原題:The Center of the World

孤独な男が美しいストリッパーに恋をした。

2001年4月20日全米初公開

2001年/アメリカ/カラー/86分/ 提供:日本ビクター、トライエム 配給:日本ビクター

2004年04月23日よりDVDリリース 2004年04月24日よりビデオリリース 2003年3月8日より、シネ・アミューズにてレイトショー

公開初日 2003/03/08

配給会社名 0059/0244

解説


2人の若者が欲望に突き動かさて、経験した事のないような深い’情念の世界に足を踏み入れる。ウェイン・ワン監督の大胆なドラマが『赤い部屋の恋人』である。物語はある男女が性的な契約を結ぶところに始まるが、それは結局、精神的な破滅を引き起こす。セックスや、力や、愛の幻想が、予想もつかない汚れた人間の感情とぶつかった時、何が起きるかが徐々に浮き彫りにされていく。また、ウェイン・ワン監督初のデジタルビデオの長編作である『赤い部屋の恋人』は、そのデジタルの可能性を有効に生かし、ストリップクラブや、インターネットのポルノなどのように、現実に関係をもたずに満足を求めるような、覗き見主義的な現代の性的関係をリアルに描いている。

才能あふれるウェイン・ワンはエロティックな幻想と欲望の根源を、最初のデジタルビデオ作品となる『赤い部屋の恋人』で追い求めた。その美学においても、テーマにおいても大変冒険的なこの作品は、観客をラスベガスのホテルの一室に誘い込む。そこでは若い男女が性的な、そして精神的な極限状態の中で向き合っているのである。きわどく、ありのままを描き出すこの作品は、恐れを知らない2人の才能によって演じられている。モリー・パーカー(『ひかりのまち』)とピーター・サースガード(『ボーイズ・ドント・クライ』)である。この作品により、2人の類まれな鋭さと知性に対する評価は確固たるものになるだろう。

ストーリー

リチャード・ロングマン(ピーター・サースガード)は20代前半のインターネット・トレーディングで成功を治めた《ネット長者》である。コンピューターの世界に没頭するあまり、外の世界と関係をもつ事に慣れていない。最近、父を亡くした事や、また株式投資にも興味を失った事で、いっそうコンピューターの殻の中に閉じこもるようになった。マウスをクリックするだけですべてを手に入れる事が出来る彼は、世界の全てを3台のコンピューターモニターの中に呼び出して暮らしている。しかし彼のコンピューターは、彼が最も求めているもの、すなわち彼を支えてくれる人間の暖かさを、もたらす事はできない。

フローレンス(モリー・パーカー)は激しいサウンドのロックバンドでドラムを叩いている。しかし、生活費を稼ぐために、夜は高級クラブ「パンドラの箱」でストリッパーをしている。昼間はクールなミュージシャンそのものである彼女も、夜になるとフローと呼ばれる足の美しいセックスの幻想に変身する。彼女の心の中では、性衝動を含む本当の自分自身と、ストリッパーの仮面の間には、はっきりとした線が引かれていると考えている。しかしその区分が確かなものかどうかは自分にも分からない。

リチャードとフローレンスがコーヒーショップで出会った時、2人は互いに惹きつけられる。以前からドラマーである彼女に興味を持っていたリチャードは、彼女がストリッパーである事を知ると、さらに好奇心をそそられる。フローレンスのバッグに見え隠れする魅惑的なヒョウ柄の衣装。「パンドラの箱」で彼女のエロティックなダンスを見たリチャードは、彼女への欲望を募らせる。そして、彼女の事をもっと知りたいと言い、ラスベガスヘの旅に誘う。そしてその代償として旅行中の彼女の収入を保証する。忙しそうにロックバンドのチラシを貼りながら、フローレンスは無愛想に、金のためにセックスはしないと断言する一方で、リチャードの誘いに心が揺れる。彼がその報酬を1万ドルに上げた時、ついに彼女は条件を提示する。それは、ロヘのキス、感情についての質問、性交をしない事、彼女の部屋を確保する事、拘束時間は午後10時から午前2時まで、だった。

そしてフローレンスとリチャードは、偽物と本物が刺激的に、危険に、そして深く絡みあったラスベガスに到着する。まるで金に糸目をつけないかのように振舞うリチャードは、約束の10時きっかりに部屋に入ってきた彼女を見て、フローレンス自身と、けだるい魅力を漂わせたフローが一体となった彼女に愛情を感じ始める。フローレンス自身は自分の性的な魅力によって昂揚すると同時に、本当の自分がリチャードを求めている事に気づき始める。

フローレンスの条件は、孤独な2人の感情や関係がほんの少しでも深められるにつれて、破られていく。しかしセックス、金、力、支配というような2人を結びつけてきた欲望が、最後には彼らを引き裂く事になる。

スタッフ

監督:ウェイン・ワン
原案:ウェイン・ワン、ミランダ・ジュライ、ポール・オースター、シリ・ハストヴェット
脚本:エレン・ベンジャミン・ウォン
   (ワン、オースター、ハストヴェット、3人共同のペンネーム)
製作:ウェイン・ワン、ピーター・ニューマン
製作総指揮:グレッグ・ジョンソン、アイラ・デューチマン
撮影監督:マウロ・フィオーレ
編集:リー・パーシー
美術:ドナルド・グラハム・バート
衣裳:デザインはソフィー・ドゥ・ラコフ・カーボネル
キャスティング:ハイジ・ルビット、クリス・ニコラウ

キャスト

モリー・パーカー
ピーター・サースガード
カーラ・グギーノ

LINK

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