2002/カラー/113分/16mm/スタンダード 配給:ふゅーじょんぷろだくと、ラピュタ阿佐ヶ谷

2002年11月30日よりラピュタ阿佐ヶ谷にてロードショー

公開初日 2002/11/30

公開終了日 2002/12/14

配給会社名 0333/0100

解説

 東北のこの地には「腹に魂を入れる」という言葉がある。風土にまみれて見えにくい人々の腹の内の魂を感じとりたいという願いから、この作品は生まれた。
 村人たちの穏やかな笑顔の下に隠された苦しみや悲しみや怒り。この作品はそういった重々しい場面だけでなく、温かな感情に満ちた慎ましやかなシーンを徐々にとらえていく。くり返す季節を確かに生活していくことの、ささやかではあるけれど豊かな歓び、その静かな力強さがこの映画を観る者の共感を呼ぶだろう。なお、監督の加藤鉄は『グッドバイ』(’89)を東京国際映画祭に出品、『ただひとたびの人』(’93)でトリノ国際映画祭審査員特別賞を受賞している。

ストーリー

1995年4月、高レベル放射性廃棄物がフランスから六ヶ所村に初めて搬入された。その時から98年10月の使用済核燃料の受入れまでの3年半、撮影は続けられた。
 その間、原子力船“むつ”の解体、村長の交代、3回に及ぶ高レベル放射性廃棄物の搬入、使用済核燃料の受入れ是非の討論会などの記録がフィルムには収められている。だが、この作品はそうした村の社会的事件のみを追いかけるだけで無く、一人の老人(小泉金吾)の米作りの現場をとらえていく。
 核燃料用地にただ一人、土地を売らず、神社を守り、森を守り、稲を育て続ける小泉老人の生活は、そのまま静かなる闘いである。現代文明が生み出した核廃棄物が次々と村に運び込まれ、緑の大地が巨大な核基地に侵食されていくが、季節のゆるやかな巡りの中、小泉老人の自然と共に生きる日々は変わらない。70歳になった小泉老人は池畔の森の手入れを始める。

スタッフ

企画・制作:東風舎、望月 良衛
監督:加藤 鉄
撮影:山田 達也、柳田 義和
整音:田辺 信道、協映スタジオ
編集:福田千賀子
音楽:インドラ グルン、バンブーフロムアジア
協力:高田 稔

キャスト

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