原題:Chaos

第27回セザール賞・有望新人女優賞(ラシッダ・ブラクニ)

2001年10月3日フランス初公開

2001年/フランス/カラー/109分/Dolby Digital 配給:アスミック・エース エンタテインメント

2003年11月15日(土)シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー 2004年06月11日よりビデオリリース 2004年06月11日よりDVDリリース

公開初日 2003/11/15

配給会社名 0007

解説


赤ちゃんに乾杯!の女性監督コリーヌ・セローがデジタル撮影で今までのイメージを一新し、驚きのスーパーエンタテインメントを誕生させた。本国フランスでは130万人以上を動員し、半年以上の驚異的な口コミ大ヒットロングランを記録。またフランス・アカデミー賞であるセザール賞で作品賞を始め5部門のノミネート、娼婦を演じるラシダ・ブラクニに最有望若手女優賞受賞の快挙をもたらした。偶然にも平凡な主婦が謎の娼婦と出会い、全く違う境遇の二人が共鳴し合い、そして本能が芽生えていく。仕事、家族、社会へのレボリューションを始め、もう一度生き返ろうとする。二人が繰り広げる、笑いあり涙ありの痛快人生ロマンは、最後まで先の読めないスリリングな展開とハラハラドキドキするアクション満載。抱腹絶倒のコメディでありながら、しかも感動のラストを迎える、観る人すべてを元気にする極上映画となった。
平凡な主婦エレーヌは夫ポールと二人暮し。大学に通う息子はアパートを借りて彼女と同棲中。会社を経営している夫は、はるばる田舎から息子に会いに来る母親に会おうともしない自分勝手な男性。そんな男たちに振り回されっぱなしのエレーヌ。ある夜、夫とディナーパーティに向かう途中の路地で、女が逃げてくるのに行き会う.しかも女の後ろからは、いかにも怪しげな男たちが追い駆けてきた!巻き込まれたくないポールはドア、窓とも閉めて開けようとせず、助けようとするエレーヌを制止、女の助けを拒むのだった。翌日、昨夜の出来事が頭から離れないエレーヌは、病院を突き止め、重症の女の介護を献身的に始める。次第にエレーヌに心を開いてきた女は、娼婦ノエミと名乗り、驚くべき自分の過去を語るのだった。出会うはずのない平凡な主婦と謎の娼婦が出会った時、とんでもないドラマが始まろうとしていた・・・!
主婦エレーヌは夫には家政婦のように思われ、息子には鬱陶しがられながらも平凡な生活を送ってきた。そんな彼女の前に突如ノエミという女性が現れ、彼女を助けることによって自分が助けられていることに気づいていく。平凡な生活、身勝手な家族、多忙な仕事という乾ききった毎日から・・・。そして新しい世界を発見した女たちの革命がついに始まる!
1985年、フランス・アカデミー賞グランプリ、セザール賞最優秀作品賞及び脚本賞を受賞した『赤ちゃんに乾杯!』が空前の大ヒットを記録し、その2年後にハリウッドで『スリー・メン&ベイビー』としてリメイクされ世界中を笑いの渦に包んだコリーヌ・セロー。その後、男女の機微と喜怒哀楽を豊かに描いた『女と男の危機』を発表し、コメディの覇者として不動の地位を築く。実娘マドレーヌをヒロインに選んだ最新作『赤ちゃんに乾杯!—18年後』は、フランス映画祭横浜2003に正式出品され好評を得た。また映画監督だけでなくオペラの演出、舞台女優、小説の執筆など幅広い分野へ意欲的に取り組んでいる。自由な人生航路を好む監督の豊かな才能は世界中から注目されており、最新作『女はみんな生きている』もまた、ハリウッドでリメイクの噂がささやかれている。本作がアメリカで公開されるとマスコミは騒いだ。“ハリウッドでリメイクされるのは時間の問題”と。
セザール賞主演女優賞候補のカトリーヌ・フロは平凡な主婦が目覚め変化していく過程を、絶妙なニュアンスで演じすべての女性に心地良いシンパシーをもたらす。美しいアルジェリア人娼婦を演じるラシダ・ブラクニは本作でセザール賞最有望若手女優賞を受賞。今回、ハイレベルなアルジェリア出身の女優の中から抜擢されたブラクニは、知的で美しくスタイルが抜群なだけでなく、陸上選手としてフランス代表になった程の俊足の持ち主。現在はコメディフランセーズに所属しており本作の成功によりフランスで一躍人気スターとなった。また、妻との倦怠期を迎えながらも仕事中心の生活を送る夫を演じるのはベテラン俳優ヴァンサン・ランドン。身勝手でどこか憎めない夫を実にコミカルに魅せてくれる。
撮影監督には『ベティ・ブルー』の鮮烈な映像でその破滅的なドラマを加速させたジャン=フランソワ・ロバン。また音楽はフランスのクラブジャズ界の第一人者であるDJリュドヴィク・ナヴァール(サン・ジェルマン)。夫婦が外出するトップシーンで流れる「RoseRouge」「So Flute」はマンネリ気味の男女の無関心さを漂わせる。また随所に流れる躍動感溢れるリズムが逆にドラマに緊張感を与えている。そして、ドラマのエンディングをしっとりと締めくくるのは、J.S.バッハの「ゴールドベルク変奏曲」の第一曲「アリア」。女たちへの鎮魂歌により『女はみんな生きている』を単なるコメディ映画で終わらせない感動のラストヘと観客を誘う。製作のアラン・サルド、編集のカトリーヌ・ルノーなど常連のセロー組に加え、ジャンルを超えた個性派スタッフたちの結集が本作を成功へと導いた!

ストーリー



平凡な主婦エレーヌは夫ボールと二人暮らし。大学に通う息子ファブリスは、アパートを借りて彼女と同棲中。自由を満喫したいファブリスにとって、いろいろと世話を焼いてくるエレーヌはただ鬱陶しいだけの存在。会社を経営している夫は、エレーヌのことを家政婦か共同生活者としか思っておらず、また田舎からはるばる会いに来る母親に会おうともしないで自分勝手な日々を送っている。そんな男たちに、振り回されっばなしのエレーヌ……。
ある夜、着飾ったエレーヌとポールはディナーパーティーへと車を走らせている。すると通りの向こうから血まみれの女が駆けてくる。しかも、その後ろからは殺気立った数人の男たちの姿が!
「開けて!お願い!」と必死の形相で車の窓ガラスを叩き助けを求めてくる女。しかし事件に巻き込まれたくないボールは、鼻先でドアをロックし女の助けを拒む。さらにポールは救急車を呼ぼうとするエレーヌを止め、血だらけの車を洗車するために走り去るのだった。
翌日、エレーヌは昨夜の出来事が頭から離れず、救急病院にしらみつぶしに電話をかけ、遂に女の行方を突きとめる。集中治療室で彼女の痛々しい姿を目にしたエレーヌは、どうしてもそこから立ち去ることができず、家庭も仕事も放棄して、そのまま泊り込みで介護を始める。事件を捜査中の警察によると、女の名前はノエミ・トッカ、22歳、職業—娼婦。彼女に大怪我を負わせた売春組織の男たちは相変わらず周囲をうろついているが、なかなか尻尾を見せようとしない。一時は危篤状態に陥っていたノエミだったが、エレーヌの献身的な介護により次第に回復していく。
その間、荒れ果てたキッチン、山のような洗濯物に囲まれた夫は大混乱していた。エレーヌなしではアイロンーつかけられないポールは途方にくれ、エレーヌの携帯電話に狂ったように何度も伝言を残す。一方、ファブリスはフロランスというガールフレンドがいながら、シャルロットに二股をかけていた。そのことがフロランスに知れ大騒ぎになるが、懲りないファブリスは二人が自分に夢中になっているのをいいことにそれぞれと関係を続ける。
ある日、エレーヌが一時帰宅をした隙に、売春組織のボスであるパリが病院にあらわれ、ノエミを連れ出してしまう。が、間一髪のところで、エレーヌは体当たりでノエミを助け出す。しばらく姿を隠そうとエレーヌとノエミが向かったのは、ポールの母の家だった。ポールの母は二人を快く迎え入れすぐにノエミと仲良しになる。田舎での穏やかな時間が体の回復を早め、ついに話すことができるようになったノエミは、自らの生い立ちを語り始める……複雑な家庭環境、継母の嫌がらせ、政略結婚からの逃亡、家に置いてきた実妹ゾラヘの思い、売春組織のトゥキとの出会い、娼婦としての日々、大富豪から騙し取った莫大な遺産、その遺産を狙う組織から逃れようとしたあの夜……。すべてを打ち明けたノエミは、エレーヌにある手助けを依頼する。突如、平凡な暮らしの中に現れたノエミを無我夢中で救おうとしたエレーヌだったが、いつしか自分が救われていることに気づく。平凡な生活や身勝手な家族や多忙な仕事で、乾ききった毎日から……。
そして、ついに新しい世界を発見した女たちのとんでもない反逆が始まる!!

スタッフ

製作:アラン・サルド
製作総指揮:クリスティーヌ・ゴズラン
監督:コリーヌ・セロー
脚本:コリーヌ・セロ一
撮影:ジャン=フランソワ・ロバン
美術:ミシェル・アベ
編集:カトリーヌ・ルノー
録音:ピエール・ロラン
   ミュリエル・モロー
   ジョエル・ランゴン
衣装:カレン・セ口ー
音楽:リュドヴィク・ナヴァール
製作主任:アラン・サントンズ

キャスト

ヴァンサン・ランドン……ポール
カトリーヌ・フロ……エレーヌ
ラシダ・ブラクニ……ノエミ/マリカ
リーヌ・ルノー……マミー
オレリアン・ヴィイク……ファブリス
イヴァン・フラネク……トゥキ
ミシェル・ラゲリ……マルザ
ヴォイテク・ブショニャク……パリ
エリック・ブラン……若い警官
オマール=エシェリフ・アタラ……タレク
ハジャール・ヌーマ……ゾラ
クロエ・ランベール……ワロランス
マリー・ドナルノ……シャルロット
ジャン=マルク・ステーレ……ブランシェ
レア・ドリュケル……ニコル
ニコラ・セロー……バーテンダー
シモン・バフーシュ……アンリ
ジャン=ルー・ミシュ……男1
ジュリー・デュラン……ゾリザ
サイダ・ベクーシュ……サミア
サミール・ジャマ……ファリド
ユネス・ブダシュ……ブジェマ
ヴァレリー・フラン……看護婦
イザベル・スプラング……夜勤看護婦
ヴァレリー・ベンギギ……女医
ジル・コーエン……医師
ジョアシャン・セロー……バイク便

LINK

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