原題:THUNDER PANTS

いじめられっ子パトリックとオタク系発明家アランがおならの力で地球を救う!?

2002年5月24日イギリス初公開

2003年/イギリス/カラー/84分/Dolby Digital 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2004年04月23日よりDVDリリース 2004年04月23日よりビデオリリース 2003年10月11日よりシネ・アミューズにてロードショー

公開初日 2003/10/11

配給会社名 0025

解説


両親には毛嫌いされ級友だけでなく先生にまでいじめられ…冴えない少年パトリック(ブルース・クック)は信じられないほどオナラが出てしまうため、家でも学校でもつらいことばかり。でも唯一の友達であるオタク系天才少年発明家のアラン(ルパート・グリント)が、オナラパワーで空を飛ぶ“サンダーパンツ”を発明した。その世紀の発明にアメリカ宇宙センターが目をつけたことにより、2人の冒険が始まった!
そう、『サンダーパンツ!』の主人公は“オナラ少年”。物語の核は、まさしく下ネタ。こんなに放屁が高らかに響き、果てはその力で宇宙に旅立つとは、奇想天外、抱腹絶倒!しかも最後の最後でストレートに語られるメッセージに涙を押さえることができないとは!ハリー・ポッターシリーズのルパート・グリントと期待の新人子役ブルース・クックが演じる、自分の悩みの種から才能をさかせ夢をかなえる2人の姿に感動するNASA公認(?)スペースBOO BOOムービーが誕生した!
イギリス映画らしいといえば、そのシニカルさ。現代英国の労働者階級の社会状況を美化することなく描くリアリスティックな視点は、ケン・ローチやマイク・リー作品さながら。たとえばパトリックのオナラの威力に困り果てたお父さんは妻子を棄てて家を出てしまうし、残されたお母さんもまたアル中へ転落。世間とは逆に、彼の特殊能力を買って世界巡業の旅へと連れていくオペラ歌手さえ、自分の立身出世のためにパトリックを利用しているにすぎない。そんななかで唯一、パトリックの“才能”に可能性を感じているのは、アタマが良すぎてやはりクラスの爪はじきになっている天才少年発明家のアランだけ……。この徹底したオトナ的論理への不信感は、なんとエンドクレジットのおまけエピソードにまで続くのである!
それでも本作には、明日への可能性を信じる強く積極的な心がみなぎっている。自分の置かれた境遇に悲観したり、苦しさに甘えて自暴自棄したりすることなく、絶望からの出口を探し求めてついに勝利を掴むパトリックの姿には、誰もが前向きな展望とパワーを授けてもらった気分にさせられることだろう。
こんなユニークな作品を発案・脚本(共同)・監督したのはピーター・ヒューイット。キアヌ・リーヴスがブレイクするきっかけとなったカルトなバカ映画『ビルとテッドの地獄旅行』(’91)や、70年代イギリスカルチャーを背景に風変わりな人々が織りなす人間模様をブラックな笑いで描いた秀作『ハロルド・スミスに何が起こったか?』(’99)などで知られるエンタテインメントの才人だ。主演の子役2人は、映画『ハリー・ポッター』シリーズで主役ハリーの友人、ロン・ウィーズリー役でおなじみのルパート・グリントがアランA.アレン役を、これで映画デビューとなるブルース・クックがパトリック・スマッシュ役を演じている。監督の出演者の個性を引き出しつつも“子供に媚びない”演出にたくみに応え、活き活きとした演技を見せている。
 

ストーリー



ぼくはパトリック・スマッシュ(ブルース・クック)。小学校に通うふつうの…いや、ちょっと太りぎみの生徒だ。実はぼくにはとっても深ぁい悩みがある。それは信じられないほどオナラがたくさん出ること。そのせいでお父さんは家を出ていったし、お母さんはお酒ばかり飲み始めたし、お姉ちゃんは口をきいてくれなくなっちゃった。学校でもつらいことばかり。校長先生にはなじられ、友だちにはからかわれ、校庭ではいじめられ……でもぼくは、たったひとりの強い味方に出会えたんだ。彼はアランA.アレン(ルパート・グリント)、同い年なのに天才発明家。でも鼻がきかないから、ぼくのオナラもへっちゃらなんだ。
校庭でいじめられる者同士、ってだけじゃないけれど、ぼくたちはとってもウマがあった。ぼくの夢は宇宙飛行士、アランの夢は発明家。ある日アランはぼくのために、おなかのガスが外に出ないようにするための特別な服を作ってくれた。その名は“サンダーパンツ”。これで、人前で突然おならが出ても心配ないし、どんなに豆を食べても大丈夫なんだ!
…でもそのころ、ぼくらは誰かに見張られてることに全然気づいていなかった。
ところでぼくの胃袋はふたつあって、それが新型エンジンの構造とそっくりなのを発見したアランは大興奮。さっそくぼくのオナラの力で浮き上がるホバークラフト“サンダーパンツ2号”をひっさげて、鳥人間コンテストに出場した。もちろんぼくたちは優勝さ!でも……それからがいけない。ぼくのたったひとりの理解者アランが、黒いスーツの男たちに外国へ連れていかれちゃった!!
ぼくは“世界第二位のオペラ歌手”サー・ジョン・オズグッドに誘われるままに世界巡業の旅に出た。サーはぼくのオナラの音が、この世で歌われた一番高い音と同じ音程なのに目をつけて、ライバルを出し抜く魂胆なんだ。もちろん、ぼくの目的はただひとつ、友だちのアランを探すこと!
でも悪だくみは長続きはしない。サーの成功を疑ったライバルがぼくの“仕事”に勘づいた。それからはもう、なんだかよく判らない。知らないうちにぼくは殺人犯として死刑を宣告されちゃったんだあ!!
目隠しをされ、壁の前に立たされ、銃弾がぼくの身体を……と覚悟した瞬間だった。ジョンソン・J・ジョンソンという黒いスーツのFBIのおじさんが現れて、ぼくを飛行場までつれてったのは。着いたところはUSSC(アメリカ宇宙センター)。そこで出会ったのは、いつもTVで見てたUSSC責任者のシェパード将軍。案内された研究室では……やっぱりアランが笑っていた!!
でもぼくらは、再会をよろこんでる余裕もなかった。なんだか宇宙では重大な問題が起きているらしい。それを解決するには、なんとぼくの“才能”が必要みたいなんだ。さあ、いよいよぼくとアランの夢を実現する時がきた!
目の前には巨大なロケット“サンダーパンツ3号”がそびえ立っている。ぼくは宇宙服を身につけて、そして……。

スタッフ

監督:ピーター・ヒューイット
製作:グラハム・ブロードベント
   ダミアン・ジョーンズ
脚本:フィル・ヒューズ
撮影監督:アンディ・コリンズ
編集:マイケル・パーカー
衣装:アン・マスクレイ
プロダクション・デザイン:クリス・ループ
音楽:ルパート・グレッグソン・ウィリアムス

キャスト

アランA.アレン:ルパート・グリント
パトリック・スマッシュ:ブルース・クック
ジョン・オズグッド卿:サイモン・キャロウ
エドワード・シェパード:ネッド・ビーティ
ジョンソン・J・ジョンソン:ポール・ジアマッティ
アンソニー・シルク:スティーヴン・フライ

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