辛 韓国映画祭2003/HOT ! KOREAN FILM FESTIVAL 2002 上映作品 1996年韓国映画批評家賞最優秀新人監督/最優秀音楽賞 1996年ベルリン国際映画祭フォーラム部門 1996年青龍賞最優秀新人監督賞/助演女優賞(チョ・ウンスク) 1996年バンクーバー国際映画祭ドラゴン&タイガー賞 1997年ゴールデン撮影賞最優秀新人監督/新人男優演技賞/新人女優演技賞 1997年ロッテルダム国際映画祭タイガー賞(最優秀作品賞)

1996年/韓国/35㎜/カラー/1:1.85/114分

2003年1月25日〜2月14日まで辛韓国映画祭2003、テアトル池袋にて上映

公開初日 2003/01/25

公開終了日 2003/02/14

配給会社名 0337/0049

公開日メモ 盛りをすぎた作家、その不倫相手のマダム、その不潔恐怖症の夫、さらには作家に思慕を寄せる映画館モギリ嬢−−本作は四つの核をもつ。

解説


盛りをすぎた作家、その不倫相手のマダム、その不潔恐怖症の夫、さらには作家に思慕を寄せる映画館モギリ嬢−−本作は四つの核をもつ。その相互のパズル的つながりが、ひとりの人物の描写を放置したまま別の人物を語る「数珠つなぎ」の話法をつうじ次第に明らかになる。関係の明示を前提にしない関係性の話法は、アジア圏映画ではエドワード・ヤン『恐怖分子』に先例があるが、親密さを欠くゆえの画面の緊張感はヤン作品に輪をかけているかもしれない。人間の酔態の悪辣さ、性描写のおぞ気、家族的紐帯の一切の不在−−それらが冷徹に描写されたのち、作品は終幕で二重の悲劇を引き寄せる。映画研究者ホン・サンスのこの「あらかじめ成熟しきった」デビュー作は各国映画祭で絶賛され、韓国ニューウエイヴの強烈な作家性の代名詞となった。

ストーリー

人格の悪さが崇り編集者から忌避される小説家。彼は有閑マダムと不倫している。ある日彼は招かれない作家主催パーティに乱入、そのときに起した暴力事件がもとで投獄される。
地方セールスで遠距離バスに乗る営業マン。彼はバス酔いした隣席の乗客から靴に吐瀉物を浴びせられ休憩地で靴を洗ううちバスに去られる。仕方なく泊まった安宿でホテトル嬢を呼び情交に及ぶがコンドームが破れ、性病恐怖に駆られる。
勤務態度の芳しくない映画館のモギリ嬢、文学趣味の彼女は冒頭の作家を敬慕していた。その彼女が映画館から解雇されたその日に作家の住まいを訪ね、作家の不倫相手の有閑マダムと鉢合わせになる。その心痛で作家のふたりの女はそれぞれ糸の切れた凧のようにさまよいはじめる。
文学少女のほうは自分に惚れている映画館の上司に体を許し、有閑マダムのほうは夫(あの性病恐怖に陥った営業マンだった)の尾行をはじめる。夫は病院で性病検査を受けていた。−−そうして最後の悲劇への導線が完了する。

スタッフ

監督:ホン・サンス
脚本:ホン・サンス、チョン・デソン、ヨ・ヘヨン、キム・アラ、ソ・シネ
製作:イ・ウソク
企画:イ・ホソン
撮影:チョ・ドングァン
照明:キム・イルジュン
編集:パク・コクチ
音楽:オク・キルソン
録音:イ・ヨンギル、ファン・ソンギ
美術:チョ・ユンサム

キャスト

ヒョソプ=作家:キム・ウィソン
トンウ=営業マン:パク・チンソン
ポギョン=人妻:イ・ウンギョン
ミンジェ=モギリ嬢:チョ・ウンスク

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