原題:Derailed

2002年/アメリカ・ドイツ/カラー/89分/ 配給:メディアボックス=ギャガ・コミュニケーションズ

2003年06月20日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年06月20日よりDVDリリース 2003年2月15日よりシネマメディアージュ・新宿東映パラス3・キネカ大森ほかロードショー公開

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公開初日 2003/02/15

配給会社名 0099/0025

解説


 世界中の映画ファンを虜にするアクション・スターとして、不動の地位を保ち続けるジャン=クロード・ヴァン・ダム。その最新作『ディレイルド』がいよいよ日本上陸する。今回の彼の役柄は、セクシーな国際的女泥棒を護送するため列車に乗り込んだNATO工作員ジャック・クリストフ。しかし、彼女が盗み出したものは史上最悪の生物兵器<SP43>であり、それを奪取しようとするテロリスト集団によって列車は乗っ取られ、やがて細菌が列車内に漏洩し、しかも列車は暴走を始めてしまうのだ!
 そう、今回のヴァン・ダム映画は、単なるハード・アクションの連べ打ちだけではない。ムンとしたエロティシズム濃厚な女泥棒の暗躍や、『カサンドラ・クロス』さながらの細菌列車パニックものの要素、さらには主人公とその家族をめぐる深い愛情の絆などが見事に融合した作品として、見事に成立しているのだ。まさに暴走する列車さながらに、アクションもパニックも感動も、そしてセクシー・フェロモンまでもがノン・ストップで走り抜けていく究極のエンタテインメント大作。これぞヴァン・ダム映画がついに成し遂げた至宝の傑作として、観る者全ての心を響かせること間違いなしであろう。

『シャークアタック』『沈黙のテロリスト』など、幅広いジャンルの映画製作で娯楽映画ファンの信頼も厚いヌー・イメージ社製作の下、『グローイング・アップ』シリーズの監督などで知られるボアズ・デヴィッドソンがプロデュース。そして監督は『処刑ドクター』『シャークアタック』など、そのアクション&サスペンス描写に定評があり、また『トゥームストーン』などのプロデューサーとしても活躍しているボブ・ミショロウスキー。今回は彼にとって、これまでで最大規模の大作ともなり、至るところに意欲が窺える力のこもった演出を披露してくれている。撮影監督のロス・クラークソンは、列車のレールでスタントマンの乗ったゴーカートに轢かれるという大事故をものともせず、自身のステディカムと携帯用キャメラを持ちながら全ての撮影をやり遂げるというプロ根性を見せつけた。主演のヴァン・ダムも、アクション・シーンの最中に手を骨折するというアクシデントに見舞われながらも、その日の撮影を続行し、X線治療に1日充てただけで現場に復帰し、再び危険極まるアクション・シーンを次々とこなしていった。まさにプロフェッショナルたちが己の誇りと意地をかけて、映画製作に取り組んだのである。

 ヴァン・ダムの他、キャストも実力派が一挙に集結している。まず、その悩ましくも麗しきフェロモンで観客のハートすら盗んでしまいかねない女泥棒ガリーナ・コンスタニンに、デヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』で注目されたローラ・エレナ・ハリング。テロリスト集団のボス、メイソン・コールに『グラディエーター』のクィントス役で知られる名優トーマス・アラーナ。主人公の妻マデリーンにTVを中心に活躍するスーザン・ギブニー。主人公の娘ベイリーには『ロード・キラー』の若手スター、ジェシカ・ボウマン。また『ボルケーノ』のジョン・ビショップとデイトン・キャリー、バーナード・ヴァン・ビルダービークなど芸達者たちにまじり、ヴァン・ダムの実子クリストファー・ヴァン・ヴァレンバーグが主人公の息子イーサン役で、ヴァン・ダム監督&主演作『クエスト』に続いて出演し、より成長した姿を画面いっぱいに見せてくれているのも、ヴァン・ダム映画のファンにはたまらないところだろう。

 国際スパイとしての勇姿、色香漂うセクシー泥棒、車にヘリコプター、バイクなどを駆使してのセンセーショナルなハード・アクション、そして『バイオハザード』もかくやの細菌兵器の恐怖など、ありとあらゆる娯楽要素を列車に乗せて、ノンストップで疾走するエンタテインメント大作『ディレイルド』。その乗客は、観客でもあるあなた自身である!

 

ストーリー



 東ヨーロッパ、スロバキアの厳戒態勢が敷かれた研究所に、美しくセクシーな国際的女強盗ガリーナ・コンスタニンが侵入し、小型ケースを盗んでいった。ちょうど家族でヨーロッパ旅行中だったNATO工作員ジャック・クリストフは、上司ラースの命令で彼女から極右政党の情報を入手するという名目で、ミュンヘンまで列車護送の任につくことになる。ジャックの本当の職業を知らされていない家族の不満を気にしつつ任務に赴き、ガリーナを保護した彼だったが、その後スロバキアの軍隊まで巻き込んでの執拗な追跡をかわし、何とかミュンヘン行きの列車に乗り込むに至り、この任務がラースの言うように楽なものではないことを痛感するのだった。
 ジャックの試練はまだ始まったばかりだった。最初の停車駅で、見覚えのある3人が乗車してくる。ジャックの妻マデリーンと、ふたりの子供イーサンとベイリーだ。彼をびっくりさせようと、何も知らせず列車に乗り込んだ家族3人だったが、そこでマデリーンとガリーナが鉢合わせしてしまい、一気に緊迫感が高まる。ジャックが浮気していると誤解し、憤慨する家族を何とかなだめようとするジャック。
 そのとき、テロリスト集団が客席になだれこんできた。リーダーはメイソン・コール。欲しいものを手に入れるためなら手段を選ばない、冷酷で残忍な男である。彼らは列車を乗っ取り、ガリーナを探し始める。少しの間身柄を拘束されながらも、敵と戦い自由になったジャックは、ガリーナが列車から飛び降りようとするのを阻止。しかし、そのとき彼は知ってしまった。彼女の盗んだ小型ケースの中身が、突然変異を起こした猛毒の天然痘を基にした生物兵器“SP43”であることを!
 メイソンの目的は、ガリーナに盗ませたSP43を世界中に撒き散らし、その解毒薬で一儲けしようというものだった。しかし、彼らとジャックの激しい攻防の中、ケースが割れて中のSP43が列車内に撒き散らされてしまう。次々と発病していく乗客たち。特に天然痘が絶滅したとされている現代の子供や若者たちは予防接種を受けてもいないため、まったく免疫もなく、その進行も早い。ジャックの子供たちも例外ではない。マデリーンら大人たち世代は、かつて天然痘の予防接種を義務づけられていたことから、発病は若干遅れるようだが、それでも時間の問題である。
 決死の孤軍奮闘を続けるジャックは、メイソンの手下たちをひとり、またひとりと片付けていくが、そのさなか列車の暴走が始まり、もはや誰にも止めることが不可能になってしまう。ようやくジャックの知らせを受けたNATO本部は、列車がミュンヘンに到着する前に軍隊に攻撃させ、最悪の事態を回避することを決定した。今や走る兵器と化した密室の中、ジャックはメイソンらの陰謀を打ち砕き、家族を、乗客の命を、そして全人類の滅亡の危機を救うことができるのか?

SP43について
※SP43の存在は不明だが、映画の中では生物兵器、天然痘の変種に他の細菌を混ぜた物と確認
生物兵器(Biological Weapons)→細菌、ウイルス、真菌、リケッチア等の生物毒素を爆弾等を用いて散布する兵器。
※細菌とウィルスは別物
ウイルス(ラテン語で「毒」「粘液」の意味)→DNAやRNAといった遺伝子をタンパク質の殻や膜が覆っているだけの存在。細胞に侵入し細胞の遺伝子を乗っ取り自分のDNAやRNAを大量に複製。また外に出て他の細胞に侵入し用済みの細胞は破壊される。人体は細胞レベルで損傷し結果的に病気になる。
※天然痘はウイルス
天然痘
(1)概要
天然痘ウイルスによる感染症。7〜17日の潜伏期の後、倦怠感、発熱、頭痛といった前駆症状にて発病し、2〜3日後に特徴的な発疹が出現する。これは、主に顔、腕、脚に出現する。ヒトからヒトへは飛沫感染し、この感染力は発症後1週間以内の患者からのものが最も大きい。無治療では30%程度が死に至るなど大変な脅威であったが、ワクチンがきわめて有効であり1980年には世界保健機関(WHO)が撲滅宣言を出した。しかしながら、その後も研究用として米国、旧ソ連で保存されていた事実がある。
(2)治療等
天然痘治療には特異的なものはないが、ワクチンがきわめて有効であり、接種後、少なくとも5年間有効とされる。さらに、感染後4日以内に投与すると発症を防いだり重症化を抑えることができるという観点から、感染後の投与も有意義である。
また、輸液や解熱・鎮痛等の対症療法や二次感染予防のための抗生物質投与も重要である。

スタッフ

エクゼクティヴ・プロデューサー:ヴィ・ラーナー、ダニー・ディムボート、トレヴァー・ショート
プロデューサー&原案:ボアズ・デヴィッドソン
プロデューサー:ダニー・ラーナー、デイヴィッド・ヴァロッド
共同プロデューサー:スコット・プットマン、キャシー・ブライトン
監督:ボブ・ミショロウスキー
脚本:アダム・ギーラッシュ、ジェイス・アンダーソン
撮影監督:ロス・クラークソン
音楽:セージ・コルバート
衣裳デザイン:ケイト・ハーリー
プロダクション・デザイン:カーロス・ダ・シルヴァ
編集:マーク・ジャクボウィッツ、フェルナンド・ヴィレーナ
ヴィジュアル・エフェクト・プロデューサー:スコット・コルター
キャスティング:シャナ・ランスバーグC.S.A
スタントコーディネーター:グレン・ワイルダー

キャスト

ジャック・クリストフ:ジャン=クロード・ヴァン・ダム
ガリーナ・コンスタニン:ローラ・エレナ・ハリング
メイソン・コール:トーマス・アラーナ
マデリーン・クリストフ:スーザン・ギブニー
ナターシャ:ルーシー・ジェナー
ベイリー・クリストフ:ジェシカ・ボウマン
イーサン・クリストフ:クリストファー・ヴァン・ヴァレンバーグ
テキサス・ボブ:ジョン・ビショップ
アンガス:バーナード・ヴァン・ビルダービーク
ラース:デイトン・キャリー
キャサリン:シモーナ・レヴィン
シンシア:サンドラ・ヴィダル
スタフロス:ステファノス・ミルツァカキス
ヘンリー:ジミー・ジーン=ルイス
ウィリアム:ジョージ・スタンチェフ
ヴィンセント:ニコライ・ビネフ
タナー:スタニミル・スタマトフ
ナッシュ:ダンコ・トルダノフ
ロドリゴ:トライヤン・ミレノフ・トロイ

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