今回も現代の寓話に挑んでいる。
 栃木県足利市内を中心にロケーションが行われており、日常の生活の中に自然の風景を取り入れた美しい画作りが行われている。

ストーリー


すべては父の日記にある「囹圄(れいぎょ)の人」という言葉からはじまった。
“囹圄”−−ひとや。罪人を入れておく場所。牢獄−−わたしのグランパが
刑務所から帰ってくる。

 五代家の一人娘・珠子(たまこ)は中学1年生、正義感が災いして学校では不良グループから目を付けられている。南米に行っていたと聞かされていた祖父は、実は人を殺して刑務所に入っていたのだ。

 だが、帰ってきた謙三=グランパは、不良グループからいじめにあっている珠子を助け商店街の人からに、まるで旅から帰ってきたように慕われていた。
けげんな様子の両親を横目に珠子は次第にグランパに心を開いてゆく。
 そんなある日、家の前でヤクザが謙三を待ち構えていた。13年前バブルと呼ばれていた時代、無二の親友を殺された仕返しに、謙三は町の地上げをやっていた暴力団に単身乗り込み、そこで組員二人を殺して逮捕されていたのだった。その時の恨みをまだ忘れていないらしい。殺された親友、源吉の息子・慎一の店「じゃすみん」に謙三は夜毎通っていた。この店にも疋田組にみかじめ料を支払うようにやって来ていた。

 正月、謙三はこっそりと珠子と計画をたてる。
 恒例の家族旅行を今年は珠子の両親二人きりで行かせること、そして謙三と珠子はホテルで行われるカウントダウンパーティーに出席すること。ドレスを着て、ほんの少し大人っぽくなった珠子、パーティーでも謙三はあちこちから声がかかる。
この町の誰もが謙三を愛しているのだ。
請われて「Hush a Bye」を歌う謙三、そしてカウントダウンの大合唱が始まる・・・。謙三が戻って来てから、両親が、学校が、この町が、そして珠子が少しずつ変わろうとしていた。

 ある日珠子が学校から帰ってくると、珠子の部屋の天井裏から謙三が顔を
出す。びっくりする珠子を手招きする謙三。天井裏に大きなトランクケースがあり、その中には札束がぎっしりと詰まっていた。それは13年前ヤクザから奪った金だった。「これはお前さんにあげる金だよ、全部」「そんなこと言われても」「昔バブルの時代ってのがあってね、暴力団に会社をつぶされた。」珠子は以前グランマから聞いていた話を思い出した、「その上、親友まで殺されてしまった…あの人がそのままおとなしくしてる訳がないから、殴りこんだんだ、たった一人で。」
 結局ヤクザが二人死んだ。正義感から出たこととにいえ謙三は、そのまま
刑務所にはいることになった。

 そして、親友の町子との帰り道、珠子は白いベンツにさらわれてしまう、
やったのはもちろん疋田組だ。山の中の廃屋に連れて込まれる珠子と町子。
疋田は町子に謙三を探し出し、“例の
金”を持ってくるように伝えろと命じる−−−。
 珠子の日常に突如入り込んだグランパ。書を愛し、義にかられ、人々が愛してやまないグランパ。しかし、このあと珠子との意外な別れが…。

スタッフ

原作:筒井康隆
(「文藝春秋」刊・「わたしのグランパ』より)
監督・脚本:東陽一
製作総指揮:小田信吾、早河洋
企画・製作:木村純一、堀義貴、山上徹二郎、黒澤満
プロデューサー:山上徹二郎、石井徹、菅井敦
アソシエイトプロデューサー:岩本太郎、大健裕介
撮影:小林達比古
照明:中須岳士
美術:菊地章雄
録音:久保田幸雄
編集:青山昌文
助監督:藤江義正
ラインプロデューサー:渡辺栄二
製作担当:森崎裕司
製作:『わたしのグランパ』製作委員会
テレビ朝日(株)、ホリプロ(株)、シグロ、東映ビデオ(株)

キャスト

菅原文太
石原さとみ
浅野忠信
平田満
宮崎美子
波乃久里子
伊武雅刀

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