2003年／日本／ビスタサイズ／カラー／109分／モノラル／ 配給：グルーヴコーポレーション、ゼアリズエンタープライズ

2003年4月26日より銀座シネパトス、ヴァージンシネマズ浜松にてロードショー

© 2003「夢　追いかけて」製作員会

公開初日　2003/04/26

配給会社名 0031/0040

解説



全盲の金メダリスト、河合純一先生の勇気の実話が、私たちに与えてくれる真の感動、そして涙。

＜全盲の金メダリストー河合純一先生。＞
河合純一。彼は、生まれつき左目の視力がなく、そして中学3年の時に右目の視力も失いました。幼い時から泳ぎ続けていた純一少年は、まっ直ぐに泳ぐことが困難になった時、1日8000m泳ぐことを自らに課しました。「夢は実現してこそ夢」。この映画は彼のパラリンピック出場、そして念願の教師になり成長していく、愛と希望と勇気を描いています。

＜パラリンピックー障害者のオリンピック＞
1951年、イギリスから始まり、1964年に開催された東京大会で「パラリンピック」と呼ばれるようになったこの大会名の由来は“、Para(もう一つの）”という解釈が定着しています。障害のある人たちに高水準の競技に参加する機会を与え、世界にパラリンピックの精神を広め国際親善を図ることを目指して、4年に一度開催されています。河合純一は1992年バルセロナ、1996年アトランタ、2000年シドニーの各大会に出場し、現在までに金メダル4を含む、計14個のメダルを獲得しています。

＜浜名湖発学び座—人と人との輪＞
誰にとっても忘れられない先生はいるもの。河合少年にとって、生まれ故郷の舞阪で、全盲の苦しみを支えてくれた森田先生との出会いは生涯忘れられない大切な宝物になりました。家族はもちろん、先生、友人、そして地域社会の人々との心と心のつながりの輪が広がっていく、そんないま忘れがちな人と人との素朴な輪が心に静かに響きます。

＜静岡県浜名郡舞阪-近代日本の基＞
ロケ地であり、河合純一の生まれ故郷舞阪は、静岡県西部、浜松城を望み、浜名湖と遠州灘に囲まれ、そして弁天島温泉街を控える風光明媚な観光の町。そしてこの地域はヤマハ楽器や河合楽器、トヨタの基を築いた豊田佐吉やホンダの本田宗一郎など日本をリードする文化や産業の優秀な人材を生み出してきた地でもあります。

＜名優と期待の若手、そしてモデル本人の出演—皆の力で出来た映画＞
恩師の森田先生役に三浦友和（『なごり雪』、NHK大河ドラマ『利家とまつ』）、純一の母親役に田中好子(『黒い雨』、NHK連続TVドラマ『ちゅらさん』)、主人公の少年時代を演じるのは勝地涼（『パコダテ人』、TVドラマ『永遠の仔』『新・愛の嵐』)。そして河合純一本人が自身の役で俳優として出演しています。この他、船越英一郎や江藤潤などベテラン俳優勢が脇を固め、ドラマに厚みを加えています。また生徒役にオーディションで選ばれた地元舞阪中学の生徒たちをはじめ、たくさんの舞阪町の皆さんが協力。素敵な映画になりました。

ストーリー



静岡県浜名郡舞阪町。この町で、家族そして周囲の人々の愛と豊かな自然に囲まれ、育ってきた河合純一。生まれつき視力の弱く、既に右目の視力しか残されていなかった彼が目の手術を受けたのは3歳の時。成功したかにみえた手術でしたが、初めて見る美しい夕暮れに喜ぶ純一の傍らで、医師(江藤潤)は母好子（田中好子）にいずれは全ての視力が失われてしまうと宣告するのでした。幼い時から泳ぐことが大好き、視力の弱さにめげることなく、水泳の練習にいそしんできた純一（勝地涼）。しかしある日、電気もつけず、真っ暗な風呂に入っていることに母が気づいたのは中学3年生の時でした。

まっすぐに泳げない、ターンのタイミングがわからない。悔しさに、水泳部の主将でありながら大会への出場の辞退を口にする純一。しかし、熱血教師森田（三浦友和）と家族、クラスや部の仲間の厳しく暖かい励ましの中で、自分の泳ぎを身につけていったのです。そして高校進学。家族のもと、そして故郷を離れ、彼は、東京の盲学校、そして大学に行く決意をしました。純一が見つけた将来の目標。それは「先生になること」—困難に立ち向かっている人々やこれから巣立っていく若い力の手助けになること、そして「泳ぎ続けること」で自分自身が得た勇気を人々に伝えること。

そして念願の教師として純一（河合純一）は故郷の舞阪に帰ってきました。健常者である生徒に、全盲の自分が教師として伝えられること、伝えたいこと。一人前の教師を目指す彼の真摯な姿は周囲の人々の心をとらえていったのです。

そんなある日、三度目の挑戦となるシドニーパラリンピックに出場決定の報が届きました。周囲の期待の中、真夜中のプールで懸命に練習する純一先生の姿。その姿は、一人の教師として人間として、“夢をもつこと、そしてその実現に向けて努力することの大切さ”という河合純一のメッセージそのものでした・・・。

スタッフ

原作：「夢　追いかけて」「生徒たちの金メダル」河合純一
　　　「夢をつなぐ」澤井希代治
監督：花堂純治
脚本：布施博一
エグゼクティブ・プロデューサー：尾川　匠
プロデューサー：野辺忠彦（グルーヴキネマ東京）／松葉せつこ／須永裕之
製作統括：?橋雅宏（グルーヴキネマ東京）／有堀雅樹
音楽：安川午朗
撮影：瀬川　龍
照明：工藤和雄
美術：太田喜久男
録音：西岡正巳
編集：菊池純一
スクリプター：吉田久美子
助監督：猪腰弘之
制作担当：武石宏登
題字：赤松陽構造
配給：グルーヴコーポレーション／ゼアリズエンタープライズ
製作：グルーヴコーポレーション、グルーヴ東京

キャスト

三浦友和
河合純一
勝地涼
北見敏之
船越英一郎（友情出演）
江藤潤（特別出演）
田中好子
栗田梨子
永山たかし

舞阪中学の生徒さんたち
舞阪町ほか静岡県の皆さん

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