原題:Au plus près du paradis

不朽の名作『めぐり逢い』をモチーフにした大人のラブストーリー!

2002年11月20日フランス初公開

2002年/フランス/カラー/シネマスコープ/ドルビーSRD/100分/日本語字幕:古田由紀子 提供:ハピネット・ピクチャ−ズ/配給協力:アニープラネット 配給:ギャガ・コミュニケーションズ、メディアボックス

2003年3月8日(土)より銀座シネ・ラ・セットにてロードショー

公開初日 2003/03/08

配給会社名 0025/0099

解説



 再会を約束したまますれ違ってしまった恋人たちが、奇跡的に結ばれる感動の名作『めぐり逢い』。今なお愛され続けるこの不滅の恋愛映画をモチーフにして、現代のパリそしてニューヨークを舞台に、大人の恋をしっとりと描いたラヴストーリーが、『逢いたくて』である。
 主人公のファネットはパリの出版社で働く美貌のキャリア・ウーマン。彼女は心の中に忘れられない男の面影をずっと抱きながら、『めぐり逢い』を見ては儚い想いを重ねて涙をこぼす。そんな彼女は自らの幸せ探しをするためにニューヨークへと旅立つが、そこで出会ったのが魅力的な男性マット。彼は大胆な言動で彼女の心を激しく掻き乱す。忘れられない男性と新しい恋の予感の間で揺れ動くファネット。果たして彼女の決断は?

 近年、『恋ごころ』『ムッシュ・カステラの恋』など、大人のロマンスを描くフランス映画の佳作が多いが、主人公たちは皆、幾度も恋愛を経験して来たはずなのに、どこか不器用でコミカル、そして年を重ねた分だけほろ苦さをにじませている。『逢いたくて』に登場するのも、昔の恋人に狂おしいほど胸ときめかせながら、目の前に現れた現実の恋との間で揺れる女性。そんなせつない恋愛模様を見守るうちに、誰の心にもきっと恋の思い出がよみがえってくるはず。

 主人公ファネットを演じるのは、『8人の女たち』の鮮やかな存在感が記憶に新しい、名優カトリーヌ・ドヌーヴ。ファネットに想いを寄せ、彼女の頑なな殻を破ろうとするカメラマン、マットには演技派のウィリアム・ハート。その他のキャストにはフランス映画界の個性派俳優が並んでいるが、舞台演出の奇才であり、映画監督としても数々の賞に輝くパトリス・シェローがファネットの兄役で登場するのも注目だ。 監督は、小粋なラヴストーリー、『エステサロン/ヴィーナス・ビューティ』で、作品賞・監督賞などセザール賞4部門を獲得したトニー・マーシャル。共同脚本にはパトリス・シェロー監督作の『インティマシ−/親密』でも脚本を担当したアンヌ・ルイーズ・トリヴィディック。
 撮影は、ヴィム・ヴェンダースの撮影助手からクレ−ル・ドゥニ作品の撮影監督として『パリ、18区、夜。』『ネネットとボニ』『ガーゴイル』など全作を担当しているアニエス・ゴダール。
 ドヌーヴの衣装は、エキセントリックなモードを得意とするデザイナーのジャン=ポール・ゴルチエが担当し、『キカ』『ロスト・チルドレン』『フィフス・エレメント』といったこれまでの作品とは対照的に、ヴィヴィッドな色彩でときめく恋心を表現し、ドヌーヴのエレガントさを際立たせている。

ストーリー



ファネットはパリの出版社で美術書の編集を担当するキャリア・ウーマン。25才の娘リュシーがいるが、彼女は“恋人”と同棲し始め、ファネットは一人暮らしになった。これまで多くの恋人たちがいたものの、今では彼女を診察する医者の恋人にもつれない。そして暇を見つけては、映画館で『めぐり逢い』を観るのが彼女の日課になっている。というのも、彼女の心の中にはどうしても忘れられない男性がいるからだ。自分の儚い夢を、スクリーンのケーリー・グラントとデボラ・カーが再会するシーンに重ねては涙するファネット。
 ある日ファネットは、偶然出逢った学生時代の友人ベルナールから、忘れられない“フィリップ”の名を耳にする。それからというもの彼女は、街のあちらこちらでフィリップの姿を見かけたような気がし始める。現実と夢を彷徨うようになっていくファネット。しかし、実際に姿を現わすのは、なぜかいつもベルナールだ。彼は昔からファネットに恋焦がれていて、偶然の再会が彼の心に火をつけてしまったようだ。

 一方、彼女は、降りしきる雨の中に残されたフィリップからの手紙を発見する。後を追いかけるが、そこにもう彼の姿はない。
[エンパイアステートビルの上で会おう フィリップ]
と書かれた手紙の文字は、雨でたちまち滲んで消えてしまった。

 偶然にもファネットは、手がけていた美術書に必要な絵画の写真をアメリカで撮影することになる。はやる心でニューヨークに向かった彼女を待ち受けていたのは、マットという魅力的な男性カメラマンだった。手違いで撮影する絵がボストンにあることがわかり、二人は旅に出ることに。ファネットに興味を抱いた彼は、大胆な行動で彼女の心を掻き乱す。そして彼女もまた少しずつマットに惹かれ始めていくのだが、ついに、フィリップの手紙に書かれた運命の日がやって来て、ファネットは約束のエンパイアステートビルに向かおうとすると……。                   

スタッフ

監督:トニー・マーシャル
脚本・台詞:トニー・マーシャル、アンヌ・ルイーズ・トリヴィディック
原案:トニー・マーシャル
撮影:アニエス・ゴダール
録音:ジャン=ジャック・フェラン、ベアトリス・ウィック、ジャン=ピエール・ラフォルス
美術:ピエール=フランソワ・ランボシュ、ジネット・ロビタイユ
衣装:フリケット・テヴネ、マリエル・ロボー、ジネット・マニ
カトリーヌ・ドヌーヴの衣装はジャン=ポール・ゴルチエによるオリジナル
編集:ジャック・コメッツ
オリジナル音楽:フランソワ・ドンピエール
演奏:アンジェール・デュボー&ラ・ピエタ
歌《Teu mi delirio》:エティエンヌ・ダホ
製作:ピラミッド・プロダクション/マイア・フィルムズ/タボ・タボ・フィルムズ
ファビエンヌ・ヴォニエ/ジル・サンドス/オリヴィエ・ボムセル
共同製作(カナダ):シネマジネール/ドゥニーズ・ロベール&ダニエル・ルイ
共同製作(スペイン):ローラフィルムズ SA/アンドレス・ヴィセンテ・ゴメス
共同製作:フランス2シネマ/アヴァス・イマージュ/ジマージュ・デヴェロップメント
製作協力:ジマージュ5
協力:キャナル・プリュス、国立映画センター
協賛:ユーリマージュ
製作総指揮:タボ・タボ・フィルムズ/アラン・ペイロラス

オリジナルサントラ:ヴァージンレコード
追加音楽監修:
ジャン=マルク・バコウチ&エリック・ミション(BMG)、
タボ・タボ・フィルムズ&BMG音楽出版(フランス)

キャスト

カトリーヌ・ドヌーヴ
ウィリアム・ハート
ベルナール・ル・コック
エレーヌ・フィリエール
パトリス・シェロー
ナタリー・リシャール
ジルベール・メルキ
エマニュエル・ドゥヴォス
ノエミ・ゴダン・ヴィニョー
ポーリナ・ポリスコワ
フランソワ・アルナル

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