原題:storytelling

ソロンズはアメリカを差別する!

2001年カンヌ映画祭「ある視点」部門招待作品 2001年ニューヨーク映画祭正式出品

2002年1月25日全米初公開

2001年/アメリカ/カラー/ヴィスタサイズ1:1.85/87分/ 配給:シネカノン

2003年09月05日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年11月16日よりシブヤシネ・アミューズにてレイトロードショー公開

公開初日 2002/11/16

配給会社名 0034

公開日メモ 物語は<フィクション>とくノンフィクション〉の2部構成。〈フィクション〉では女子大生ヴァイと障害者のカレ氏、モしてピューリッツァー賞作家である黒人のスコット教授をめくるカレッジ・ライフ、〈ノンフィクション>では長男スクーピー=モヤモヤ頭の落ちこぼれ受験生、次男ブレイディ=モテモテ花形アメフト選手、三男マイキー=謎の催眠術を操る小5の優等生を抱えたリビングストン家の受難が描かれる。

解説


96年『ウエルカム・ドールハウス』、98年『ハピネス』人間の心のダークサイドを愛と希望と絶望の眼差しで描き続けてきたトッドソロンズ監督、待望の新作が堂々無修正公開!物語は<フィクション>とくノンフィクション〉の2部構成。〈フィクション〉では女子大生ヴァイと障害者のカレ氏、モしてピューリッツァー賞作家である黒人のスコット教授をめくるカレッジ・ライフ、〈ノンフィクション>では長男スクーピー=モヤモヤ頭の落ちこぼれ受験生、次男ブレイディ=モテモテ花形アメフト選手、三男マイキー=謎の催眠術を操る小5の優等生を抱えたリビングストン家の受難が描かれる。そこにあるのはアメリカ社会における人種、階級、障害、性、学歴あらゆるモラルに対するツッコミ、さらけ出されるタブーの連打!ソロンズ、アメリカを差別する!
 映画がはじまって約20分後の、女子大生ヴァイとスコット教授の衝撃シーン。対するアメリカ映倫(MPAA)は当然、NC-17〔18歳未満入場禁止〕を要請。そこでソロンズは巨匠キューブリックが『アイズ・ワイド・シャット』で使った手を『2001年宇宙の旅』と抱き合せで応用。該当箇所をギリギリ隠すどころか、巨大なモノリス(しかも赤色)を建てて目いっぱい隠してしまう。そこで観客は巨大な鉄板に阻まれながら、あの問題のセリフを聞かされることにもちろんこのシーンだけじゃない、観客に気まずい思いをさせる天才ソロンズの名人芸は今回も炸裂!前作までは笑っていられた観客もメディアもついに困惑、果たしてこの映画はサイアクなのか、サイコーなのか!?
幸せでなさそ一なヒトたちが幸せを追いかける姿を見ながら本当の幸せってナニ?と考えさせられた『ハピネス』。本作ではいよいよ、事実と虚構はどこが違う?という深淵な問いにたどりつく。ソロンズは現実が作り上げられるために用いられているフェイクを浮き彫りにし、あらゆる偽善にヘドを吐き容赦なく痛いトコロを突きまくり、自分自身にだってヤジを飛ばす。いったい誰が加害者で、誰が被害者なのか?コトの真偽はどこにあるのか。もしかしてこれはただのギャグなのか。「それが事実であるかどうかは関係ない。事実なんてものは、文章に書かれた瞬間からすべてフィクションになるのだ」ソロンズはSMプレイ好きのスコット教授に、こう語らせているのだが・・・。
 サイアクな境遇に陥る登場人物たちを見事に演じきったキャスト陣。そして彼らを彩る甘〜いサントラ(ただしチョットだけ)!!
堅物で巨漢のユダヤ系パパを演じる、コーエン兄弟作品での怪演でおなじみジョン・グッドマン、ゲイじゃないけどゲイの友だちにやらせてあげちゃう落ちこぼれ受験生スクービーを演じるのはもはやブレイク必至のマーク・ウェバー、そして本作での「体当たり演技」がまた作品の幅を広げたセルマ・ブレア、『KIDS』でさまよえる10代を体現してもCPを演じるのは初めてなレオ・フィッツパトリック、ソロンズの分身にも見えるドキュメンタリー映画作家(志望)トビーを演じるベテランのボール・ジアマッティ。今回もまた、エグい役柄にもひるまない勇気ある個性派キャスト陣が、ソロンズ`ワールドのためにこぞって集結!
そしてサントラはスコットランド出身のベル・アンド・セバスチャン。「主婦がお気に入りの洗剤の箱を撫でている感じの音でね」という監督の難儀なリクエストに果敢に応え、サイアクな物語に一時の安らぎを与えてくれている。

ストーリー


<フィクション>。
80年代中頃のニュージャージー。女子大生ヴァイには同級生で脳性小児マヒ〔CP=
Cerebral Palsy)をもつカレ氏マーカスがいる。ふたりは揃って黒人のスコット教授によるクリエイティブライティングのクラスを受講している。スコット教授は『日曜のリンチ』という作品でピューリッツアー賞を受賞しながらも、結局大学の教職で生活している。ある日のこと、マーカスの作品が教授に酷評されたことがもとでふたりは大喧嘩。むしゃくしゃしたヴァイはその夜バーで教授と偶然出会い、その足で彼の家に行ってしまう。ところが教授にはとんでもない秘密があった・・・。
<ノンフィクション>。
現在のニュージャージー。靴屋の店員として生計を立てているトビーはドキュメンタリー映画作家志望。10代の若者をテーマに作品を撮ろうと、自分の母校を訪ねることにする。そこで出会ったのは無気力、無関心、勉強はもちろん女の子にもすべてヤル気ナシの落ちこぼれ受験生、スクービー。彼に目をつけたトビーはさっそく家族に撮影許可を申し込みに行く。スクービーはユダヤ系の典型的アメリカンファミリー、リビングストンー家の長男だ。家長は堅物の巨漢で、縛り付けてでもスクービーに大学を受けさせようとするマーティ、そして次男ブレイディは花形アメフト選手で学校の人気者、三男のマイキーは謎の催眠術を操る小5の優等生でかなり付き合いにくいタイプ。そんなリビングストン家にはエルサルバドルから来た家政婦コンスエロもいる。撮影は一見順調にすすむようにみえたが一家を待ちかまえていたのは思いがけない災難の連続だった・・・。

スタッフ

監督・脚本:トッド・ソロンズ
プロデューサー:テッド・ホープ、クリスティン・ヴァション
撮影監督:フレデリック・エルムズ
編集:アラン・オクスマン
プロダクション・デザイン:ジェイムズ・チンランド
衣裳デザイン:ジョン・ダン
キャスティング:アン・グールダー
音楽:ベル・アンド・セバスチャン、ネーサン・ラーソン

キャスト

ヴァイ:セルマ・ブレア
マーカス:レオ・フィッツパトリック
スコット教授:ロバート・ウィズダム
マーティ・リビングストン:ジョン・グッドマン
トビー・オクスマン:ポール・ジアマッティ
スクービー・リビングストン:マーク・ウェバー
映画製作の編集者:フランカ・ポテンテ

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