原題:THREE

東京国際映画祭2002アジアの風部門出品作品::http://www.tiff-jp.net/ 2002年台湾金馬賞最優秀男優賞(レオン・ライ) 2002年台湾金馬賞最優秀撮影賞(クリストファー・ドイル) 2003年香港金像賞最優秀新人賞(ユージニア・ユアン)

2002年/韓国・タイ・香港/127分/カラー/ヴィスタ/R-15 字幕翻訳:古川美奈子/監修:根本理恵、鹿野健太郎、鮑智行 配給:角川大映映画

2004年10月22日よりビデオレンタル開始 2004年4月24日より 渋谷シネ・アミューズにてロードショー 2002年10月26日シアターコクーン、11月1日渋谷ジョイシネマにて上映

公開初日 2004/04/24

配給会社名 0058

解説



死の向こう側には何があるのか
恐怖に引き裂かれる。愛に涙する。

『君さえいれば/金枝玉葉』『ラヴソング』の名匠ピーター・チャンがプロデュース・監督した極上の恐怖映画トリロジー
本作は韓国、タイ、香港の3人の監督による、3つのストーリーからなるホラートリロジー。監督は、韓国版が『クワイエット・ファミリー』そして本国で興行成績№1を記録した『ア・テイル・オブ・トゥー・シスターズ(原題)』のキム・ジウン、タイ版が大ヒット作『ナンナーク』と野心作『ジャンダラ』で海外でも評価の高いノンスィー・ニミブット、そしてピーター・チャンがこのプロジェクトのプロデュースと香港版を自ら監督している。また、香港版では撮影をウォン・カーウァイ監督作品等で知られるクリストファー・ドイルが担当しているのも話題の一つである。そして、作品に共通するテーマは”死の向こう側にあるもの”。それぞれの文化に根ざす死生観から紡ぎ出された、観るものの心を鷲掴みにする恐怖と愛の物語。

第15回東京国際映画祭上映時アンケートでは大半の観客が満足と回答。終映後、感銘を受けてしばらく立ち上がれない観客の姿も。この第一級品エンターテインメントを、今回は香港版の主演レオン・ライが自らエンディング・テーマを歌っているスペシャルバージョンで上映。至高の瞬間がここにある。

ストーリー




(第1話)memories
 ソンミンは妻と娘とともに、郊外の新興住宅地に暮らしていた。しかし、ある日、妻が何の痕跡も残さず消えてしまった。その日から、ソンミンは夢と幻覚に悩まされ始める。やがて、妻に不吉なことが起こったことを確信した彼は、娘を妻の妹のもとに預けることにした。

 一方、妻の方は見知らぬ路上で目を覚ました。記憶が失われ、ここがどこか、自分が誰かも思い出せない。自分のバッグに残されたクリーニングの伝票を頼りにあちこちに電話をかけるが、それも繋がらない。やがて、彼女は見覚えのある服装をした学校帰りの少女を見つけ追いかけるが、見失ってしまう。途方に暮れ、途中立ち寄った洗面所で鏡を覗いた彼女は、驚愕した。そこには死体のように黒ずんだ顔をした自分の姿が映っていたのだ…。

(第2話)the wheel
   ”コーン・ラコーン・レク”と”ヒュン・ラコーン・レク”はいずれもタイの伝統芸能の一つ。しばしば同じ物語を演じるこの二つの様式は、しかしその演じ方がまったく違うものでもある。コーンは大衆的で、踊り手たちによって演じられている。ヒュンは対照的に美しい人形によって演じられるが、その起源は15世紀の王宮にまで遡り、高貴で神聖なものとされている。その尊さからヒュンは一子相伝の芸能として、ある一族のみにその技術は堅く守られてきた。この伝統を守るため、あるときヒュンを演じる一族の家長は、万が一にもその伝統を盗もうとする者があればその者が呪われるように人形に呪術をかけた。人形に呪いがかけられていることは広く人々に伝えられていたが、名声を求める人々の中にはそれを恐れない者もいた。

 他のコーンの演者らと激しい競争をしていたクル・トングは、ある日偶然にもヒュンの人形を手に入れた。彼は迷うことなくヒュンの演者となることを決める。貧しい生活の中、これ以上の悲劇はありえないと思い込んでいたクルは、人形の呪いを恐れようとはしない。新たな人形をも作り、ヒュンの人形劇を演じ始めたクルは、次第に名声を得、裕福になってゆく。

 ある日、クルは自分の健康が著しく害されているのに気がつく。両脚に痛みが走り、指が痺れ、また、一族の人間も病に倒れ始める。それでも以前のような貧しい生活に戻ることを恐れるクルは、人形の呪いを信じずに人形劇を演じ続ける。しかし、人形にかけられた呪いはこれで終わったわけではなかった…。

(第3話)going home
 私服警官のチャン・ワイは、仕事に打ち込むことで妻の死を乗り越えようとしていた。その分、彼は8歳の息子チュンのことを省みることがない。親子は取り壊しが近く、閑散とした共同住宅に引っ越してきたが、チュンは薄気味悪さを覚えずにはいられない。チュンは、今は閉店している古い写真館と、向かいにひっそりと暮らすユウ・ファイという男とその小さな娘に対して、言いようのない気味悪さを感じる。めったに表に出てこないユウ・ファイは、たまに見かけると必ず濁った液体を漏らしている大きなゴミ袋を持っている。ユウの部屋の窓は常に閉められていて、何故かサウナのように曇っている。そして彼は娘よりも、車椅子で暮らしているという妻にばかり気を取られているように見えた。

 ある日、チュンが行方不明になった。チャン・ワイはあちこちを探し回り、同僚の警官にも頼んで行方をつかもうとするが、一向に痕跡がつかめない。ユウ・ファイを疑ったチャンは、彼の部屋に踏み込み衝撃を受ける。すでに死んでいると思われるユウの妻が、バスタブに浸かっていたのだ。死後、時間が経っているであろうにも関わらず、ユウの妻はまるで生きているかのように保存されていた。問い詰められて、ユウは妻の首を絞めて殺したことを認めた。しかし彼は、漢方で煮出した湯に浸け、生きているままに保存された妻の身体には彼女の魂がまだ宿っており、もうしばらくすれば彼女が生き返ると断言する。チャンに秘密を知られたユウは、その秘密の漏れることと、妻の復活が妨げられるのを恐れてチャンを監禁する。自由を奪われ、気がふれているとしか思えないユウを前に、チャンは息子が彼に捕らわれていることを確信するのだが…。

スタッフ

「memories」
監督:キム・ジウン

「the wheel」
監督:ノンスィー・ニミブット

「going home」
監督:ピーター・チャン

撮影監督:クリストファー・ドイル

キャスト

「memories」
キム・ヘス
ジャン・ボソ

「the wheel」
スウィニット・パンジャマワット

「going home」
レオン・ライ
エリック・ツァン
ユージニア・ユアン

LINK

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