原題:TURNING GATE

キスを迫る。「愛してる」と囁く。そして、嘘をつく。

辛 韓国映画祭2003/HOT ! KOREAN FILM FESTIVAL 2002 上映作品 第27回トロント国際映画祭ナショナル・シネマ・プログラム部門 第40回ニューヨーク映画祭 第46回ロンドン映画祭ワールドシネマ部門 第51回マンハイム−ハイデルベルク国際映画祭コンペ部門招待作品 第47回アジア太平洋映画祭監督賞(ホン・サンス)受賞作品

2002年/韓国/35mm/カラー/1:1.85/ドルビーSRD/115分 配給:ビターズ・エンド

2004年08月27日よりDVD発売開始 2004年08月27日よりビデオレンタル開始 2004年1月31日よりテアトル新宿にてロードショー 2003年1月25日〜2月14日まで辛韓国映画祭2003、テアトル池袋にて上映

公開初日 2003/01/25

公開終了日 2003/02/14

配給会社名 0071

公開日メモ 舞台ではそこそこ名の知れた俳優キョンスは期待をかけていた映画のキャスティングから漏れ、古い友人の作家の誘いで田舎の春川へ。

解説


ホン・サンスは第四作にして初めて直叙体(シーンの時制がカブらず、時間生起順に物語が展開する)の話法に挑んだ。ただし前二作同様、作品は前半/後半に二分され、売れない俳優の主人公はその各々でふたりの女に出会う。ふたりの女の同一性(結局、行動動機に不可知性が混ざる/主人公にほとんど同じメッセージを残す)、差異性(主人公は前半の女には「愛している」といわないが後半の女にはいう)の複雑に絡みあうなか、主人公は同じ行為を反復する(彼は、後半の女を彼女の学生時代に現在と同じように尾行したし、女との性交がすべて酩酊を通じてという循環も抜け出せない)。韓国題どおり、監督はそこに人生=生活の感触を「発見」しているのだろう。
作品の起承転結の不在も、映画を人生に近づけるためだったのではないか。事実、本作には脚本がなく、役者たちは毎日その場でその日の科白を与えられた。韓国の景勝地はどこも景観が同じという主人公の独白からは「同一性反復」を韓国自体が病んでいるという見解も窺える。
主人公の俳優キョンス役、キム・サンギョンはTV俳優で、これが映画初主演。前半の舞踏家ミョンスクを演じたのが『アナーキスト』(00/ユ・ヨンシク)などのイェ・ジウオン、後半の大学教授の妻ソニョンを演じたのがハン・ソッキュ主演『接続』(97/チャン・ユニョン)の脇役で頭角を現したチュ・サンミ。前者の実在感、後者のホン・サンス女優らしからぬ鮮やかな美しさ、そのふたつの対比も印象に残る。

ストーリー


舞台ではそこそこ名の知れた俳優キョンスは期待をかけていた映画のキャスティングから漏れ、古い友人の作家の誘いで田舎の春川へ。
舞踏家ミョンスクの紹介を受け、酩酊の末、キョンスとミョンスクは体を交わす。だが彼女は友人がずっと思いを寄せていながら告白できないでいた女性だった。彼は春川をあとにする。釜山に向かう列車のなかでキョンスは自分と同世代の美人ソニョンと同席。知名度の低い彼を彼女は知っていた。彼女は慶州で下車するが、その彼女をキョンスは尾行。やがて家から彼女を呼び出し、熱烈な求愛を開始する。ソニョンは彼を学生時代から知っていたこと、自分が夫をもつことを語りはじめるが…。

スタッフ

監督・脚本:ホン・サンス
製作:アン・ビョンジュ
プロデューサー:イ・ハンナ
撮影:チェ・ヨンテク
照明:チェ・ソッチ
編集:ハム・ソンウオン
サウンド:アン・サンホ、オ・ヨンチョル
音楽:ウォン・イル

キャスト

俳優キョンス役:キム・サンギョン
舞踏家ミョンスク:イェ・ジウオン
職業不詳ソニヨン:チュ・サンミ

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