ロスト・バイ・デッド
原題:LOST BY DEAD
地球が張り裂けそうな夜。 生きようとしたいけれど、心が崩れていく。 すべてを壊してやる、大切な人も自分自身も。 『バレツト・バレエ』若者で出演、辻岡正人23歳監督デビュー
2002年/日本/16ミリ/モノクロ・パートカラー/モノラル/84min 配給:辻岡プロダクション/配給協力:ゼアリズエンタープライズ
2003年8月30日よりシネマ下北沢にてロードショー
©2002 TSUJIOKAPRODUCTION / TSUJIOKA MASATO
公開初日 2003/08/30
配給会社名 0040
解説
生きようとしたいけれど、心が崩れていく。すべてを壊してやる、大切な人も自分自身も。ひ弱な子供たちはまだ、他人を思いやることを知らない。社会に押しつぶされずに自分自身が生きることすら学んでいない。生きる術を知っちゃいない。そして、心は悲鳴にあふれかえる!——崩れていく。押しつぶさないでくれ。生きていたいんだ。
自信満々だったロックバンドのボーカリスト・アキラのすべてが、恋人・真理の自殺によって崩れ始める。アキラの様子を心配する加奈の思いも無視し、バンド仲間との関係をも壊してゆく。そして真理を思い続ける真矢がアキラを責めたてる。孤独を深め、不安に身を浸し、苛立ちを招き寄せんとばかりに、アキラは、ドラッグに手をだす。チーマー軍団をけしかける。銃を手に入れる。さらに凶暴に、暴力の渦に身を投じ、すべてを壊していく。加奈も真矢もバンド仲間もまきこんで、アキラの破滅への暴走が加速する。自分を思ってくれる人も、自分自身すらもない世界へ。
『ロスト・バイ・デッド』は、塚本晋也監督作品『バレツト・バレエ』で映画初出演、若者を演じた辻岡正人の初監督作品。塚本晋也の映画作りを間近にみた18歳の辻岡はとにかく脚本を書きはじめた。そして、たった4人のスタッフとともに、22歳で作品を完成させた。軽快で過剰な暴力に満ちた10代の若者たちの姿が、色彩のないざらついた質感で描かれ、繊細なガラスと残酷なナイフが観客の心をひっかいてゆく。夜も明るい都市で殺戮テレビゲームに興じて育った、21世紀を生きる若者の実感覚映像だ。
ストーリー
地球が張り裂けそうな夜。ロックバンドのボーカリスト・アキラ(辻岡正人)の身勝手がつきあっていた真理を自殺においこんだ。からっぽになった心と体を埋ようと、アキラは暴力にまみれ、周囲の人間を傷つけていく。ついにアキラはドラッグに手を出しはじめる。アキラのファンである加奈(板谷光子)はそんなアキラを支えようとするが、内向的な性格と裏腹にその想いは強まり、精神的にパンク寸前だ。自殺した真理に人知れぬ想いを抱いていた、アキラの親友・真矢(大澤真郎)は、アキラヘの憎悪を殺意へと高めていった。
アキラは孤独と苛立ちの暗闇をさまよい続ける。傷つけたいのは自分自身。チーマー軍団との乱闘ストーカーの陰湿な奇襲攻撃!さらには日本随一の暴力団との激しい銃撃戦!!!加奈も真也もバンド仲間もまきこんで、行き場の無い想いを抱き、けっして戻ることのない時間を求めて悲鳴をあげる。
朦朧とする意識の中、自殺した真理の思い出がアキラの脳裏に甦る——。
スタッフ
監督・脚本・編集・撮影・照明・美術・録音・効果・製作:辻岡正人
撮影・照明・美術・進行・道具:上田和孝
照明・美術・進行・特殊メイク・英訳:小浜公子
撮影・美術・進行・道具:降幡剛志
製作:辻岡プロダクション
キャスト
アキラ:辻岡正人
真矢:大澤真一郎
加奈:板谷光子
真理:佐藤麻由
ベースの岬:上田和孝
ドラムの誠:多賀谷竜大
岬の女:仲村亜希子
誠の女:菅野おん
ストーカー:高谷基史
不良軍団・尾崎:降幡剛志
N01:磯本隆裕
N02:近藤籠哉
N03:和田三咲
N04:小浜公子
N05:清野紘子
暴力団・組長・黒澤:牧徹流
幹部・靖:遠藤慎二
幹部の女:石渡恵津子
真理の兄:吉家明仁
記憶の女:櫻井優子
松本玲子
星野志帆
記憶の男:志賀崇光
篠田崇
アキラを殴る女:杉山美保
翼矢を殴る男:江村弘康
真矢の婚約者:高橋愛
加奈の友人:中島亜里沙
バンドのスタッフ:大月壮太
悪医者:村上暁則
看護婦:岩子奈々意
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