原題:Classic

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2003特別招待作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/yubari/sakuhin2003/

2002年1月30日より韓国初公開

2003年/韓国/カラー/135分/ 提供:レントラックジャパン、クロックワークス、博報堂、メディア・スーツ、ツイン 配給:クロックワークス、メディア・スーツ

2005年04月22日よりDVDリリース 2004年07月16日よりビデオレンタル開始 2004年07月16日よりDVDレンタル開始 2004年1月24日よりシャンテシネ、シネマスクエアとうきゅうにてロードショー!

公開初日 2004/01/24

配給会社名 0033/0066

解説


日本中を笑いと涙で包みこみ、単館公開ながら全国で5億円の興行収入を記録する大ヒットとなった『猟奇的な彼女』からちょうど1年—。クァク・ジェヨン監督、待望の最新作が『ラブストーリー』である。
演劇部の先輩・サンミンのことが好きなのに、恋愛に積極的な親友から彼へのメールの代筆を頼まれてしまう、女子大生・ジヘ。彼への熱い想いを親友の名前で綴り、あげくの果てにはデートの引き立て役として、駆り出されてしまう…。ある日、そんな彼女が自宅の棚を整理していると、母・ジュヒが大切にしていた小さな木箱を発見する。
中に入っていたのは、35年前に書かれた何十通もの手紙と一冊の日記帳。そこには、母の切な過ぎる初恋の想い出と、ジへ自身の恋の行方をも変えてしまう、“ある秘密”が語られていた…。
本作の監督を務めるのは、韓国で社会現象を起こした前作『猟奇的な彼女』で、ヒットメーカーの地位を不動のものにした、クァク・ジェヨン。今回は偶然によって導かれた母の初恋を基軸に、過去(1968年)と現在(2003年)、そして母と娘の二世代を結ぶ、一つの愛の奇跡を独特のタッチで描いている。さらに、前作に引き続き脚本も担当しており、ストーリーテラーとしての才能も遺憾なく発揮している。
主演は『酔画仙』のソン・イェジン。TVドラマで注目された彼女は、その卓越した演技力と可憐な魅力で、母・ジュヒと娘・ジヘという二役を見事に演じ切り、第40回大鐘賞(韓国アカデミー章)新人女優賞を受賞。さらに本作公開後には、日本でも話題沸騰中のTVドラマ「秋の童話」「冬のソナタ」のユン・ソクホ監督による、“四季シリーズ第3弾「夏の香り」のヒロインに抜擢されていることから、『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョンに続き、日本でのブレイクが期待されている。また母の初恋相手・ジュナと、娘の憧れの先輩・サンミンには、『春香伝』のチョ・スンウとフルーツ・チャン監督『トイレ、どこですか?(原題)』のチョ・インソンという、若手実力派が共演。そして『猟奇的な彼女』で脇を固めた俳優たちが、様々なシーンに出演しているのも見逃せない。
また劇中の音楽は、パッヘルベル「カノン」、ショパン「悲愴」、ビバルディ「チェロ協奏曲/ロ短調」などのクラシック音楽のほかに、エンドロールにも使われたことにより韓国でリバイバルヒットを記録した、「あなたにとって私は、僕にとって君は」のように、登場人物の気持ちを代弁する重要な役割を果たしている。
ちなみに、今年1月に公開された韓国では、初登場4位から口コミでジワジワと人気を集めるという、異例のヒットを記録。最終的には、同時期の旧正月に公開された『二重スパイ』『HERO/英雄』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』などの大作群を大きく上回るロングラン(8週連続ベスト10入り)となり、200万人の観客を動員している。
人生で巡り会った、たった1人の運命の人。二度と戻らない懐かしい日々。そして、35年の時を越え、母の恋が娘にもたらす愛の奇跡。2004年、胸が締めつけられるほど切なく純粋な、まさに究極の“ラブストーリー”が、遂に日本に上陸する。

ストーリー

女子大半ジヘ(ソン・イェジン)は友人スギョン(イ・サンイン)から、演劇部の先輩サンミン(チョ・インソン)へのEメールの代筆を頼まれる。複雑な想いでメールするジヘ。実はジへ自身もサンミンヘの想いを募らせていたのだ。そんなある日ジヘは家の棚の奥から、母ジュヒが大事にしている小さな木箱を見つける。中に入っていたのは35年前に書かれた日記帳と何十通もの手紙。おそるおそる読み始めたジヘは、若き日の母の切ない初恋の物語を知ることになる…。
高校生オ・ジュナ(チョ・スンウ)は同級生のユン・テス(イ・ギウ)から親の決めた婚約者への手紙の代筆を頼まれる。彼女の写真を見せられ驚くジュナ。そこに写っていたのは彼が夏休みを過ごした田舎で、忘れられない思い出の一日を共にした少女ジュヒ(ソン・イェジンニ役)だった。国会議員の娘、高嶺の花ジュヒ。あの夏の日「お化け屋敷へ連れてって」…ジュナは彼女にそう頼まれ、喜び勇んで出かけていった。夕立の中、足をくじいたジュヒを背負って歩いた川沿の道、雨やどりした番小屋、宙に舞う美しい蛍、そしてジュヒから貰ったぺンダント…。全てがジュナにとって何ものにも替え難い大切な思い出となったのだ。気が咎めつつも手紙の代筆を引き受けるジュナ。そして後日、テスを通じて二人は再会を果たすことになる。再会の日、テスの前ではお互い知らぬ者同士の顔をする二人。しかし口の動きで「会いたかった」「僕も」と言い、互いの気持ちを確かめ合うのだった。しばらくして「親が決めただけ」と言っていたテスは、「いつしか本気でジュヒを好きになった」とジュナに告白する。ジュナを愛するが故に、そんなテスとジュナの間で苦悩するジュヒ。冬休みを前に、ジュナは意を決してテスに二人の関係を伝える。話を聞いたテスは、ジュヒに手紙の代筆の事実も告げ、彼らのよき協力者となる。離ればなれの冬休みの間、テスのアイディアにより彼の名前を使って文通し合う二人。ところが運命は二人に味方はしなかった。悪天候でジュナの元に届けられなかったジュヒヘの手紙が、差出人となっているテスの家に送り返され、彼の父親に知られてしまったのだ。国会議員の娘であるジュヒと自分の息子との結婚を強引に推し進めようとするテスの父親にとって、テスが身を引いたことは許しがたい行為であった。テスは折檻され、ジュヒはジュナに会いに行くことを禁じられる。そして事態はテスの自殺未遂という最悪の結果を迎えるのだった。心を傷めたジュナはあの夏の日にジュヒからもらったぺンダントを残し、ジュヒのもとを去っていく…。
母ジュヒの物語を追うジヘ。“太陽が海をほのかに照らしたら僕は君を想う”“月明かりが泉に浮かんだら僕は君を想う”…ジヘは母の手紙の中から、聞き覚えのある詩を見つける。それはなぜか、サンミンがスギョンに宛てたと思われるカードに書かれていた詩と同じものだった。その詩からサンミンがスギョンを愛してると思い込んだジヘは、彼への叶わぬ想いを断ち切ろうと決意する。しかし、そんな矢先ジヘは大学の構内で雨宿りをしていたところ、偶然にもサンミンと鉢合わせてしまう。傘を持たないサンミンは自分の上着を傘にして、ジヘを図書館まで送る。それはジヘにとって至福の時であった。数日後ジヘは売店の女性から、思わぬ事実を知らされる。あの日サンミンは持っていた傘をわざわざ置いて、雨の中を駆け出していったことを。あれは偶然ではなかったのだ。サンミンのもとへ駆け出すジヘ。そしてサンミンもまた言い出すことの出来なかったジヘヘの想いを告げるのだった。あのカードに書かれた詩も、スギョンではなくジヘに宛てたものであったことも…。
歳月は流れ、ジュヒは街頭デモの吹き荒れる中でテスと再会する。テスにジュナの消息を問うジュヒ。二人が再会を果たしたのは、ジュナがベトナムへ出征するその日だった。ジュヒは首からぺンダントをはずしてジュナに手渡す。「きっと生きて帰ってね」…駅のホームで繰り返されるジュヒの声。愛する人を前に返す言葉の見つからないジュナ。しかし動き始めた電車の中で、ぺンダントを首にかけ意を決するように唇をかみしめるのだった。年月はさらに流れ、ジュヒとベトナムから帰還したジュナは再会する。「自分は結婚したのに君はなぜしないの」と問うジュナ。寂しそうに笑うジュヒ。すでに二人を隔てる何かを感じたジュヒだったが、しはらくしてその様子のぎこちなさからジュナが失明していることに気が付く。ジュヒに事実を知られてしまったことに狼狽するジュナ。「命をかけて守ったんだ」と言いながら、ジュヒにあのぺンダントを返そうとする。しかしそれをもう一度ジュナの首にかけ、ジュヒは言う「これはジュナのよ」…ジュヒがテスと結婚したのは、その後のことだった。二人の次の再会は、初めて会った思い出深い、あの田舎にある川原だった。しかし、その時すでにジュナは帰らぬ人となっていた。ジュナの遺灰を持った友人は「ジュナがこの川に遺灰をまいて欲しいと遺言を…」と言いながら古い手紙の入った箱をジュヒに手渡す。そしてジュナはジュヒの結婚を見届けた後に結婚し息子ができたという事実を告げるのだった。涙が止まらないジュヒ。号泣するジュヒのかたわらには娘のジヘがいる。ジヘが空を指差す「ママ、虹だよ」。
あの日見た虹は、今でもジヘの記憶の中に鮮やかに焼き付いている。今、ジヘのかたわらには恋人のサンミンがいる。あの思い出の川沿にたたずむ二人。ジヘの母の物語に不思議なほどサンミンは涙していた。その疑問に応えるかのように、彼は自分の首にかかっていた、あのペンダントをはずしてジヘの首にかけるのだった。そう、まるでそれを持ち主のもとへ返すかのように…。

スタッフ

監督、脚本:クァク・ジェヨン
製作:チ・ヨンジュン 
撮影:イ・ジュンギュ 
編集:キム・サンボム、キム・ジェブン 
美術:ソン・ユニ
音楽:チョ・ヨンウク 

キャスト

ジュヒ、ジヘ:ソン・イェジン
サンミン:チョ・インソン
ジュナ:チョ・スンウ
テス:イ・ギウ
スギョン:イ・サンイン
売店の店員:イム・イェジン

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