原題:Panic

渇望が漏出する・・・ プロの殺し屋が人生を変えようとする時、 彼の脳は崩壊し始める… ウィリアム・H・メイシー、ドナルド・サザーランド、ネーヴ・キャンベル、 3人の名優が挑んだサイコロジカル・サスペンスの傑作!!

2000年サンダンス映画祭正式出品作品

2000年12月1日全米初公開

2000年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/88分/ドルビーSRD 提供:日本ビクター 配給:エスピーオー

2008年03月07日よりDVDリリース 2003年02月21日よりDVD発売開始 2002年11月16日よりシネマメディアージュにてロードショー

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公開初日 2002/11/16

配給会社名 0116

公開日メモ 渇望が漏出する・・・プロの殺し屋が人生を変えようとする時、彼の脳は崩壊し始める… ウィリアム・H・メイシー、ドナルド・サザーランド、ネーヴ・キャンベル、3人の名優が挑んだサイコロジカル・サスペンスの傑作!!

解説



2000年サンダンス映画祭で上映、作家でもある新鋭監督ヘンリー・ブロメルのスリリングでスピリチュアルな作品世界と、主演のウィリアム・H・メイシーをはじめ、名優ドナルド・サザーランド、トレーシー・ウルマン、ネーヴ・キャンベル、バーバラ・ペインら個性豊かな俳優陣による見事なアンサンブルが批評家・ジャーナリストから特筆すべき賞賛を受けた『パニック 脳壊』がいよいよ日本上陸。

ウィリアム・H・メイシー演じるアレックスは、6歳になる一人息子と妻マルサと幸せに暮らしているかのように見えるが、人生も半ばを過ぎ悩んでいた。アレックスは父から引き継いだファミリービジネスを辞めたいと考えていた。そのビジネスとは“殺し屋”。誰にも話すことのない悩みを抱え混乱するアレックスはセラピーに通い始める。病院の待合室で、同じくセラピーを受けている若く魅力的な女性サラと出会い、一目で恋に落ちてしまう。そんなとき、アレックスに新たな仕事の依頼が舞い込んでくるが…。

『ファーゴ』でアカデミー助演男優賞ノミネート、インディペンデント・スピリット・アワードの助演男優賞受賞、最近では『ジュラシック・パークⅢ』『マグノリア』が記憶に新しい主演のウィリアム・H・メイシー。本作では彼の風貌や雰囲気、これまでの役柄から醸し出されるイメージとは異なり、殺し屋として生きてきた男が人生半ばを過ぎた時、自らの心の奥底に替む“欲望”や“寂蓼感”の噴出に苦悩する姿を熱演。内面に強さを秘めながらも.年齢を重ねてきた男の静寂美と、脳の中で渦巻く葛藤に悲壮感を漂わせながら崩壊していく激烈な怒りの二面性が、まさに“脳壊”へと突き進む過程を表現し、観客の心を捉えて離さないだろう。

そんなメイシーを脇で支えるのが名優ドナルド・サザーランド。ヒーローから悪役まで何でもこなせる性格俳優サザーランドは本作でも幼い子供に殺しを伝授する、厳しい、エキセントリックな父親役を怪演。またメイシーが恋に落ちるセクシーな女性サラに『スクリーム』シリーズで人気を博したネーヴ・キャンベル。困惑する夫の傍らで妻として母としての強さをひたむきにまっとうするマーサに『おいしい生活』『アリー my ラブ』のトレーシー・ウルマン、悩める殺し屋を担当するセラピストに『スリング・ブレイド』のジョン・リッターが好演。

メガホンを取ったのは本作が初の長編劇場作品となるヘンリーブロメル。CBSのTVドラマ『シカゴホープ』やNBCの『ホミサイド/殺人捜査課』で製作総指揮を務めた彼は作家としても活躍しており、その著作でホートン・ミフリン・フェローシップ・アワード、O・ヘンリー賞を受賞している実力派。その才能を本作の脚本でも余すところなく発揮し、スリリングでシニカルな妙味を効かせたサイコロジカル・サスペンスの傑作としてサンダンス映画祭で高い評価を受けた。

ストーリー



ミドルエイジの紳士アレックス(ウィリアム・H・メイシー)は、両親と最愛の妻、そして幼い息子に囲まれ、何不自由ない生活を送っているかのように見えた。しかし、アレックスは悩んでいた。人生の半ばを過ぎて危機感を抱いた彼は、長年、父マイケル(ドナルド・サザーランド)の下でやってきたファミリー・ビジネスを辞め、新たな生活を始めたいと考えるようになる。問題はそのファミリー・ビシネスというのが殺し屋稼業だということだ。殺し屋を引退することを父が許さないということをアレックスはわかっていた。
誰にも相談できない彼は考えたあげく、セラピストのパークス(ジョン・リッター)のところへ出かけて行く。その待合室で、ある若い女性——23歳の魅力的な美女サラ(ネーヴ・キャンベル)——とアレックスは出会い、一目で彼女に魅了されてしまう。彼は、セラピストに自分が殺し屋であることを告白するが、信じてもらえず、話を途中で止め立ち去るのだった。
何も問題は解決していないが、サラのことが忘れられないアレックスは、セラピストの元へ通い始める。やがてサラと打ち解け始めたアレックスは、彼女にますます魅かれていく気持ちを押さえきれず、夜、電話をしたり、彼女の家の前までやって来たりと自分の行動をコントロール出来なくなっていく。
そんな中、父親から新たな殺人命令が下る。ターゲットの写真を見た瞬間、アレックスは愕然とする。まさにその男とは、彼が通っているセラピストだった。
こうして父親の命令に逆らえないアレックスの苦悩は、さらに深まって行く。
ある日、ターゲットを尾行していたアレックスは、風体の悪い男たちに襲われているセラピストを助けてしまう。セラピーを再度訪れたアレックスは、セラピストになぜあの場所に居合わせたのかを聞かれるが、「偶然通りかかった。」とだけしか答えなかった。
そんなアレックスの言動から、次の殺人の夕ーゲットが自分であると気づいたセラピストは、警察へと密告する。
サラヘの気持ちがますます募ったアレックスはついに意を決し、彼女の家を訪ねるが、自分の気持ちをうまく伝えられない彼は、苛立つ彼女に謝りその場を立ち去ろうとする。ところが彼のそんな行動が気になった彼女は、愛人になる条件を出すのだが、その口論のはずみからふたりは関係を持ってしまう。
夫の行動に不審感を抱いたマーサ(トレーシー・ウルマン)はアレックスを問いただし、嫉妬と怒りを爆発させる。アレックスはマーサを抱きしめながら、自分自身、コントロール不能の現状に焦燥感を感じるのであった。
そんな時、息子のサミー(デイヴィッド・ドーフマン)が「今日悪いことをした」と告白をする。昼間、マイケルに連れられて森へ行き、リスを殺したというのだ。それはアレックスが幼い頃、初めて父から銃の撃ち方を教わったレッスンそのものであった。アレックスはマイケルが自分の息子まで殺し屋にしょうとしていることに驚愕し、家を飛び出す。

サラとの関係、妻と息子への愛情、父親との確執、殺人の仕事と彼を取り囲む状況に困惑しながらアレックスの車は父、マイケルの家へと向かうのだった……。

スタッフ

監督・脚本:ヘンリー・ブロメル
製作総指揮:デイヴィッド・クーパー
製作:アンドリュー・ラザー、ロリー・ミラー、マット・クーパー
撮影:ジェフリー・ジャー
美術:ダン・ビショップ
編集:リンジー・クリングマン、シンディ・モロ
音楽:ブライアン・タイラー
衣装:スーザン・マセソン
製作会社:ヴォールト、マッド・チャンス・ブロダクション

キャスト

アレックス:ウィリアム・H・メイシー
マイケル:ドナルド・サザーランド
サラ:ネーヴ・キャンベル
マーサ:トレーシー・ウルマン
パークス:ジョン・リッター
サミー:デイヴィッド・ドーフマン
トレーシー:ニコール・トム

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