原題:The Antwone Fisher Story

2002年12月20日全米初公開

2002年/アメリカ/カラー/113分/Dolby Digital 配給:20世紀フォックス

2004年10月22日よりDVD発売開始 2004年01月09日よりビデオレンタル開始 2003年4月26日よりスカラ座2ほかにてロードショー

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ビデオ時に変わった場合の題名 A.Q. アントワン・Q・フィッシャー・ストーリー

公開初日 2003/04/26

配給会社名 0057

解説

 「アントワン・フィッシャー」は、「グローリー」と「トレーニング・デイ」で2度のアカデミー賞に輝いた俳優デンゼル・ワシントンが、満を持して臨んだ監督デビュー作。彼は97年に監督の契約を結んだが、俳優としてのスケジュールが多忙を極め、2001年になってようやくこの仕事に着手した。ワシントンは「これは魂の勝利の物語だ」と語る。「アントワンの体験と、それでもなお彼が穏やかな心を持ち続けていることに触発された。我々の映画が、困難に直面してそれを乗り越えられそうにないと思っている人たちの心に届くよう願っている」と——。

 実話にインスピレーションを受けた感動的な物語を、奇をてらうことなく正攻法で描き出す落ち着いた語り口からは、彼自身の温かな人間性が伝わってくるようだ。まさにこの作品は、“監督”ワシントンの第一歩に相応しい。クリント・イーストウッド、ロバート・レッドフォード、メル・ギブソン、ケビン・コスナーらに続き、また一人俳優出身のアカデミー賞監督が誕生するかもしれない。

 アントワン・フィッシャーの物語に最初に注目したのは「ROCK YOU!〈ロック・ユー!〉」を製作したトッド・ブラック。10年以上も前、フィッシャーがソニー・ピクチャーズの警備員をしていたころのことだった。彼の物語に心打たれたブラックは、フィッシャーにライターの経験がないにもかかわらず、脚本執筆のために彼を雇った。撮影がスタートするまでの間にフィッシャーが書いた回顧録『Finding Fish』は2001年の大ベストセラーになった。そして、トッド・ブラック、デンゼル・ワシントンとともに「愛は静けさの中に」で知られる女性監督ランダ・ヘインズが製作に当たり、フィッシャー自身も共同製作者として加わった。

 アントワン・フィッシャーを演じるのはこれが長編映画初出演となるデレク・ルーク。彼もソニー・ピクチャーズの売店で働く無名の俳優だったが、ワシントンにより大きなチャンスを与えられ、それに見事に応えた。ブレイクスルー賞受賞のほか数々の賞にノミネートされ、賞賛を浴びている。モデルから女優に転身して、アントワンのガールフレンド、シェリルを演じたジョイ・ブライアントもフレッシュな魅力をみせている。監督のワシントンは、精神科医ジェローム・ダヴェンポートという映画の要となる役で出演もしている。また、「黒豹のバラード」のサリー・リチャードソンがダヴェンポートの妻バータに扮している。

ストーリー

 その少年は正装で豆畑の真ん中に佇んでいた。目の前には納屋の大きな扉。その扉が開くと、人々が笑顔で彼を迎えた。テーブルには豪華な感謝祭のごちそうが並び、おいしそうなパンケーキが少年の前に置かれる……。起床の合図とともに、アントワン兵曹(デレク・ルーク)は甘い夢から目覚めた。

 アメリカ海軍に勤務するアントワンは、興奮しやすくてケンカっ早い性格のため、精神科医ダヴェンポート中佐(デンゼル・ワシントン)の診察を受けるよう命じられる。それは、彼を思いがけない“帰郷の旅”へと導くことになる。最初は心を硬く閉ざすアントワンだったが、ダヴェンポートに導かれるように語り出した彼の物語は、あまりに恐ろしい子供時代の体験だった。しだいに父親のような存在になっていくダヴェンポート医師。そして、軍の売店で働く女性シェリルとの出会い。この二人に支えられながら、彼は人の愛し方を学び、自分自身の傷を癒す勇気を見出していく。その時初めて、アントワンは一度も会ったことのない家族を探し始める。

 彼の心の旅は、あの夢に見た“扉”を探す新しい道にさしかかった。その“扉”はきっと自分を受け入れてくれる。その向こうには、まだ見ぬ家族と感謝祭のごちそうが待っている——。

スタッフ

監督:デンゼル・ワシントン
脚本:アントワン・フィッシャー

キャスト

デンゼル・ワシントン
デレク・ルーク
サリー・リチャードソン
ヨロンダ・ロス

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