原題:Anak

遠くに離れていても、 子どもへの愛はかわらない。

アジアフォーカス福岡映画祭2001出品作品 2001東京国際女性映画祭招待作品

2000年/フィリピン映画/タガログ語/カラー/ドルビー/120分/35mm/6巻/ビスタ(1.66) 配給:オフィスサンマルサン、ツイン

2003年4月12日より新宿武蔵野館2,3,4にてロードショー公開

公開初日 2003/04/12

配給会社名 0243/0251

解説



歳月が引き裂いた母と子の絆を、再びつなぐことはできるのか。
映画大国フィリピンで大ヒットを記録し、すべての興行記録を塗り替えた「国民映画」。

フィリピンのフォーク歌手フレディ・アギラーの「ANAK(アナック)」は70年代末に世界的なヒットとなり、日本でも加藤登紀子と杉田二郎がカバー、今も彼らの代表曲に名を連ねている。

子どもを得た喜びと、期待に反する道を選んだ子どもへの哀しみを切々と歌う、このフィリピンが誇る名曲を映画化するというプロジェクトが、20年を経て立ち上がった。  そして完成したこの『母と娘』(原題:ANAK)は、あらゆる記録を塗り替えるフィリピン映画史上最大のメガ・ヒットを記録し、まさに「国民映画」となったのだ。  家族のためにその身を犠牲にしてきた母が、反抗する娘に真正面から向き合い、家族の絆を再生する姿に、人々は涙と喝采を贈った。人間の真の強さと母親の愛の尊さを描いたこの映画は、フレディ・アギラーの「ANAK」同様、広く人々の心を打ち続けることだろう。

香港で家政婦として働くジョシーは6年ぶりに子どもたちと再会する。子どもにとっての母という存在の大きさにジョシーはあらためて気付かされていく。「父親が外国で稼いで、家族に衣食住を与え、子どもを学校にやると、みんなが言うわ。なんていい父親だと。でも母親は、すべてを家族に捧げても、離れて暮らすかぎり、いい母親と言われない」。母と娘の葛藤が、やがて真の理解へと結実する瞬間。すべての働く母に捧げたい感動のメロドラマの登場です。

主演のヴィルマ・サントスは、70年代末からトップ女優の座につき、あらゆる演技賞を手中にしてきたフィリピンを代表する大女優(1953年生)。現在はマニラ近郊のリポ市の市長であり、上院議員を夫に持つ。

監督のロリー・B・キントスは本作が7本目の映画。この映画は、実際に子どもをフィリピンに残して働く多くの海外労働者にリサーチし、実話で構成したという。テレビ出身で、現在も連続ドラマの演出を継続中である。多くの女性監督が第一線で活躍中のフィリピン映画界で、若手のトップランナーと目される存在である。

なお、フィリピン映画の本格的日本公開は、『ホセ・リサール』(マリルー・ディアス=アバヤ監督)に次いで2作目となる。

ストーリー


 香港で住み込みの家政婦として働いていたジョシーは、6年間の契約を終え、仲間のリンとともに、マニラに帰ってきた。すでに帰国しているメルシーと三人で、蓄えた資金で新しい事業をおこす計画なのだ。
 長年、海外契約労働者として働いてきたジョシーは、異国での暮らしはもう終わりにしたいと考えていた。何といってもマニラには家族がいた。高校生の長女カーラを筆頭に、奨学金を得て私立高校に通う自慢の息子マイケル、そして乳飲み子のまま家に残してきた末娘のダダイも7才になっている。しかし夫はすでに数年前に亡くなっていた。子どもたちの面倒は妹が見てくれているが、夫の葬儀にも帰国できなかった彼女が、子どもたちと会うのはこれが6年ぶりなのだった。

優しい性格のマイケルや幼いダダイとは異なり、長女のカーラは家族を置き去りにして異国で働いていた母を憎んでいた。 夫ルディの墓に参る一家。「泣きたくても涙は枯れ果てた。ずるい人ね。家族そろって暮らすのが夢だった」ジョシーは心の中で亡き夫に話しかける。カーラは、墓を前にして涙ひとつ流さない母を非難の目で見つめる。 最初に出稼ぎに行ったのは夫ルディだったが、寂しさのあまりすぐに台湾から帰って来たのだ。それ以来、ジョシーが一家の稼ぎ手として、何回も単身香港で働いてきた。子どもの父親の思い出を汚したくはないのだが、「あの地獄の苦しみ」が何だったのかと自問するジョシー。彼女が事故死した夫の葬儀に帰れなかったのには理由があった…。

マニラで家族と暮らしながら友人たちと事業をはじめようとしていたが、結局断念せざる得なくなってしまう。そのうえ、マイケルは成績不良で奨学金を取り消され授業料を滞納していたと告白し妊娠したカーラは不実な男に愛想を尽かし、酒浸りになって町をさまよう・・・。幼いダダイは心から母を慕うようになったが、ジョシーはもはやこれまでと悟る。一家を支えるには、また香港で働かざるを得ないと。

カーラは旅支度をするジョシーに向かい「家政婦がいなくなる」と嘲弄する。ついに家族のために、一人異国で働いてきた自分の人生のすべてを、カーラにぶつけていくジョシー…。「私を母親と思えないのなら、せめて人として思いやって。それだけよ」

カーラの心の中の何かが動き、ようやく彼女は今のみじめな自分に気がつく。 ジョシーを見送りに来たマイケル、ダダイ、ブライアンそしてカーラ。別れ際にカーラが「お母さん」と呼びかける。一瞬、カーラを見つめるが黙って去っていくジョシー。 

日曜日の香港。香港島へのフェリーの船上、カーラからの手紙を読むジョシー。学校に戻り、母を讚える論文を書いているという文面に微笑み、手紙を抱きしめるジョシー。 香港島には、休日を同胞と過ごす大勢のフィリピン人たちが集っている。

スタッフ

監督:ロリー・B・キントス
脚本:リッキー・リー、レイモンド・リー
撮影:ジョー・バタック
音楽:ジェシー・ラサテン
録音:ラモン・レイエス
編集:ジョージ・ジャーレゴ
美術:ヌエル・ナヴァル
製作:スター・シネマ・プロダクション
主題歌:シャロン・クネータ
主題歌作詞作曲:フレディ・アギラー
配給:オフィスサンマルサン、ツイン
共同提供:キネマ旬報社

キャスト

ジョシー:ヴィルマ・サントス
カーラ:クラウディン・バレット
マイケル:バロン・ゲイスラー
ダダイ:シェイラ・モー・アルヴェロ
ルディ:ジョエル・トーレ
リン:エイミー・オーストリア
メルシー:チェリー・パイ・ピカチェ
ブライアン:レアンドロ・ムエオス

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