原題:THEY

『スクリーム』シリーズで世界を震撼させた"マスター・オブ・ホラー" ウェス・クレイヴンが放つ、戦慄のサイコ・ホラー!

2002年11月27日全米初公開

2002年/アメリカ/89分/スコープサイズ/ドルビーデジタル、S.D.D.S./5巻・2,438m/ 字幕翻訳:アンゼたかし/ ギャガ・ヒューマックス共同配給/協力:日活/配給協力:シナジー

2003年08月22日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年08月22日よりDVDリリース 2003年3月8日より渋谷東急3ほか全国ロードショー!!

©2002 THEY PICTURES, INC. All Rights Reserved.

公開初日 2003/03/08

配給会社名 0025/0145

公開日メモ 漆黒の闇から現れる“彼ら”。あなたの周りにも“彼ら”はいる…。闇から逃れることはできるのか?新感覚スリラー登場。

解説



サイコロジカル・スリラーとホラーをミックスした『インプラント』は幼年期の恐怖と成人してからそれらが突然たち現れてくるときの出来事を描いた作品である。『ローズマリーの赤ちゃん』や『ジェイコブス・ラダー』のように、本作は子供や大人にとり憑く邪悪な存在が、外界に存在するのか、あるいは精神に内在するものであるのかを探求している。

ブレンダン・フッドの脚本を読んですぐ、プロデューサーのトム・インゲルマンは「生活の些細な出来事が人を恐怖に陥れる」というテーマに興味をそそられたという。「それは暗いガレージや寝室のクローゼットやベッドの下の隙間だったり」そうインゲルマンは言う。「こういったものには独特の雰囲気があって、ちょっとした恐怖の瞬間と結びつくものだが、それらはまだこの物語の中枢を担ってはいなかった。」脚本が稿を重ねていた頃、ある夜インゲルマンの息子が悪夢に悲鳴を上げて目覚め、そのとき突然、見えなかったテーマが心に浮かんだという。「そこから私やレイダー・ピクチャーズの人間たちにも面白い可能性が次々に浮かんできたんだ」と彼は説明する。

ストーリーがまとまってきたので監督探しの作業に移ったが、これは簡単に決まった。「レイダー・ピクチャーズからロバート・ハーモンの名前があがった」とインゲルマンは言う。「彼はホラー、スリラー映画ファンの間では古典的作品になっている『ヒッチャー』(85)の監督。彼なら本作に緊張感とこの作品に相応しい重苦しい感じをもたらしてくれるはずだと私たちは確信しました。」ハーモンとの契約が済むとすぐ、大変な難題が持ち上がった。「準備期間が6ヶ月しかないのに、脚本家と俳優のストが差し迫っていたのです」とインゲルマンは言う。資金の調達が済み、一行はバンクーバーの撮影スタジオ、スタッフそしてキャストの確保を急いだ。

まずジュリア役を決めなければならない。「ニューヨーク、ロス、サンフランシスコそしてカナダと探しまくっても見つからず、3ヶ月が過ぎる頃にはかなり自信をなくしていました」とインゲルマンは言う。「ジュリア役は美人であることはもちろんのこと、弱さも持ち合わせ、感情移入できるタイプでなくてはなりませんでした。彼女の人生が危うくなったときに、観客は何かを感じられなくてはならないからです。」そしてついに閃光のようにその瞬間が訪れた。「ローラが部屋に入ってきたとき、彼女こそがジュリアだと確信したのです」そう彼は説明する。

リーガンはすっかりこの役にほれ込んでいた。彼女は言う。「心底ジュリア役に惚れ込んでいました。彼女はとても聡明な大学院生。努力家で意志の強い女性でもある。彼女は現代の若い女性の理想を体現していると思うわ。女らしくて野心的で高い教育を受けていて望むものはすべて追い求めるけれど、繊細で優しい部分も持ち合わせているの。」役柄分析に加えて、リーガンはキャストもスタッフもとてもフレンドリーで協力的だったと振り返る。ストーリー展開の大部分はこの女優1人の双肩にかかっていたが、彼女は苦もなく乗り越えた。リーガンの恋人を演じたマーク・ブルーカスは言う。「ローラがこの映画を支えていた。『エイリアン』のシガーニー・ウィーバーのように、これは彼女の作品なんだ。」

ジュリアと固く結ばれている救急医療技術者の恋人ポールについて、インゲルマンはこう言っている。「本作には観客が抱くであろう疑問を代弁してくれる役柄が必要だったんです。」ブルーカスは様々な事象の傍らに立つ理性的で何でも安易に信じようとしない人間を演じるには適役だった。「役者としての能力だけではなく、彼はあらゆる魅力を発揮してくれました」とインゲルマンは説明する。自身の役柄に関して言えば、ブルーカスは本作のテーマに難なく感情移入することができたという。なぜなら子供の頃必死でお化けを追い払わなければならなかったことを思い出したからである。「クローゼットの扉は閉めておかなければならなかったけど、僕のベッドルームのドアは開けっ放しで廊下の電気はつけっ放しだったんだ」とブルーカスは言う。「想像力ってこの世に存在する何よりも怖いよね。」

イーサン・エンブリーは子供の頃の悪夢が蘇る放浪癖のある若い画家を演じている。「誰しも子供の頃は悪夢にうなされるものだという記憶と結びつけることができる」という点にエンブリーは惹かれたという。インゲルマンが言う。「激しやすい芸術家肌で、常道を逸しているところがあり、コミカルで聡明で情熱家という性格を併せ持つ”アーティスト・サム”として、イーサンは膨大な活力とエネルギーをこの作品に注ぎ込んでくれました。」仕上がった作品についてエンブリーはこう望んでいる。「震え上がったまま劇場を後にして欲しいな。…この作品で誰もが気づくのは誰でも悪夢の記憶があるってこと。それはコントロールのしようがないもの。体は悪夢の奴隷でしかなくなるんだ。」

サムと同じくとり憑かれたルームメート、テリーを演じたダグマーラ・ドミンスクが自分の役柄を気に入った理由の一つは、これが彼女にとって初めての現代劇で、初めてのスリラーだったからだという。彼女は付け加えて言う。「気に入ったのはこれがただのティーンエイジャー向けの典型的なホラー映画ではなかったというところね。この作品は内なる動揺を描いているのだけれど、こういったホラー映画ではそれが一番怖い題材だと思うわ。」もう一点、『インプラント』の持つコンセプトにも惹かれたという。「それぞれに内在する悪魔というのがとても面白いと思った。対峙することを選ぶ悪魔とその存在を否定したために追いかけてくる悪魔がいるの。」

最初の直感というのは往々にして最も影響を与えるもので、結果的にハーモンを監督に選んだのは正しい選択であった。「ロバート・ハーモンとの仕事は我々全員にとってとても楽しい経験だった」と言うのはインゲルマンである。「彼は自分が望むものを明確に分かっている。ビジュアルを重視し、あまりに見え透いていると感じているものには踏み込もうとしない。彼はこのジャンルの映画を見に来る観客に対してその聡明さに関して多大な信用を得ているのです。」リーガンが付け加えて言う。「ロバートは俳優の解釈を大切にしてくれるとても親切な監督なんです。」ブルーカスもこれに同意し、ハーモンとの仕事は「とても楽しかった。俳優としての自分のやり方を見つけさせてくれるし、それを調整してくれるんだ。」

というわけで、『インプラント』は観客にどんな影響を与えてくれるのだろうか? 「日中は全く安全で馴染み深いと思っていたものが、恐ろしく敵意のある存在に豹変するという究極のパニック、それを観客の皆さんに体験してもらいたいと思います」とインゲルマンは言う。「子供の頃に感じた本当の恐怖。この映画を見た後、開け放したクローゼット、夜のガレージ、それにベッドの下なんかを覗けなくなるといいなと思いますね。」

ストーリー



当初ジュリア(ローラ・リーガン)は幼馴染ビリー(ジョン・エイブラハムズ)の狂気じみた放浪をあまり深刻には捉えていなかった。二人が子供の頃から経験していた夜の恐怖を彼がいちいち持ち出すのをナンセンスに感じていたし、不思議と常々”彼ら”には用心するようになっていたからだ。ジュリアには彼が誰のことを、あるいは何のことを言っているのか、さっぱりわからなかった。彼は神経質なほど彼女に”彼ら”の気配には気をつけるようにと忠告する。

しかしジュリアは知的で独立心が旺盛で、夜間に何かに出くわすのではないかとびくびくしているようタイプの女の子ではない。セクシーな救急医療技術者のボーイフレンド、ポール(マーク・ブルーカス)と過ごす傍ら大学院の卒業準備をしているこの人気者の24歳はすでに手一杯の毎日を送っている。だから突然悪夢を見るようになり、暗闇に薄気味悪い影を見るようになっても、単に子供の頃の悪夢の再来だと高をくくっていた。

ジュリアと違い、ビリーの大学の友人たち、サム(イーサン・エンブリー)とテリー(ダグマーラ・ドミンスク)はビリーの恐怖は本物かもしれないと心配し始めていた。何か悪いことが起こるのではないかという予感を払拭することもできず、彼ら自身が経験してきたこととビリーにとり憑いているものの間に何か関係があるのだろうかと訝っている。更に恐怖が増し、説明のつかない事象が起こり始めるに至って、ジュリアはその正体を突き止める決意を固める。

間もなく3人はそれぞれの生活に忍び込む薄気味悪い邪悪な影に脅かされるようになる。その音を聞き、人間とは思えない生き物の影を目撃し、耐え難い悪夢を見る。ビリーを恐怖に陥れている怪物は突然現実味を増してきた。ジュリアが奇妙なビジョンにとり憑かれると、彼女の周囲の人々は彼女が幼馴染のように精神的に不安定な状態になってしまったのではないかと考えるようになる。ポールでさえ彼女の恐怖は彼女の頭の中だけで起こっている出来事だと信じ込んでいる。

間もなくジュリアは一つだけ確かなことを知る−電気が消えると、”彼ら”は彼女のあとを追いかけてくるのだ。彼女は周囲の人間が思うように気がふれたわけではなく、ただ必死で生き残ろうとしていたのだ。しかしついに”彼ら”と闘わずして生き残ることはできない事態となる。

スタッフ

監督:ロバート・ハーモン
脚本:ブレンダン・ウィリアム・フッド
製作:スコット・クルーフ、トム・インゲルマン
製作総指揮:テッド・フィールド、デヴィッド・リンディ
撮影監督:ルネ・オオハシ、C.S.C.
美術:ダグラス・ヒギンズ
編集:クリス・ペップ
衣装デザイン:カレン・マシューズ
音楽:エリア・クミラル
クリーチャー・デザイン及び監修:パトリック・タトポロス
共同製作:バーバラ・ケリー、トニー・ブレイン
キャスティング:ジェニファー・フィッシュマン・ペイト、エイミー・マッキンタイア・ブリット&アーニャ・コロフ
提供: ウェス・クレイヴン
フォーカス・フィーチャーズ提供
ディメンション・フィルムズ共同提供
レイダー・ピクチャーズ作品

キャスト

ローラ・リーガン(『恋する遺伝子』、『アンブレイカブル』)
マーク・ブルーカス(『ワンス・アンド・フォーエバー』)
イーサン・エンブリィ(『すべてをあなたに』)
ダグマーラ・ドミンスク(『モンテ・クリスト伯』)
ジョン・エイブラハムス(『ミート・ザ・ペアレンツ』、『最終絶叫計画』)

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