辛 韓国映画祭2003/HOT ! KOREAN FILM FESTIVAL 2002 上映作品 2000年カンヌ国際映画祭“ある視点”部門 2000年東京国際映画祭審査員特別賞・アジア映画賞スペシャル・メンション 2000年トロント国際映画祭コンテンポラリー・ワールド・シネマ部門 2000年釜山国際映画祭韓国映画パノラマ部門 2000年アジア太平洋映画祭脚本賞(ホン・サンス) 2001年大鐘賞新人女優賞(イ・ウンジュ) 2001年ロッテルダム国際映画祭

2000年/韓国/35㎜/モノクロ/1:1.85/126分

2003年1月25日〜2月14日まで辛韓国映画祭2003、テアトル池袋にて上映

公開初日 2003/01/25

公開終了日 2003/02/14

配給会社名 0337/0049

公開日メモ 画廊経営者ジェフンは、友人のTVプロデューサー兼監督、クオン・ヨンスのもとで構成作家をするスジョンに美術館で会う。やがてヨンスの撮影見物の際、自分の手袋を拾ってくれていた彼女に好意を感じはじめる。

解説

前作で同時刻・ほぼ同じ場所の男女を、互いに出会わないまま女−男の順序で描いたホン・サンスは・今度は「互いに出会う」男女を、男の視点−女の視点の順序で描きだす。ふたつには偏差がある・つまり記憶の捏造が第一の主題となる。そして愛の描写のさらなる精密化。たとえば処女のヒロインはキスを至上の愛情表現と考える。だが彼女がキスを許した相手は男側の記憶と女側の記憶とでブレる。ただそのふたつ別のキスシーンはともに痛ましい抒情性を湛える。またSEXに恐怖感をもつヒロインが実兄のオナニーを手伝う衝撃場面もある。初めて導入された白黒映像が美しい。
ヒロイン=スジョンを演じたイ・ウンジュは垢抜けなさが逆に役柄にリアルな輪郭を与え、仕種が素晴しい。本作で大鐘賞新人女優賞を獲得した。また主役男女を結果的に結びつけるTVプロデューサー兼監督役のムン・ソングンは数々の作家映画への出演歴をもつ重要俳優。

ストーリー

(ジェフンの記憶)画廊経営者ジェフンは、友人のTVプロデューサー兼監督、クオン・ヨンスのもとで構成作家をするスジョンに美術館で会う。やがてヨンスの撮影見物の際、自分の手袋を拾ってくれていた彼女に好意を感じはじめる。
製作費の問題で悩むヨンスは飲み屋で悪酔いし、彼をタクシーで送ったあとふたりは完全な恋仲に。ジェフンがスジョンの唇を強奪したのち、やがてふたりは唇と唇を重ねる長いキスをするようになる。ところが後の日のべッドインでジェフンはスジョンが処女だという告白を受け動揺する。

(スジョンの記憶)スジョンは美術館でジェフンと初めて会う。好意はもったが、彼女は悩み多いヨンスがもともと好きで、唇はヨンスに許す。彼女が出席したあるパーティではジェフンが女友達とペッティングをしている。ただし彼の熱意に押された彼女はホテルに行く。だがその日はジェフンが彼女の名前を呼び間違えたことから関係は成立しない。

(ふたりをともに捉える客観描写の開始)処女喪失の儀式のためジェフンが紆余曲折の末、取った約束のシティホテルにスジョンが遂に辿りつく……。

スタッフ

監督・脚本:ホン・サンス
製作:イ・ユジン
撮影:チェ・ヨンテク
照明:チェ・ソクチェ
録音:イム・ドンソク
サウンド・ミキシング:オ・ウォーンチョル
音楽:オク・キルソン
編集:ハム・ソンウォン

キャスト

スジョン:イ・ウンジュ
ジェフン:チョン・ボソク
ヨンス:ムン・ソングン

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