ドラゴンヘッド
原題:Dragon Head
絶望、という未来。
2003年/日本/シネマスコープ/ドルビーデジタル/122分 配給:東宝
2004年02月27日よりDVDリリース 2003年8月30日より東宝邦画系にてロードショー公開
公開初日 2003/08/30
配給会社名 0001
解説
21世紀を迎えても、益々濃くなる「終末」的空気。これまでのコミック・映画で描かれる「終末」は、何らかの形で「ヒーロー」が現れ壊滅的状況を打破するパターンのいささか食傷気味なものが多かった。しかし『ドラゴンヘッド』は、そのような既成作品と全く違うスタンスで「終末」を描き、累計650万部に及ぶコミックス単行本売上を記録。男女を問わず10代から30代の読者の支持を得た漫画である。(原作者・望月峯太郎氏は、他の作品『バタアシ金魚』『座敷女』『鮫肌男と桃尻女』『バイクメ〜ン』も同様のセールスを遂げている漫画家)
そんな『ドラゴンヘッド』に登場するテルとアコは、ごく平凡で無力な存在である。彼らが崩落したトンネルから脱出し、荒廃しきった都市を東京目指して歩く途上で出会う様々な「恐怖」と「狂気」。物理的のみならず精神的に極限状態に陥った人間達が生き、泥流や噴煙が冷酷にも凄まじい勢いで襲い掛かる世界を歩くテルとアコの姿に、読者が自身を重ねて没頭していったことが容易に想像できる。現代に生きる人間なら誰もが一度は思い描く「絶望」「閉塞」というイメージを『ドラゴンヘッド』はその世界観において非常に巧みに、そして象徴的に具現化している作品であると考えられる。また観客が「自身の視点」で極限状態を擬似体験していくことは、エンタテインメント映画における最も重要なファクターである。それと共に映画『ドラゴンへッド』では「人間が生きる」ことの意味を問い、人間にとって何が最も大切かを問うテーマを据え、閉塞した現代社会に風穴を開ける問題作として提起して行きたいと考えている。そして、自分が『黄泉がえり』で手掛けた「感動」というクォリティも保証していきたいと思っている。単なる希望ではなく、「圧倒的な絶望の先にある希望」ということを深い感動として伝え、人々の心を動かしていきたい、と思っている。『ドラゴンヘッド』はそのスケール、テーマともに「映画化」にふさわしく、その「映画化」に伴うムーヴメントが若者達を始め多くの人々を巻き込んで行くことだろう。『ドラゴンヘッド』における終末世界とそこでの「生」といったものがいったい今の日本にどんな波紋を起こしていくのか、大いに楽しみなところである。
ストーリー
修学旅行帰りの高校生青木テル(妻夫木聡)を乗せた新幹線は原因不明の事故に遭遇し、静岡のトンネル内に閉じ込められる。車体は無残に壊れ乗客のクラスメートが全員即死した中、テルの他に、同級生の瀬戸アコ(SAYAKA)と高橋ノブオ(山田孝之)だけが奇跡的に生き残る。3人は救助を待つものの、ノブオは暗闇の恐怖に飲み込まれ、狂気に走っていく。一方、テルとアコは襲いかかる闇の恐怖から逃れ、トンネルから脱出する。しかし、地上で二人を待っていたのは白い灰が降る荒廃しきった大地だった。一体何が起こったのか?天変地異なのか?核爆弾なのか?タイムスリップなのか?絶望と希望が交差しながら、2人は東京を目指す。そして、地上で生き残っていた狂気溢れる脱走自衛官・仁村(藤木直人)や暴徒と化した人々、龍頭(りゅうず)と呼ばれる謎の存在が二人の前に現れる。世界は本当に終わってしまったのだろうか?そして、テルとアコはどうなってしまうのか?
スタッフ
監督:飯田譲治
原作:望月峯太郎「ドラゴンヘッド」(講談社ヤングマガジンKC刊)
製作 プロデューサー:平野隆
製作総指揮:近藤邦勝
共同製作総指揮:濱名一哉、神野智
協力プロデューサー:下田淳行
脚本:NAKA雅MURA、斉藤ひろし、飯田譲治
撮影監督:林淳一郎
美術監督:丸尾知行
ビデオエンジニア:鏡原圭吾
照明:豊見山明長
録音:井家眞紀夫
VFXプロデューサー:浅野秀二
VFXディレクター:立石勝
視覚効果デザイン:樋口真嗣
キャスト
テル:妻夫木聡
アコ:SAYAKA
ノブオ:山田孝之
仁村:藤木直人
岩田:近藤芳正
松尾:根津甚八
安藤:寺田農
福島:谷津勲
シュン:大川翔太
ジュン:吉岡祥仁
松重豊
奥貫薫
街田しおん
藤井かおり
嶋田久作
角田幸恵
宮嶋剛史
原田佳奈
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