原題:ambivalent future: Kurosawa Kiyoshi

第3回東京フィルメックス・観客賞受賞作品::http://www.filmex.net/

2002年/日本/カラー/75分/DV,35mm/ 配給:アップリンク

2003年06月27日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年2月8日よりシネ・アミューズ他にてレイトロードショー公開

第3回東京フィルメックスティーチ・イン::http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=337

ビデオ時に変わった場合の題名 曖昧な未来

公開初日 2003/02/08

配給会社名 0009

解説


2002年4月10日、『回路』から2年振りとなる黒沢清監督の『アカルイミライ』がクランクインした。そこに参加する俳優陣は、今回の作品が初主演となるオダギリジョー、日本ばかりか最近では海外にも活躍の場を広げる浅野忠信、そして名優、藤竜也。それぞれが初顔合わせという組み合わせで東京を中心に3週間の撮影が行われた。
『暖昧な未来、黒沢清』は、写真界の鬼才・森山大道を描いた『≒森山大道』で注目された藤井謙二郎が、その撮影現場に密着して撮影を行い、俳優陣と黒沢清監督の関係を捕らえたドキュメンタリーである。
この作品の最も特徴的な点は、黒沢清監督にその『アカルイミライ』撮影中に撮られたメイキングビデオ映像を見せながら、監督自らにその撮影の過程を語らせるという独自の方法で制作されたところにある。そのインタヴューで、驚く程誠実に黒沢監督は自らの“映画制作”“演出法”そして“映画”に対して答えていく。いわゆるメイキングものの枠を越え、世界が注目する映画監督・黒沢清の創造の秘密へと迫る作品となっているのである。

ストーリー


『曖昧な未来、黒沢清』黒沢清監督 コメント再録

《アカルイミライ》
「価値観がぶつかり合って、しかし若い世代が上の世代を乗り越えて行く。そしてその先に明るい未来がある。…という、身も蓋もないテーマをズバリ題名にし、だから自分としては、やや気恥ずかしいんですけれど、これってあまりにマンマなんですけど…」
「ただ、それを勘違いしちやいけないのは、僕も含めた大人達にとって、明るいという意味ではないです。若い人達が明るい未来を作っていく、若い人達にとって明るい。それが年寄りにとっても明るい、同じ様に明るいと思う所に大変な間違いがあるということですね。それはもう、とことん価値観は対立したままです」

《撮影行為》
「どう考えてもドキュメンタリーとフィクションの境目はないです。ドキュメンタリーと言っても、ある程度やらせはあるし、フィクションと言っても、偶然起こることはたくさんありますから。程度の差はあっても同じです。ましてや後でそれを編集するという作業は全くフィクションもドキュメンタリーも同じだと思います。そこであるものを構築していくわけですね」

《暖昧な人物達》
「僕なりの普通“リアル”っていう言葉が当たっているかどうか。分かりやすく言えば、“これがリアルだろ”っていうだけですね。普通に生きている人は多義的ですからね。ハリウッド映画に出てくるような人間は、どこにもいないわけです。東京の中で今と言う時代の中で、撮らざるをえないですから。そこに出てくる人間は、いくら俳優であれ、暖昧で多義的たらざるえないわけです」

《人間ドラマ》
「実際映っているのは肉体なわけです。文字で書けば別で、人間の心理は書けますけど。誰がどう見ても映っているのは肉体なのはわかっている。映画ですから。ところがそこに心理が表れてっていうのは何らかの欺瞞…嘘がある。今回も、ある肉体としての人間が描かれていればいいと思って作り始めている。今もそうしているつもりなんですが。見ている人がともすると心理の側に引き込まれてしまう。それは俳優さんの力がすごかったっていうのもあるんですけれど、ここまでになるとは思わなかった。編集したものを自分で見ても、心理に引き込まれるんです」

スタッフ

監督・撮影:藤井謙二郎
プロデューサー:浅井隆
製作:アカルイミライ製作委員会
制作・配給:アップリンク

キャスト

黒沢清
オダギリジョー
浅野忠信
藤竜也
北村道子
原田恭明
その他『アカルイミライ』キャスト・撮影スタッフ

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