原題:藍色大門/Blue Gate Crossing

誰にも言えない、初恋がある・・・。

東京国際映画祭2002コンペティション部門出品作品::http://www.tiff-jp.net/

2002年/84分/ビスタサイズ/ドルビー・デジタル/台湾・フランス合作映画/北京語/原題:藍色大門 配給:ムービーアイ、トライエム

2003年7月26日よりシャンテシネにてロードショー公開 2002年10月27日シネ・フロント、10月29日オーチャードホールにて上映

公開初日 2003/07/26

配給会社名 0244/0366

解説


カンヌ国際映画祭をはじめ、世界各国の映画祭で「新しい青春映画の傑作の誕生」として絶賛された映画『藍色夏恋』は国や文化の違いを越え、誰もが自らの青春時代や初恋の経験を思い出さずにはいられない、懐かしくも切なく胸を打つ作品だ。郷愁を漂わせる台北の街並を背景に、美しいピアノの調べに乗せて繊細かつ爽やかに描いた若者たちの揺れ動ぐ“あの頃”の気持ちは、世界中の人々の共感を呼び、ハリウッド映画が圧倒的な人気を誇る台湾においても、2002年9月に公開されるやいなや、他の自国映画に比べて6倍以上の興収をあげてNO.1大ヒットを記録し、大きな話題となった。放課後の教室、夜のプール、自転車での帰り道、親友とのお喋り、気になる異性の存在、そして初めて抱いた恋心、誰にも言えない秘密…。”今”という日々を楽しみながらも近づきつつある“未来”に不安と焦りと期待を感じながら過ごした、あの青春という懐かしい“過去”の記憶が甦る。親友が恋した男の子との微妙な関係と、誰にも言えない自分の気持ちに戸惑う女子高生のモン・ク一口㌦若さ溢れるまっすぐな
モンヘの恋心を一生懸命に伝える男子高生のチャン・シーハオ。そして、モンの親友でチャンに恋するユエチェンを加えた3人の17歳が織り成す青春の物語は、私たちがかつて過ごした古き佳き時代を想起させ、原風景のように感じさせる台北の街並を背景に、
今を精一杯に生きる若者たちの心情をリアルに紡ぎ出す。
原題の「藍色大門(英語タイトル:BLUE GATE CROSSING)」には、若者は日々の暮らしの中で大なり小なり未来に影響を及ぼす出来事に常に遭遇している、つまり毎日門を通過している、という意味が込められている。私たちは多くの門をくぐり、あのかけがえのない時間にもいつしか終わりが訪れることを知った。しかし、本作は日々の中に置き忘れてきた、そのピュアな気持ちを思い出させてくれる。
 監督イー・ツーイェンは、本作が長篇映画2作目となる新鋭。カリフォルニア大学で映画制作を学び、台湾帰国後は主にCMディレクターとして活躍する一方で、テレビドラマや映画の監督・プロデューサー・脚本家・批評家として名を馳せた。現在は『恋々風塵』(ホウ・シャオシエン)、『枯嶺街<クーリンチェ〉少年殺人事件』(エドワード・ヤン)、『ふたつの時、ふたりの時間』(ツァイ・ミンリャン)に続く台湾青春映画の名手として、世界的な注目を浴びている。ヒロインの女子高生モン・クーロウには、高校生の時に台北市内で監督にスカウトされて出演を決めたグイ・ルンメイ。演技は全くの未経験ながら、複雑な心理を抱え込んだ役を新鮮な感性で演じ、鮮烈な印象をスクリーンに焼き付けた。チャン・シーハオ役は"台湾のキムタク"と人気急上昇中の新世代アイドル、チェン・ボーリン。日本のW番組「いきなり!黄金伝説」(ANB)でココリコ遠藤章造と共に期間限定のアイドルユニット「HC3」を結成するなど幅広く活躍。本作でいよいよ映画初出演となったが、その瑞々しい演技がアジア期待の若手俳優として話題を集めている。さらに、製作プロデューサーとしてツァイ・ミンリャンの『Hole』を手掛けたペギーチャオ、編集にホウ・シャオシエン全作品で知られるリャオ・チンソンが参加。主人公たちの心情をリリカルに表現した音楽を、クリス・ホウが手掛けた。アジアから世界へ新たな才能を送り続けるアーク・ライト・フィルムスが、台湾からまた一つ、青春映画の傑作を誕生させた。

ストーリー

17歳のモン・ク一口ウ(グイ・ルンメイ)は、親友のリン・ユエチェン(リャン・シューホイ)と楽しい高校生活を送る普通の女の子。しかし、その胸の内には、将来に対する漠然とした不安と、自分でもうかみきれない複雑な気持ちを秘めていた。
モンはユエチェンを通じて、彼女が恋する水泳部のチャン・シーハオ(チェン・ボーリン)の存在を知る。夜中にチャンが秘密練習をする学校のプールを訪れたモンとユエチェン。恥ずかしがる親友の代りに「付き合っている子いる?」とぶっきらぼうに聞くモンに、チャンは好意を抱く。「本当は友達じゃなくて、お前が付き合いたいんだろ?」その日からモンに自己紹介を繰り返すチャン。[さそり座。O型。水泳部とギタークラブに所属。」
 ユエチェンは家へ遊びに来たモンに、密かに集めていたチャンの運動靴や日記、ゴーグル、ボールペン、そして、彼が飲んだペットボトルを見せる。彼の物を集めて喜びながらも、告白する勇気がないと打ち明けるユエチェンを、モンは優しく慰める。ユエチェンから、チャンにラブレターを渡して欲しいと頼まれたモンは、嫌々ながらも、学校の帰り道で自転車に乗ったチャンを追いがけ手紙を渡す。しかしララレターの差出人がなぜかモンの名前になっていた事から、3人の関係が微妙に変化していく。モンをより強く意識し始めるチャン。モンとチャンの関係に不安を感じ、名前を勝手に使ったことを後悔するユエチェン。そして親友との仲がギクシャクし始め、傷つくモン。チャンはモンに「付き合って欲しい」と告白し、彼女の自宅前で、母親が経営する屋台を毎晩訪れる。最初は親友を気遣い全く相手にしなかったモンだが、彼の一直線なアプローチと、海でのデートで垣間見た心優しい一面に好感を持ち始める。少しずつ近づいていく二人の距離。それでも、なぜか頑なに心を開かないモンに、チャンは疑問を抱く。
 ある夜、モンは人気のない体育館にチャンを呼び出し、「お互いの秘密を告白しよう」と持ちかける。そして、彼女は今まで誰にも言えなかった秘密を告白し始める…。

スタッフ

監督・脚本:イー・ツーイェン
製作:ペギー・チャオ、シュー・シャオミン
編集:リャオ・チンソン
録音:ドゥー・ドゥーツー
音楽:クリス・ホウ
美術:シァ・シャオユィ
撮影:チェン・シャン
照明:スー・ツァンヤン

キャスト

モン・クーロウ:グイ・ルンメイ
チャン・シーハオ:チェン・ボーリン
リン・ユエチェン:リャン・シューホイ
モンの母:ジョアンナ・チョウ
先生:ミン・ジンチョン
アー・ミエン:リン・シェンナン
ペペ:シー・ユアンチェ
学校の守衛:ロジャー・ホアン

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