原題:CHASING HOLDEN

大切なのはきみだった…

2001年/アメリカ/カラー/101分/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2003年09月26日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年09月26日よりDVDリリース 2003年4月19日よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー

公開初日 2003/04/19

配給会社名 0025

解説


大切なのはきみだった…
憧れの作家サリンジャーにひと目会いたい…
そんな思いで高校を飛び出した僕。
ガールフレンドのTJを連れて青春の旅は始まった……

1964年初版以来250万部のロングセラー、誰もが読んだ青春のバイブルです。いつの時代も青春の痛みを分かちあえた。今春には村上春樹氏による新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』も白水社(http://www.hakusuisha.co.jp)より出版されるほか、サリンジャーの長女マーガレットによる『我が父サリンジャー』(新潮社刊http://www.shinchosha.co.jp)の出版も話題になっています。映画『ライ麦畑をさがして』は、同書をお守りのごとく愛読している少年ニールが、ホールデンさながら 家出し、恋を知り、大人への階段をのぼる青春映画です。 懐かしく、ほろ苦い青い時を思い出させてくれます————

はじめての家出、はじめての恋、そして自分をさがす旅。
両親の離婚、父との確執、兄の自殺…問題を山のように抱えた18歳の少年ニール。サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』をライナスの毛布のように離さず、心のよりどころとし、「憧れのサリンジャーに会えば、すべての問題は解決するはず」と思いこんでいる。そんな時、課題が出された。

「『ライ麦』の主人公ホールデンのその後、を書くこと」。
演劇クラスで出会ったTJと、真冬のニューヨークからニューハンプシャーへ、サリンジャーに出会うため無謀な旅に出る。旅の途中、ふたりは貴重な時間を過ごし、初めての恋を知る。しかし、ふとしたケンカをきっかけに、ニールはTJと別れ、たったひとりでサリンジャーに会いに行く。サリンジャー邸を探し当て、目前にしたそのとき、ニールは世界で一番愛しているのはTJだとやっと気づく。すぐにTJのもとへ車を走らせるニール。だが、TJは…。

フォトグラファー、デヴィッド・ラシャペルに見出されプラダの広告モデルに抜擢された
超美形 DJクオールズ初主演!
主人公ニール役は、アンディ・ウォーホール<ファクトリー>出身の著名フォトグラファー、デビッド・ラシャペルに見出され、その端正な顔立ちからプラダの広告モデルに抜擢されたDJクオールズ。『THE CORE』(2003年公開予定)でヒラリー・スワンクと共演し、その繊細な演技と甘いマスクで人気急上昇中TJ役には『キャリー2』にも出演し、確かな演技力と健康的なセクシーさでオファーが殺到中のレイチェル・ブランチャード。
若さゆえの無謀な輝きを体現し、作品世界をひときわ輝かせています。本作は『ベスト・キッド3』のショーン・カナンの初脚本作品。カナンの熱意と情熱により製作へこぎつけた。ブルース・ウィルス&モニカ・ベルッチ主演『Man of War』の脚本を手がける俊英マルコム・クラーク監督作品。

ストーリー

18歳のニールは問題をおこし、少年院からでてきたばかり。彼は愛読書、J・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を一時も離さず持っている。少年院から出たあとに元いたニュージャージーにある名門全寮制高校に戻ることになる。演劇クラスで知り合った魅力的な少女、T・Jとすっかり意気投合するニール。
ニールには、ゲイをカミングアウトした兄ピーターがいる。ニューヨーク州の州知事で、出世を第一に考える父はクリスマス休暇にも休みがとれないこととなり、父の愛人の存在も、ニールをがっかりさせた。「相変わらず」な父に嫌気がさし、ニールは拳銃を手に、T・Jをさそって、ニューヨークへとヒッチハイクすることにする。彼は、小説の主人公、ホールデン・コールフィールドがその後どうなったかを小説の舞台となったニューヨークに行って、知ろうとしていたのだ。そして、隠遁生活をしている作家、サリンジャーにひと目会いたい、と思っていたのである。

ニューヨークについた二人は、ジョン・レノンが銃殺されたダコタハウスや、記念碑のあるセントラル・パークへ赴く。父のコネで超高級ホテルにチェックインし、ディナーを満喫していた。しかしメ拳銃をもって失踪した州知事の息子モという記事が新聞に載ってしまい、警官に包囲されてしまう。どうにか、窓を打ち割って逃亡した二人だが、そんな中ニールはT.Jが薬を飲用していることに気づく。
その薬は、悪性腫瘍末期の患者に処方されるものであることをニールは知っていた。友人が同じ病気で亡くなっていたからだ。T.Jは、残り少ない人生をせいいっぱい生きるために、ニールについてきたのだった。そんな彼女をやさしく抱擁する。T.Jはニールに言う「ホールデンやサリンジャー探しをすることはない、あなたはあなた自身よ」。その夜、深く信頼しあったふたりは急速に愛が深まった。ニールは童貞だったので、ためらうが、T.Jは「わたしも初めてだから心配しないで」とやさしく導いた。翌朝、T.Jはニールのためにクラッカー・ピーナツバター・サンドの朝食を用意し、ニールはT・Jのために詩を書いた。

ニューハンプシャーへ、旅は続く。二人はニールの祖父の家を訪ねる。ひとときの安らぎを得る。雪の中で無邪気に遊ぶふたり。そこでT.Jはニールの兄ピーターはすでに死亡していることを祖父から知らされる。ピーターが同性愛者であることを告白したとき父親と口論になり、頭を銃で撃ち抜いていたのである。血の海の中で死亡している兄を発見したニールには、その現実が受入られず、兄がまだ生きているような発言を繰り返していたのだ。T.Jは、そんなニールを一喝する。「現実をみなさい!」と。二人は喧嘩別れし、ニールはニューハンプシャーのサリンジャーの住む家を訪れる。一方、T.Jはヒッチハイクをして帰ろうとするが、財布もなにもかも運転手に奪われ、雪の降る夜の道に放り出されてしまったのだ。ニールはサリンジャーの家をつきとめ、遠くからあこがれのサリンジャーを目にするが、T.Jの言葉が頭をよぎる。「自分自身になること。」「自分自身の考えをもてる人間になること。」その瞬間ニールは気が付いたのだった。自分は、もうサリンジャーも、ホールデンも必要ないことを。

一方、ニールの父親は自分が如何に家庭を顧みなかったかを、今回の息子の家出で思い知らされていた。そして、大事なプレススピーチを欠席し、息子を迎えにいくことを決意する。ニールは、T.Jと喧嘩別れした場所へ戻るが、T.Jは病状が悪化し救急車で病院に運ばれるところだった。ニールは叫んだ。「ぼくの彼女なんだー」。

病院で、瀕死のT・Jの傍らで懸命に回復を祈るニール。T.Jはニールに囁いた、「あの朝書いていた詩を読んで」と。

愛してると誓い合う。ようやく分かり合えた二人だが、T.Jの命は今、まさに燃え尽きようとしていた…

スタッフ

製作:クリストファー・エバーツ、ジェシカ・ハマーシュラグ、スティーブン・シェンセン
監督:マルコム・クラーク
脚本:ショーン・カナン
美術:ジャン・モラン
音楽:リュック・サン=ピエール
配給:ギャガ・コミュニケーションズ

キャスト

DJクオールズ
レイチェル・ブランチャード
コリン・フォックス
ショーン・カナン
トム・ラック
マイケル・スマイリー
ラオアン・マッシ

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